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「恋をするっていうのとは、ちょっと違うけど、割りとドキドキした」

今回のテーマは、『デジャブ』…。

 西暦2008年の3月の昼下がり…。

 今、また再び、オシャレに命をかけたつもりでいる暇な人々の激しく切ない戦いが始まる…。


(この作品は、一切、コピー機能を使用していません)


 ここは、S県にある『キャンディーキューティー刑務所』…。

 その殺風景な出口から出て、刑務所内で世話になった看取たちに、挨拶をして、出所する一人の少女がいた…。

 彼女の名は、越島ジェリ(無職、前科2件あり)。オシャレに命を預け、この資格社会の中で、普通二輪免許と調理士免許を持ってなかったが故に、悲しい運命(自業自得)を辿った少女である。

 刑務所内で着れなかった、お気に入りの白のゴスロリファッションに、着替え、ウキウキ気分で彼女は街を歩く。

「昔の過ちは忘れて…、これからを楽しく生きていくわ!」

 と、前向きに決意を新たにした瞬間!!

 彼女の周りで、いきなりにもほどがあるだろう!的なまでの事件が発生した!!


バァーーン!!!


「きゃあ!!」

 裂くような強烈な銃声の音が、彼女の耳に入り込む。

 なにがあったのだ!?と、彼女の目線は、銃声が鳴った先に走る。

 目線の先には、コンビニがあった。どうやら、銃声が鳴ったのは、このコンビニのようだ。

「一体、なにが…」

 彼女の脳裏に、嫌な想像が沸く…。

(なんか、何回も同じことしてるような…)


(この作品は、一切、コピー機能を使用していません)


 彼女は野次馬と、パトカーが囲む現場近くに駆け寄った。

 そして、その一部始終を知るべく、たまたま近くに居た、野次馬の青年、黒鮪黒陰(某料理学校講師、生まれた暦と、彼女どころか、友達居ない暦が同じ)に話し掛けた。

「そこの、微妙に、登場回数が多い人!」

「ひっ!」

 と、普通な話し掛け方を彼女はした。

「一体、なにが起きたですか…?」

「この24時間営業のコンビニエンスストアー、『チェンジ・キックホッパー・パンチホッパー』に、本物の銃を持った強盗が…」

 ジェリは、自分の顔に手を当てた。

「へぇ…」

 もう彼女は、あまり驚かなくなっていた。

 すると、黒鮪黒陰が更に説明をする。

「強盗の名前は、オシャレ大学卒業の『アッシュ・ライク・スノー・健彦』で、人質になっているのは、『チェンジ・キックホッパー・パンチホッパー』の店長、『クライマックスBOY・オレ・ヨウヤク・サンジョウ』です」

 なんと、今回も、ジェリの憧れ(ていたのは、数ヵ月前まで)のオシャレ大学の卒業生による見るも恥ずかしい事件だったのだ。

 手慣れた要所、要所を手短に黒鮪黒陰が説明をする。

「オシャレ大学、ブリタニア文化学部卒業の芸能人志望の真面目な青年で、芸能人になれなくて、やさぐれて、たまたま落ちていた拳銃を拾ったので、それで近くにあったコンビニで強盗をすることにした人ですよ…」

「へぇ…」

 やる気なさそうに、ジェリは彼の話を聞き流す。

 たぶん、優秀な日本の警察だから、すぐ彼は逮捕されるだろうと思って、ジェリは、その場から立ち去った。


(この作品は、コピー機能を使用して、話を再構成なんかしていません…)


(このような現象を、『デジャブ』と言います…)



 銀行をあとにして、家路に向かう彼女は、のほほんと鼻歌を歌う。

「オシャレな街を、オシャレな服着て歩く、女の子〜♪」

 彼女が、歩いている道は桜の並木。

 ちょうど、春になり始めた季節。

 つぼみ達が、そろそろ、花を咲かせようと、桜色に染まろうとしていた。


「本当は、とっても自信がないから…、きっと、とってもツライ恋から覚えた、あの日の言葉のように…♪」


 桜並木に溶け込んでいくように、彼女は、歩いて行く。

 前へ、前へと足を進ませて行く。

 暖かくなった日差しを感じながら、桜のつぼみの匂いを感じる。


「そうか、もうすぐ、春か…」

では、また次回作で、お会いしましょう…。

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