第2話 友達と勘違い
久しぶりに更新しました。
書き貯めはしてありました^_^;
「自殺するくらいならその命、僕に下さい!!」
……初めてだった。ここまで誰かに必要とされたのは。
フェンスに掴まりながら私は目の前にいる男の子、天宮くんの顔から目が離せなくなっている。
クラスで他の子が恋愛話していたのは耳にしていた。
でも、人と話すことすらない私には遠い世界のお話程度にしか考えられなかった。
これ以上辛くなりたくないから……。
今日で終わらせようと思ったのに。
天宮くんの一言でこんなにも心が暖かい。
もうここに立ってる必要もない。
フェンスの向こうから手を伸ばしてくれる彼の手を掴む。
……暖かい。
誰かの手を握ったのはいつ頃以来だろう?
お母さんの手みたいに大きくはないけど、優しくも強く掴まえてくれている。
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「よ、よかったぁ…」
天宮くんはドサッと床に座る。
「…ありがとうございます、天宮くん」
私を止めてくれて。
こんな私を必要としてくれて…。
「大丈夫だけど、もうこんなことしちゃダメだからね?」
そう言いながら笑いかけてくれた。
その笑顔を見てドキッとしてしまった。
きっと今私は顔が真っ赤になってると思う…。
夕焼けのおかげで気づかれてはいないと思うけど。
「天宮くんは…なんで屋上に…?」
「これ、教室に置きっぱなしだったでしょ?」
そう言って彼が差し出したのは私の鞄だった。
「あ……忘れてた」
「それに、こんな時間まで一人で残っているのも心配だったしね?」
話したこともないはずなのに…ここまで私の事を考えてくれるなんて。
涙で視界がぐしゃぐしゃになる。
「ゆ、雪村さん!? 大丈夫!?どこか痛いとか!?」
「だ、大丈夫っ…ですっ。…嬉しくて…。」
それから天宮くんは私が泣き止むまで傍で待ってくれた。
――――――――――――――
「……雪村さん、落ち着いた??」
「はい、ありがとう…ございます」
そっと渡されたハンカチを受け取り、目元を拭う。
こんなに泣いたのは久しぶりだ。
「なら、帰ろっか。もうすぐ暗くなるしね?」
「はい」
「あ、そうだ。改めて自己紹介。僕は天宮雄一、これからよろしくね」
「わ、私は雪村彩矢です。よろしくお願いします」
「えーっと、雪村さん、同い年だから敬語じゃなくてもいいんだよ?」
「あ!ごめんなさ、いや、ごめんね…?」
「ふふっ、さ、帰ろう!」
「………うん!」
先に屋上の扉を開けて出ようとする彼の後ろ姿を見て思わず笑顔になる。
……あぁ、彼が来てくれて本当によかった。
色褪せて見えてた空もこんなに赤く綺麗だったなんて。
この夕焼けを私は忘れることがないだろう。
誰にも必要とされなかった私だけれど、
今からでも誰かを好きになってもいいですか?……神様。
少しずつ直して上げていきますのでよろしくお願いします。