悲しき誕生日 愛する彼に送るありがとう
年齢差10歳…同年代の方に勇気を持って恋愛をして欲しいと思い書きました。毎日の生活が楽しくなる人と一緒に居る事がこんなに幸せだと感じてほしいと思います
あの日の出会いは偶然だったのか?必然だったのか?不思議な出会いだった後輩と食事に向かう途中立ち寄ったある靴屋さん「可愛い〜」と一足のスニーカーを手にする後輩だった。私は普段からスニーカーを履く事はなく興味はなかったが彼女が持つその靴に惹かれ店内に入っていく 靴屋の店長が話し掛けて来た もしかして「ゆうちゃん」?と…それは学生時代よく遊んでた仲間の一人だった ちなみに彼氏ではない(笑)この彼は昔から私の出会いの神様的なのだ…と言うと…そう〜この彼(店長)が側に居るとき私に恋愛の予感をさせてくれる人だったのです。そしてこの店長と何十年か振りに出会ってしまった事でジンクス通り素敵な彼と出会ったのです。
私の背後に聞こえるステキな声…身長180センチぐらいの細身のいかにもスニーカーが似合いそうな男性が店長と話していた。韓国語?ん?聞き耳立てるが店内の音楽に消され、何を話しているのかは分からない。彼の声だけがいい音色に聞こえる店内に思えた。後輩の彼女は「早く行きましょう」と店内を出たい様子だった。しかし彼を正面から見たい…私の心はまだ店内で粘ってる。店長〜助けて〜と私の心の叫びが店長に届いたのか?「帰る?」と声かけてくれたその瞬間に…彼が振り向く 思わずかっこいい〜!心に矢が刺さり靴屋の店長のジンクス通り私の恋愛はここから始まった… キリッとした眉一重のスッとした顔だち韓国の俳優さんに居そうな雰囲気のある素敵な男性でした。やはり韓国人なであるのか?この恋は無理だとテンション下がる思いでした。韓国語を勉強してればと嘆いてももう遅い… そんな時店長が「かっこいい人だろ〜」と何を思ったのか私に聞いてきた!どうせ言葉通じないのならいいや〜と思い私は「めっちゃカッコいい〜」と声に出すと日本語でありがとう。 日本語もわかるのかと思いますます気になる。だけどこの恋は無理だと思ったのは語学だけの問題ではない。彼はかなり年下であると確信する! あーあ!神様の意地悪… またねーって店長に挨拶して店内を出て行く事に…
後輩の彼女と何を食べる〜と話している時彼女の携帯が鳴る。会社の上司からなのか嫌な顔で話しをしている。今から会社に戻らなきゃならなくなったと言われ食事はまたの機会へと回し彼女は会社に駆け足で帰る。残された私は靴屋の前のスーパーに寄り大好きなピーナッツバターを買いに寄る事にした。靴屋を除くとあのステキな彼は居なかった。沢山ある種類の中から選び手に取ろうとしたその時ふと上を見上げると商品が落ちて来た!そうなんですあの靴屋で一目惚れした彼が商品を取ってくれたのです。再会…笑…ありがとうと言うとこのバター俺も好きなんだ…と日本語で話す彼……そうなんです韓国人と思ってた彼は日本人でしたー。ほら〜ほら〜心が舞い上がる気持ちだった!人懐っこい笑顔と素敵な声ユーモアなお喋りどれを取ってもかっこいい〜 スーパーの中がまるで何処かのテーマパークにいるようなそんな気持ちにさせてくれる彼でした。
用が終わり彼とスーパーを出る さぁ〜これでほんとにサヨナラそう思った瞬間、彼から食事の誘い… きゃーと飛び上がりたい程嬉しかったのですがよく考えたらさき程靴屋で会っただけで!一目惚れとは言えこれは別問題だ…心の中で思ってたら彼が一言!靴屋の店長に許可もらぉ〜と言ってる。靴屋の店長とは兄妹でも親戚でもない、なぜ店長に?と考えてたらそのステキな彼は靴屋に向かってた… 彼女と知り合いですよね!俺信用してもらっていいかな〜と発してる… 店長もビックリだけど私の方を見て笑ってた。恋したのを見抜いたみたいだ この顔は店長の前にでは何度か見せてるのだ(笑) 店長からライン交換3人でしましょうと提案されるそして彼の名前も教えてもらう。 あつし君だ!そして10歳も年下だとわかった それであっちゃんと彼を呼ぶ事にする10歳も年下…だけど店長は私の背中を押してくれた。頑張れ! 2人は靴屋を出て食事に向かう。あっちゃんは何を食べるも聞かず食べたい店へと私を引っ張る…ドキドキの心臓テンション上がる声何話してるのかわからないお喋りだけど癒される自分がいて恋が始まった事を感じた。 私はバツ一の40女です離婚後子育ても終わり人生を楽しんでいました。しかし恋愛だけは先に進む事出来ずにいましたそんな私が恋を…年齢的にも自信が無かったのです。
楽しい食事も終わり帰ろうとする私に送るよと…まだ話ししたいんだ〜とあっちゃんの魔法にかかったかの様に私はついて行く! 今の季節クリスマスがあと3週間後に来る賑やかな街並み気持ちも上がりドライブと…キラキラのイルミネーションよりハンドル握る彼の横顔を見る事の方が輝いてるそんな風に思った。 楽しいおしゃべりもあっと言うまに終わり自宅付近へと送ってもらう。ドアを閉めた瞬間に心が寂しくなり改めて恋したのだと思い胸が熱くなる。 実るはずはない年齢差10歳… 自分の年齢を恨んでしまう。だけどこの恋は進んで行くのでした。
あれから何度かの食事、毎日のメール、電話…そんな2人は過ごしていたけど肝心な言葉は聞けなかった。お姉さんでもいいや〜今は側に居たかったから!恋人達の大イベントクリスマスイブが来た。ケーキを買い箱に一人ぶつぶつと…「メールする?」「いやいやきっと今夜は予定が…」など考えていた夕方あっちゃんからメール!今夜何食べる?と一言!今夜はクリスマスイブだよ?可愛い子と過ごさなくていいの?言いたくないセリフだけど私のめ〜いっぱいの見栄だった…すると食べたい人と食べたいだけ!と返事が来る悩んでた私が何だったんだろ〜 この夜のイブはあっちゃんと過ごす楽しい日となりました。もちろんこの日を境にお付き合い…
日は流れ年末のある日胸の所が痛いと言い出し病院を探す。ある総合病院に担当医師がいるとの事で受診する。血液検査レントゲンあれこれ一時間程経ちあっちゃんが診察室から出てきた。いつも元気で笑顔なあっちゃんが真剣な目で私を見る。「なんてね〜」そんな何時もの冗談を言ってくれるのかと思ったら…一言入院だって… と小さく呟く。大丈夫だよって私の不安な顔を見て笑った。病名を聞く事もなく入院の準備を手伝った。
年が明け1月…2人の気持ちは晴れなかった!彼が入院 病室にはご家族が私は誰も居なくなる時間を見つけ毎日通っていたそんなある日彼の背中を拭いてあげてた時ご両親が来る。慌てる私に彼は紹介してくれた。両親は笑う事なく挨拶された。見るからに年上の彼女だと思われたのか?10分程たち私が病室を出るとお母さんが駆け寄り呼び止められた!その時彼の病名を知る事に…肺癌…それも余命ひと月…と…(大泣き)夢であってほしい…そう願うしか無かった。この日は暗い部屋で一人泣いてたカーテン越しに朝の光が差し始めていた。
運命の出会いからまだ3ヵ月…
笑顔で病室に入る日々がだんだん苦しくなって来た私にご両親から私達が看病するからもう大丈夫だよと言われる。私はそんな顔でここに来てたのか
〜辛いのは私じゃなくあっちゃんなんだ……何をやってんだろう!自分の辛さから逃れようと考えてた自分が情け無かった。全力で最後の日まで支える決意をする。そんなあっちゃんは何も知らない素振りで私と話してるが彼の事は毎日見てわかってるつもり…知らない事は直ぐに携帯で調べる癖がある。だからきっと自分の病名も知らないとは思ってなかった。入院してしばらくしたある日私に別れてほしいと冷たく強い口調で話してきた。命の終わりを気づいてるかのように……でも私は負けなかった!最後まで側に居ると決めたのだから…冷たくする彼の側を離れなかった。2人で乗り越えて行こうと何度も話し合いました。そして彼からごめんの一言…あやまる理由なんてない!私がひと時も離れたくない…ただそれだけ!2人は泣いた。初めて見る彼の涙…
一月も半ば過ぎもうすぐ私の誕生日…誕生日前日彼の外出許可を取ったと私に話すあっちゃん!私の自宅へと両親の許可をへて来る事になった。医師も両親も御兄弟も説得されたと後から聞きました。最後の時間を好きな様にさせてくれたみたいです。彼を独り占めする事に許可を頂き感謝です。妹さんの泣きながら見送る姿がいつまでも焼きつく程彼の病状は悪化してるのだと悟った。自宅に着き寝る準備をしていたらあっちゃんが私の膝の上に居たいと言い出す。その言葉を拒めなく彼は私の横へと座る。彼の痩せ細った身体が軽いのに気づいて涙が出るのを堪える。またひとつ歳を取ると嘆いていたら「おばさん〜」と笑いながら…いつもならこの響きに怒る私でしたが今夜は違った。彼からの誕生日プレゼント前から欲しいと言ってたお揃いのニット帽だった。照れる私に可愛いよ〜と…あっちゃんに出会う前までヒールしか履かないし、エレガントな服を着てた私だったのに3ヵ月後には彼好みのスニーカーを履くカジュアルな服装へと変わっていた。彼の存在は私を知らない世界へと導く欠かせない人になっていた。溢れる涙を抑えきれなかった。彼を抱きしめた。あんなに大きな胸元が細くなり死の近さを感じた。12時の時計が鳴り彼からおめでとうと…振り絞る声!あのステキな声はまだ私には聞こえる。まだ天国には連れて行かないでと願う朝…彼は安らかな顔で私から旅立って行きました。
あれから何に日が過ぎたのだろう〜 彼の温もりがまだ残るこの部屋で見つけた…ゆうちゃんありがとう 泣くな俺はいつも側にいる! の文字がベッドの隅に書いてあった。いつも驚く私を見て楽しんでいた彼らしい最後のプレゼントをもらいました。 ある仕事の帰り夜空を見上げたら光る一番星。 あっちゃんからメッセージ? 頑張れ と…泣いてばかりの私を心配してくるたかの様に… 泣くのは今日でおしまい 明日からは前向いて頑張らないとね…不思議と力が湧いてきた。毎日の帰り道 いつも光る一番星!あっちゃんと命名 その星に毎日会話をする 彼のユニークな話しはもう二度と聞く事はないけど心の思い出はいっぱい、いっぱい残ってる。私の誕生日は楽しくも悲しい日になったけど一緒忘れぬ誕生日! そして今日はバレンタインデー最後まで言えなかったあっちゃんに… 心より愛してる…… ありがとう…
楽しい3ヵ月 悲しい3ヵ月…
振り返ると怒涛のような日々でしたが心の支えに今もなってます。
愛する事の喜びこの年齢で教えてもらった気がします
まだ心に隙間は空いたままですが何時も彼が側に居てくれてます
天国でもたくさんの人を笑わせている彼でしょう。そちらの世界でも愛されてください。ありがとう
ご冥福をお祈りします