『チョコレートと、ハッピーは甘いものでしょ』
この作品は、かなりの実験作です。内容については、寛大な目で見て上げてください…。
西暦2008年の二月…。
今、再び、オシャレに命をかけたつもりでいる暇な人々の激しく切ない戦いが始まる…。
ここは、S県にある『キャンディーキューティー刑務所』…。
その殺風景な出口から出て、刑務所内で世話になった看取たちに、挨拶をして、出所する一人の少女がいた…。
彼女の名は、越島ジェリ(無職、前科あり)。オシャレに命を預けたが故に、悲しい運命(自業自得)を辿った少女である。
刑務所内で着れなかった、お気に入りの黒のゴスロリファッションに、着替え、ウキウキの気分で彼女は街を歩く。
「まぁ、昔のことは忘れて…、これからを楽しく生きていくわ!」
と、前向きに決意を新たにした瞬間!!
彼女の周りで、いきなりにもほどがあるだろう!的なまでの事件が発生した!!
バァーーン!!!
「きゃあ!!」
裂くような強烈な銃声の音が、彼女の耳に入り込む。
なにがあったのだ!?と、彼女の目線は、銃声が鳴った先に走る。
目線の先には、コンビニがあった。どうやら、銃声が鳴ったのは、このコンビニのようだ。
「一体、なにが…」
彼女の脳裏に、嫌な想像が沸く…。
(あっ、月曜日が休日だと、ジャ○プは土曜日に発売になるんだ…)
コンビニを見ると、週刊誌が第一に頭に出るのは、人として生きる者の悲しい性なのだろうか…。
彼女は野次馬と、パトカーが囲む現場近くに駆け寄った。
そして、一部始終を知るべく、たまたま近くに居た、野次馬の青年、黒鮪黒陰(某料理学校講師、生まれた暦と、彼女どころか、友達居ない暦が同じ)に話し掛けた。
「そこの、友達居ないのを他人のせいにして、自分を正当化してそうな人!」
「ひっ!」
と、かなり失礼な話し掛け方を彼女はした。
「一体、なにが起きたですか…?ガン○ムによる、武力介入?黒の騎○団?」
「いや、違いますよ…。この24時間営業のコンビニエンスストアー、『チェンジ・キックホッパー・パンチホッパー』に、本物の銃を持った強盗が…」
ジェリは、自分の顔に手を当てて驚く。
「まぁ!24時間営業のコンビニエンスストアー、『チェンジ・キックホッパー・パンチホッパー』に、本物の銃を持った強盗が!!」
すると、彼女の驚きに合わせて、黒鮪黒陰が更に説明をする。
「強盗の名前は、オシャレ大学卒業の『エンドレス・ラバーズ・レイン・コンピューターシティー・玉雄』で、人質になっているのは、『チェンジ・キックホッパー・パンチホッパー』の店長、『クライマックスBOY・オレ・ヨウヤク・サンジョウ』です」
ジェリは、また驚く。
なんと、前回と同じく、憧れのオシャレ大学の卒業生による見るも恥ずかしい事件だったのだ。
更に、何故か、事情に詳しい黒鮪黒陰が説明をする。
「犯人の『エンドレス・サマーズ・レイン・コンピューターシティー・玉雄』は…」
ジェリは、黒鮪黒陰が名前を間違えたのに気付いた。ツッコもうとしたが、めんどくさかったし、別に会話を広げたいわけもないから、やめた。
「オシャレ大学、ブリタニア文化学部卒業の芸能人志望の真面目な青年でした…」
黒鮪黒陰の『エンドレス・ラバーズ・レイン・コンピューターシティー・玉雄』が強盗になった理由の説明が、約二時間くらい続いたが、短く簡単に要約すると、『芸能人になれなくて、やさぐれて、たまたま落ちていた拳銃を拾ったので、それで近くにあったコンビニで強盗をすることにした』ということであった。
ちなみに、この二時間の間に、強盗の銃が、さっきの威嚇で宙に撃った1発しかなかったのが判明した瞬間、警察の武力介入により事件は解決した。
やはり、日本の警察は、あなどれないと黒鮪黒陰の説明を聞き流しながら、ジェリは思った。
こうして、彼女は、また歩み始めた。
久方ぶりの連載です。長い間、スランプ状態に陥っていたので、これから、徐々に調子を戻しながら、執筆して行こうと思います。