最初に目指す先は
外の世界は10年程度では大きく変わった様子は見られなかった。
魔王城の周辺は高レベルのモンスターで溢れかえっていたが魔王の姿を見つけるとどのモンスターも頭を下げていた。
魔王というのはモンスター達を統べる者なので当然なのだが先程まで勇者としての記憶を持っているユーリは未だに不思議な光景だと馴染めずにいた。
「どのモンスターも魔王様の復活に喜んでおります。勝手に暴れることはないですが魔王様が一声かければすぐにでも人間共を襲いに行きます。」
アリサは辺りを飛んでいる鳥型のモンスターに声をかければすぐだと指をさしながら説明する。
「アリサ、僕は出来れば共存したいと思っているんだ。今の人間がどうなのか分からないけれど何も確認せずに襲うようなことはしないよ。」
ユーリは首を振りながら今すぐに襲うことはないと説明する。
「これは出すぎた真似をいたしまして失礼いたしました。」
アリサはすぐに頭を下げて見せる。
「気にしないからどこか人がいそうな所を案内して欲しいんだ。アリサはここ周辺の人間が住む村は詳しいかな?」
ユーリは現在の人間の生活を確認するためにアリサに確認する。
「それでしたらこの近くに変わり者の人間が1人だけ山に小屋を建てて住んでいます。その人間とは話しましたがこちらから襲うことをしなければその者もこちらを襲うことはないと話をしております。」
アリサは少し前に出会った1人で住む人間の事を思い出す。
「ふむ、なるほどね。ではその人に会いに行こうじゃないか。アリサは既に1度話しているのならアリサと一緒に行くのが良さそうだね。」
ユーリはアリサの話を聞いてその人物に興味を持つ。
「分かりました。それではご案内致します。一山超えるので歩くと1日ほど掛かりますから何かモンスターに乗って行くとしましょう。」
アリサは訪れようとしている場所が遠いため周辺のモンスターで乗れそうな物を探す。
「いいよ、時間がかかっても僕たちは急ぐ必要はないんだ。人間と違って何百年も生きていられるのだから。ゆっくり移動しながらその人間について知ってることを教えて欲しい。」
ユーリは急がなくても良いと歩いて山を越えようと歩みを進める。
「魔王様がそういうのでしたら分かりました。その人物についてですが昔は村で纏め役をやっていたそうですが村の人間に裏切られたことでその村を追われてしまったそうです。それで人間は信用出来ないと1人で山小屋を作って住んでいると言っていました。」
アリサは魔王の横で歩くペースを合わせながら今から訪れようとしている人物の特徴を思い出しながら説明していた。




