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だいたいの面白い話は最初に問題がある。
『メロスは激怒した』なんて、その極めつけだろう。
でも、この話にはそんなものはない。
そもそもこれは物語ですらないんだから。
ただの
僕の妄想だよ
以前にも話したように僕はバカだった。
そのことが原因かどうかは知らないけど、僕はどんどん陰鬱な性格になっていった。
4年生のころに親が離婚してからはそれに拍車がかかったと思う。
はっきりいって離婚したこと自体はまったく関係ない。
問題はそれによって引っ越しをしたことだ。
一応同じ学区内に引っ越したものの、やはり小学生。家が近いやつとよく遊ぶからさ。
つまり付き合いが変わったんだ。
そうなるとアレだね。
僕みたいなバカは思い通りに動いてくれるからね。
そ、いじめの対象になるわけだよ。
少し前まで仲の良かった奴の、ね。
いやー、買ったばかりのものを漫画の付録をびりびりに引き裂かれて公園に捨てられたときはもうよくわからない感情になったね。
世の中にはもっと残酷な仕打ちを受けた人がいることは知ってる。
でも、僕を壊すにはこれだけで充分なんだよ。
そこのところをあいつらはよく知っていた。無意識かもしれないけどね。
ま、そんなものさ。
短いかもしれないけどこの話はおしまい。
そんなに特筆するべきこともなかったみたいだしね。
ちなみに
そんな僕でもつるむようなやつは居たんだが今となってはそいつの連絡先すら知らない。
ま、そんなものさ。
突然だけど
溜め池をつくるには何がいると思う?
答えはダムだよ。
それは僕の場合でも同じでね。
それもいつか決壊する。
そのときを迎えるのが、今は一番楽しみかもしれない。
ああ
僕が沈んでいく