02.
MIAの誇る能力組織ネクロム。
国家所属の組織である。
大都市パラデュンバロンには秩序と平和を乱す犯罪組織、テロ組織が多数存在する。
ネクロムは犯罪組織階級A以上の時に任務を遂行することが命じられている。
「名乗るのが遅れたな、私はシャムロック。MIAの指揮官でネクロムの担当を任されてる」
口元がほころぶ。
「ではネクロムのメンバーと顔合わせでもしとこうか」
シャムロックと名乗る中年おじさんが淡々と話す。
「ちょ、ちょっと待ってください。俺は入る前提なんですか?」
「調べたところによると、君は仕事がないようだが……」
痛いところを突いてくる。
「それに我々としては能力者である君を野放しにしておくわけにはいかんからな」
「は、はぁ」
顔に諦めの表情が染み付く。
ーーーー
「ここだ。すでに皆集まっている」
シャムロックに1つの部屋の前に案内される。
「では入ろうか」
扉が音を立てて開く。
目の前に3人の美少女が座っている。
「あぁぁぁぁぁぁ!」
雷に打たれたような、呆気にとられる。
なんと、目の前には同じバイト仲間のアイリッシュがいるではないか!
当事者のアイリッシュも拍子抜けしたような顔でこちらを見ている。
「お? 知り合いかい?」
シャムロックがたずねる。
「いや、ていうかなんでアイリッシュが?」
「こっちの台詞よ! 新入りって士郎のことなの?」
そんなこんなで一応、場は落ち着いた。
アイリッシュのほかに2人の美少女がいる。
1人はエイプリル。桃色のツインテールが特徴の女の子だ。小学生くらいに見える。
もう1人はロイヤル。水色の髪。大人びた雰囲気を醸し出している。
「顔合わせも済んだところで士郎くんにはネクロムとしての役割を説明をしようか」
シャムロックが改まった声で言う。
「士郎くん含めてここにいる君たちはギフトと呼ばれる能力者なんだ。ギフトはね、人間のいわば上位互換なんだ。だが……」
そう言いながら表情を改める。
「その能力を悪事に使う者も存在する。その者たちと対抗するべく結成されたのが対能力者組織ネクロムだ」
「と言うことは、アイリッシュたちも能力者ってことですか?」
「無論その通りだ」
「さらに言うと彼女達は過去に犯罪組織と戦っている。いわば君の先輩だ」
とシャムロックが続けて話す。
「ということで、よろしく! 後輩くん!」
アイリッシュが皮肉まじりにいう。
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