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魔王城から外へ

「アリサ、色々聞きたいのだけれど良いかな?」


「勿論です、なんでもお聞きください。魔王様。」


「さっき、今回は早い目覚めと言ったけど普通はどれくらいで目覚めるものなのかな?」


「いつもですと100年ほどかかる事が多いです。」


100年という言葉に人間だった時の記憶が恐怖を覚える。


勇者として魔王を倒したのは確か300年ぶりって言われていたから魔王が目覚めてから活動するまでに200年程の準備期間があったようだ。


そもそも魔王が何年生きられるのか分からないのでその期間が短いのか長いのかも把握出来ない。


魔王として分からない事が多すぎるが少しずつ把握していくしかないだろう。


「アリサは魔王の側近という事でいいのかな?」


「はい、私は魔王様が勇者に倒された後に目が覚めるまで傍にいるよう代々言い伝えられております。」


代々と言っているということはアリサの一族は魔王の側近としての役割を果たしてきているようだ。


「アリサの言うように早い目覚めで記憶が混濁しているようだけれど、僕は魔王としてこれからどうすればいいのかな?」


「魔王様は魔王様のしたいようにしていただいて構いません。代々聞いた話では人間を敵視して勇者と争いを繰り広げることが多いと聞いていますが時には人間と仲良く手を取り共存していった時もあるとか。にわかには信じ難いですが。」


アリサの言葉を聞いて思ったことは魔王は誰かしらの記憶を持って復活するのだと言うことだ。


いずれは魔王として記憶が流れ込んで来るのかもしれないけれど人と共存ができる魔王も居たということは記憶を持っても自分の意思で選べるのかもしれない。


それならばかつて勇者として生きていた者として人との共存の道を進もうでは無いか。


目の前にいる魔王の配下であるアリサはその道を選ぶことに反対するかもしれないけれど。


「アリサ、魔王である僕が人間と共存の道を選ぶと言ったら君はどうする?」


アリサは驚きの表情を見せるもすぐに冷静さを取り戻す。


「あまり賛成はしませんがそれが魔王様の決めたことなら私はお供します。」


アリサの言葉に安心したのでまずやるべきことはこの時代の情報を仕入れることに決める。


「外の世界を知るために僕一人では不安だから一緒に来て欲しいんだけどいいかな?」


アリサに向かって手を伸ばしその手を取ってくれるのを待つ。


「私は何時でも貴方のおそばにいますので。」


アリサが優しく手を取ってくれたのでしっかりと握りながら2人で魔王城を出ていく。

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