1章その4
アテンション!何も会議してないよ!
さて。彼女を家に送った所は割愛し、現在僕の部屋には、狐、陰陽師と僕がいる。
これからここで何をするかと言うと、次回予告のとおり、[作戦会議]だ。
「そういえば、なんだけど。」
JKモードの夜白は僕に話を投げた。
「七瀬紬、という女、倒れるときに何か言うておったな。」
「なになに?その話、ボクにもちゃんと聞かせてはくれないかい?」
非常に不服ではあるが、こういうことに関しては伊吹のやつ、使える。断言しよう。
「倒れるときに、父親に何かをされたときの記憶?が戻ったりしたのかもしれないが、『お父さん、やめて』だか、言っていたんだよな」
僕が思うに、虐待だか、何だかだと思うんだよな。カフェに行ったときも離婚してる、って言ってたしな…。
「わらわ的にはそれほどのものでもないと思うんじゃがな」
「じゃあ…こういうものを使ってみようか」
そう言って伊吹はカメラを取り出した。
「は?カメラ??そんなもの使ってどうわかるんだよ。」
「よく聞け千鶴くん、これは相当な禁呪だから、誰にも口外するな。これはな…」
「これは…」
「七瀬さんの写真さ!」
「呆れた。いつ撮ったんだか…って、ちょうど倒れた時の上空じゃないか!」
「写真は別に普通さ。ここからだよ」
そう言って伊吹は紙と筆を僕にせがみ、1つの札を完成させた。陰陽師、なんだな。まじまじと書き上げるところを見ていた僕の腕をつかんで、夜白はひとこと。
「正気か?」
「本来敵であるボクに心配をするのかい?変わったなぁ、君も。」
「別にお主のことなんか微塵も気にしてはおらん。ただ、千鶴は初めてじゃろうから、身体に何かあっては、これからの仕事に使えなくなるからの」
嬉しいなって、思った矢先これだよ。やはり僕は手駒に思われてるな?
「伊吹、ソレはなんなんだ?僕はここにいて大丈夫なのか?」
「まあ、あの九尾が恐れる代物であることは確かさ。やれば全部わかる。」
そう言って伊吹は書いた札を飲み込んだ。
伊吹は軽く手首足首の運動をして写真をまじまじと見つめた。
瞬間。
カメラを破壊した。片手で。
「おい、伊吹!それ、高いんじゃねえのか!?しかも紬のデータが!!!」
「そち!やめろ!今伊吹の気を引くのは危険だ!!」
夜白の警告はあまりにも遅かった。僕は叫んだ瞬間彼と目が合い、そして、笑われた。いつもの笑みではなく、冷徹で、光のない、殺意を込めた笑み。
「千鶴!!!!」
僕の目の前には伊吹が立っていた。
「俺ノ…邪魔ヲ…スル…ナ!」
「そち!代われ!わらわなら止められる!!」
殴りかかられ、蹴りを入れられそうになり、連撃を繰り出され、僕はそれらを間一髪でかわして呟いた。
「夜白、いい。僕が全て終わらせる。」
「───反撃開始だ」
長らくお待たせいたしましたあおりんごです。
今回少し短いのは下校途中に書き上げたからです