第0話 課題と鞄
初の投稿作品となります。
シリアス強めの前半ですが…『恋愛』でいきます。
誤字、脱字ありましたら是非教えて貰えれば幸いです(*^^*)
軽く主人公の説明です。
主人公 天宮 雄一
高1
身長 168㎝
性格 おとなしいが芯が強い。
困った人を放っておけない。
趣味 ゲーム、料理、寝ること
苦手なもの 勉強、友達作り、人の視線
では初めていきます。
「や、やっと終わった…」
疲労感により机に突っ伏す。
外を見るとすでに真っ赤な夕焼け空だった。
机の上には課題のプリント。
天宮雄一は、授業中の居眠りにより残されていた。
苦手な数学のプリントを憎らしそうに睨む。
ちょっとゲームで夜更かししたのがダメだったようだ。
おかげでこんな時間まで学校に残ることになるとは…
教室の時計は5時半を示していた。さて、早く帰ろう。
あとはこのプリントを先生に提出するだけだ。
何もこんな難しい問題よこさなくてもいいのにさ。
荷物をまとめて教室を出ようとし、隣の席の鞄に気づいた。
隣の席は…ええっと、雪村さんの席だ。
入学して半年たったが彼女とはまだ話したことはない。
というか誰かと話す様子すら見たことない。
そんな事を考えながら今度こそ教室を後にする。
向かう先の職員室は1階だ。1年の教室は3階にあるため階段を降る。途中一人の女性とすれ違った。
雪村さんだった。
特徴的な黒く長い前髪、目元まで髪がかかっているため
顔ははっきりと見えない。
雪村さんは真っ直ぐ階段を昇っていった。おそらく教室に鞄を取りに行ったのだろう。
しかし、この時僕は雪村さんが上に向かう理由を知らなかった。
――――――――――――
「お、しっかりやってきたな居眠り男」
プリントを受けとると吉川先生は笑いながら言った。
「すみませんでした」
僕は素直に頭を下げながら言った。
吉川先生は数学の先生であり、僕のクラスの担任だ。
仕事でなかなか帰って来れない母親の昔からの知人で色々と気にかけてくれている人だ。
「天宮、一人でいる時間が長いからといってだらけるのはよくない。しっかり食べて、しっかり寝ろよ?」
「はい。今日は早めに寝ます」
「おし、気をつけて帰れよ。教室にあと誰もいないな?」
教室に向かう雪村さんを思い出し、吉川先生に伝える。
「あ、雪村さんが残っていました」
すると吉川先生は腕を組んでこう言った。
「……天宮、雪村の隣の席だったよな?仲はいいか?」
真剣な顔で訊いてきたのでちょっと緊張した。
残念ながら雪村さんとは話したことも…なかったと思う。
「いいえ、あまり話したことないです。」
「うぅむ…やっぱりか。あの子もお前と同じ…いや、お前以上におとなしい子でな。俺はあまり他の子と話してるのを見たことがない。」
「僕も見たことないです。」
部活にも入っていると聞いていない。それなのにこの時間に残る用事があるのだろうか?
「天宮もあまり親しい人いないように見えたが…お前はこうやって話を出来る。しかしな、雪村は『大丈夫です』としか言わないんだ…まいったな。」
痛いとこ突かれた。
僕は引っ越してこちらの高校に入ったのはいいが、他の人は中学からの友人がいるためいいが、僕は知り合いがいないため浮いてしまっている。
………辛くないよ?ただ寂しいだけだから!
「だからな、天宮、雪村と仲良くしてやってくれ。」
僕としては仲のいい人が出来るのはとても嬉しい。
なので素直に頷くと吉川先生もニカッと笑って頷いた。
この約束がこの先の僕の生活を変えこととなった。
初めてなので短めです(^_^;)
まだまだ登場人物のことは描かれていませんが少しずつ
皆さんに理解してもらえればな~と思います。