山小屋の人間
山の中をのんびり進むユーリとアリサ。
ちらほらモンスターの姿も見えるが流石に魔王と側近に近寄ってくるようなものはおらずにどんどんと進んでいく。
「魔王様、目覚めたばかりなのにお疲れではありませんか?」
アリサはユーリが歩きやすいように山道を踏みならして進んでいく。
「ありがとう、アリサのおかげで楽に進めているよ。全然疲れなんてないから気にしなくても大丈夫だよ。」
ユーリはアリサに感謝しながらアリサが作る道を進んでいく。
アリサは魔王の様子がこれまでと明らかに違うことに変だなと思いながらも自分の目の前で復活したので魔王様に違いないと思い直しながら進んでいく。
「開けた場所に出てきました、あそこの小屋のようなものに住んでいるはずですので声をかけてみましょう。」
アリサはなれた様子で小屋に近づいていく。
「おーい、ベルダ。いますか?」
アリサは小屋に向かって聞こえるくらいの声で叫ぶ。
「その声は魔族の姉ちゃんじゃねえか。一体どうしたってんだ?そっちの男は姉さんの彼氏かい?」
目つきの鋭い人間か小屋から出てくるもアリサとはよく知った仲のようで斧を担いでいるも警戒はしていないようだった。
「失礼なことを言うな。今日はお前に会いに来たのだ。魔王様がお前と話したいということでな。」
アリサは一緒に来た男性が魔王様だと紹介する。
「あ?魔王様?確か姉さんの話では俺が生きてる間に魔王が復活することは無いと言ってた記憶があるんだが。」
ベルダら魔王であるユーリの事をまじまじと見つめて不思議な顔をする。
「これはベルダ殿。紹介が遅れました、魔王のユーリ・ノヴァクです。今日会いに来たのは他でもないのですがアリサが言った用にお話をしに来ました。」
魔王であるユーリは言葉は丁寧だが顔は魔王らしく圧のある笑顔になっていた。
「なんだかよく分かんねえけど話に来たってんなら立ち話もなんだし小屋へ入りな。」
ベルダは魔王の言葉遣いが人間のようになっていることを不思議がりながらも小屋の中へ案内する。
小屋の中は見た目通り広くはなく料理用のかまどと寝られるベッドに食事をする机と椅子が数脚あるだけの質素なものだった。
「魔王には狭い所だろうがすまないな。椅子も小さいが座ってくれ。」
ベルダはアリサとユーリ用の椅子を出して座るように言いながらかまどからお茶をコップについで2人に渡す。
「相変わらず人間の飲み物は美味しいですね。これに関しては羨ましいです。」
アリサはベルダのついだお茶が好みなようでじっくりと味わって飲んでみせる。
ユーリも同じように飲んで見ると本当に美味しいお茶で小屋まで歩いた疲れが取れるような気がした。




