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チート・イン・プログラム  作者: みかんちゃん
第2章 学園 少年期編
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第8話 早朝トレーニング

 ガーネットに呪いをかけたのか結局分からずじまいで蟠りの残る事件ではあったが幕を閉じた。


 あれから8年という月日が流れ、リュートは11歳となっていた。リュートはアレク王の推薦もあり孫娘と同じ学園に通うことを勧めてきたがリュートは近くの学校でいいと断り家から徒歩10分程の所にある小さな学校へと通っていた。そんなリュートは最近の日課として早朝のトレーニングを取り入れていた。


 朝、目を覚ますと上着を脱ぎ、下は動きやすいズボンをはくと腰に短剣が2本差せるベルトを装着し家を静かに出る。


 「よし、まずはランニングだな」


 軽く柔軟体操をし筋肉をほぐすと早朝10キロのランニングからトレーニングは始まる。太陽が顔を出す頃には家の庭に到着し次に腕立て伏せ、腹筋、背筋をそれぞれ100回3セットを行う。それが完了すると脇に差してある短剣を1本抜き何度も同じ動作を確認するかのようにゆっくりと丁寧に突きの練習を行っていた。


 「……97、98、99、100っと今日のトレーニングも終わり」


 リュートが何故このようなトレーニングを始めたかと言うと時は半年前に遡る。



 ――半年前、リュートの夢の中


 「……ぃ」


 「……い」


 「小さな木陰のうんこの影から いかがわしいかとカッコウが鳴く」


 「うおおーい、その歌違えぇ!しかも前半の流れと全然違うよね!静かな湖畔の森の影からでしょ!」


 「おぉそっかぁ、黒崎君は細かいねぇ。いや今はリュート君の方がいいかな。元気かい?」


 リュートは相変わらずだなこの神様はと苦笑しつつも懐かしい気持ちでいっぱいだった。


 「おかげ様で。スキルは役に立ってますよ」


 「そうかい、それは良かった。何かこっちの世界に来て不都合はないかい?」


 リュートはそう言われて以前から気になっていた事ではあるがステータスの基礎身体が3歳から全く上がっていなかったのでどうしたものか悩んでいたのでちょうどいいと思い神様にその事を相談した。


 「ふーん、ちょっとステータス見せてね」


 神様はそう言うとリュートの頭に手を乗せステータスを開いた。


 【名前】リュート・クロノス

 【職業】ニート

 【HP】30 / 30

 【MP】0 / 0

 【腕力】5

 【俊敏】5

 【知能】70

 【能力】プログラミングスキル Lv6(文字数制限3000文字×Lv)

     マクロ記録スキル(起動する事で動作がコード化される)

     ハミング符号スキル(状態異常を検知し自動修復但し複数状態異常にかかった場合は不可)


 「うーん、スキルは成長してるっていうか増えてるね。これは完全に世界に順応できてないね」


 「えっとそれってつまり?」


 「つまり、君だけあの世界でのベクトルが違うって事。問題ないかもしれないけど問題あるね」


 「一体どっちなんですか?」


 「HP見てごらん?3歳並みって事は普通に生活している分には問題ないけどモンスターとかにやられたら即死だよね。だから普通に生活している分には問題ないって事。だけどあの世界においては魔法もあるし飛び火しても死んじゃうからやっぱりリスク高いよね」


 「…まじっすか。じゃあ外出ないほうがいいですね。テラヒーリングもあるし病院を開設しよう」


 神様はリュートのその一言を聞いて肩をワナワナと震わせると拳を思いっきり振り上げリュートをぶん殴った。リュートは思いっきり殴られ後方へと吹っ飛んだ。


 「バッカモ――――――――――ン!!」


 「デ、デジャブ?何か前にもこんなやりとりあったような」


 リュートは頬をさすりながら立ち上がる。夢の中でも痛いんだなってこの感覚も前に味わった事があるのを思い出した。


 「せっかくアドブエンチャーな世界に行ったんだよ?冒険しないなんてありえないでしょ。全く人間はすぐ楽な方へと逃げようとするんだから。これ悪い癖よ。仕方ない君にレベルアップ方法を伝授しようじゃないの。よ―く耳をかっぽじって聞きなさい。まずはランニング100キロで俊敏が1あがる。腕立て伏せ、腹筋、背筋をそれぞれ1000回で腕力が1あがる。これは全てが1000を超えた時1あがるから必ずセットで行うように。そして同じ動作を1000回行う事でHPが何とこれは5あがります。ただしこれは腕立てとかと併用はできないが同じ動作の繰り返しであれば何でもいいから逆にこれが一番あげやすいかもね」


 「じゃあHPはもっと上がっててもよさそうじゃないですか?例えばご飯を食べると言う行為は1000回とっくに超えてるかと思うんですが」


 「同じ動作っていったでしょ。君は同じ角度、同じ姿勢、同じ位置に茶碗があって同じ動作で茶碗を取っていたかい?単純にHPあげるなら箪笥の開け閉めとかそういうのがいいんだよ。後は竹刀の素振りとかね。ああいうのって慣れてくると同じ動作になるから身に着けばそのうち1000回なんて1日で出来るようになると思うよ。あっそろそろ時間だ。じゃあ鍛錬するように。そのうちイベント発生させてあげるからじゃーねー」


 こうして神様にレベルアップ方法を伝授されこうして早朝のトレーニングを取り入れるようになった。一応こうして毎日欠かさずレベルアップトレーニングを続けてはいるが上がっていなかったら怖いのでいまだあれ以来ステータスを開いてはいなかった。


 「おっ発見。相変わらず朝からトレーニングとは凄いですねぇ」


 トレーニングを終えリュートは上半身裸で寝っ転がっていると同じ学校に通っている同じクラスで家が近所のサーヤが迎えにやって来た。最近では一緒に朝食をとり、2人で登校するというのがすっかり定着していた。


 「来たか、いつものように食卓で待っててよ。着替えてくる」


 「はいさ、今日のリーネさんのご飯は何かなぁ?楽しみですねぇ」


 リュートはもう迎えに来てるのか飯を食いに来てるのか最近じゃ分からないなといって笑いながら家に入って行ったのでサーヤはそれに続いて家に入って行った。





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