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チート・イン・プログラム  作者: みかんちゃん
第1章 転生 幼少期編
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第6話 お妃救出 後編

 誰もが予測しなかった事態に国王は声を殺してハンカチを噛みしめて啜り泣きしていた。孫の2人がそれを見て背中をさすって慰めていた。


 「おじいちゃん、大丈夫だよ」


 「そうよ、あんな魔法使えたんだもん。治すのだってきっと簡単よ」


 「ぞぉじゃどい゛い゛んじゃげどぉぞぉ (そうだといいんじゃけどのぉ)」


 啜り泣いている国王を無視し、リュートは先程の失敗を踏まえ、どちらの方法で行こうかほんの少し迷ったが自分のかけた呪いが現時点ではキロ級なのかメガ級なのかはたまたそれ以上の魔法をかけてしまったのか判断がつかなかったのでヒーリングで呪いを除去する方法に考えをシフトした。


 (さっきはトータルで200MP使っちゃったから400MP振ってみよう)


 ヒーリングのプログラムをMP400使用するように調整後、リーネに魔法をかける。


 「ヒーリング」


 リュートがヒーリングをかけると体内が光り輝き、一瞬黒い靄の塊が空中へと飛び出すと空気に溶け込むように消えていったと同時にリーネが目を覚ました。


 「上手くいってよかった、母さん大丈夫?」


 「ええ、大変だったわ。お腹の上に漬物石がずーんと乗っていているせいで動けないのよ」


 「…母さん、平気だったのかそうじゃなかったのか分かりにくいよ。ところで俺がさっきかけたカーズは何級位になりそう?」


 リーネはぼんやりした様子で少し考え込んだのち、あれはメガ級の呪いねと言った。その言葉をヒントにリュートは単位の仮説を立てる。ステータスオープンは他の人には見る事が出来ないのでどれくらいMPを消費したのかが分からないのだ。


 「なるほど、メガがMP200でMP400消費で打ち消すことが出来たということは400はギガ級ということか」


 「そうよ、リューちゃんよくわかったわね」


 「なぬ?何故母さんは分かるの?」


 リュートは人のステータスは見れないのにどうして分かるのか鼻息を荒くしてその返答を急かす。


 「だって自分のステータスは見れるじゃない。私が驚いているのはそこじゃなくてよく単位なんで知ってたわねって事。数字だって教えてないのに」


 そこを指摘されたリュートはまだ3歳である事を忘れてしまっていたのでどう誤魔化そうか必死に頭の中をフル回転させて言い訳を考える。


 「と、父さんに習ったんだ」


 「あらそう、お父さんいつから10以上数えられるようになったのかしら?まぁいいわ。リューちゃんは話せば理解してくれそうだから今からMP消費数によって発動する魔法の単位を教えておくわね。1から9までは単位無し10から199はキロ級で200から399はメガ級、400から799はギガ級、800以上はテラ級だけど母さんは残念ながらここまでしか分からないわ」


 リュートは別の意味でカルチャーショックを受けた。


 (ガーン!!薄々気付いてたけどやっぱり1000単位じゃないんだ…前世の知的財産は全く活かされないじゃないか)


 とりあえず今回の件を解決するには十分な情報であった為、リュートはリーネにお礼を言うとヒーリングコードをテラ級仕様に修正し再コンパイルをかける。

数値を書き換えただけなのでエラーも特にはなく使って問題無しと判断したリュートはガーネットの近くへと歩み寄る。

 

 「ま、待つんじゃ!」


 リュートの進行を大人の全力タックルで妨げる。


 「うわぁぁ!ってぇ何するんですか?擦りむいちゃったじゃないですか。ヒーリング」


 リュートは擦りむいた膝小僧にヒーリングをかけると身体中が白く淡い光に包まれた。その光が体内に刷り込まれるように消えると傷も綺麗さっぱり治っていた。


 「おぉ本物じゃ!神じゃ!レジェンドじゃ!」


 リュートの治癒力を見て、国王は本物の神を見たかのように歓喜の声を上げて喜んだ。その姿を見たリュートは何だか国王は単純だなと思っているとミアとメアがリュートの袖を軽く引っ張ってきた。


 「ん?どうしたの?」


 「「お母さん治せそう?」」


 すがるような目をした2人がリュートの目を見つめてくるので2人の頭を撫でて任せとけと言わんばかりに自分の胸を軽くと右拳で叩いて見せた。リュートは何も言わず振り向いてヒーリングのMP調整を行いガーネットに魔法をかける。


 「ヒーリング」


 ガーネットに施したヒーリングは眩い光で包込むと決して呪いを逃すまいと強く光を放ち続けていた。やがて黒い靄が腹部の中心へと集まった時より一層光は強さを増し誰も直視出来ないほどの光を放つとゆっくりと光は力を失うように徐々に消えていった。


 「成功したのか?」


 国王が恐る恐るガーネットに近付くがガーネットは一向に目をさます気配が無いがしかし、苦しんでいると言うよりは終始にこやかな顔をしているのに気が付いた。


 「……これはどうなっているんじゃ?」


 「あっ言い忘れてました。テラ級のヒーリングを身体全体に受けると終始マッサージをされているかのような気持ち良さ、温泉に浸かっているかのような暖かさ、天国にいるかの至福が3日間続きます」


 それを聞いて、安全なのは分かったが眠りが覚めるのは3日後という事になってしまった。それを聞いたリュートはお茶目ポーズを取り両頬に軽く人差し指をあて呟いた。


 「や、やり過ぎました」


 「ガーーネットーーーーーー!!」


 「「おかーーーさーーーーん!!」」



 

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