孤独な世界に潜む瞳が見つめるもの
螺旋階段を登りながら運命の果てに向かう
それが人間の人生なのだろうか?
繰り返しながら生きる廻りながら運命を進んでいく
そして最後の空の青さを見る
この瞳は、この人生の終わりに何を見るのだろうか?
どんな意味で、運命の神は。平凡な俺に能力を与えたのだろうか?
その意味と意図と隠された真実を知る時には、俺自身の心の闇が消えているのだろうか?
少女の部屋は、必要最低限の生活用品以外物がなく窓の世界は、ビルの壁だけが見えていた。
俺は、少女の向かいに座っていた。
少女と俺の間には、赤いテーブルがありそのテーブルの上には、缶珈琲が置かれていた。
少女は、一言二言喋りながらうずくまりながら俺を見ていた。
「君が、どんな噂を聞いて俺の所に来たのか分からないけど…俺は、普通の人間で何もできないよ」
「能力が欲しいんです…」
「能力?何を言っているのか分からないけど能力なんてないよ」
「復讐をしたい…」
少女は、そう呟くと大粒の涙を流した
少女の話は、両親が幼い頃に交通事故で亡くなってから少女は、姉と二人で生活していたという身寄りが居たが…人間関係のトラブルとかで姉妹は、色々と苦労する生活を過ごしていたという
そんな恵まれてない生活でも少女は幸せだったという姉の不審死をするまでは…。
姉は、朝から深夜まで仕事をしていたという
少女の学費とか生活費を稼ぐ為に休みなく
少女は、そんな姉の後ろ姿を見ながら育ち生きてきた。
まるで母親のようだったという
少女の悲しい過去の話を聞きながら少女は、激しい怒りの瞳で一枚の写真を睨む
その写真には、少女と姉と男性が写っていた。
「姉は、この男に殺された…」
「殺された?なら警察に相談するべきだと思うんだけど」
「ダメだった。事故死っというばかりで相手にもされないし…」
「事故死…?」
「私のお父さんとお母さんの死んだの同じひき逃げで」
「君がお姉さんが殺されたというけど、何か心当たりがあるのかい?」
「それは…」
少女は、無言のまま俺を見ると言葉が出ないほど感情が込み上げているのか涙を流していた。
それからしばらくの間少女と会話をしながら
その男性の事を聞いていると病院関係の製薬会社の研究者らしく少女の姉と付き合っていたという
少女は、その男性と姉が付き合うのは反対も反感もなく二人を応援していたという
ある異変が起きるまでは…ある日姉は、昼間の仕事だけをするようになっていた。
その彼氏から生活の支援をしてくれていたから婚約をしてこら姉は、少女と過ごす事が多くなり二人は幸せだったという
姉が倒れるまでは、少女は、そう言うと鞄から小さな紙袋を取り出す
「これは、姉があの男から渡されて飲んでいた薬です。」
「薬?病院の薬かい?」
「いいえ…姉から聞いた事があって…あの男の人が研究している開発している新薬で、姉の病気が特殊なやまいで内臓の機能が衰えて腐る病気らしくそれを阻止する薬だと…」
「内臓が腐る病気?警察に言ったのかい?」
「いいえ…怖くて…」
「…そうか、俺に相談しても何も役に立たないよ。誰かに相談するべきでは?」
「でも…あの男の人、警察の上層部の人と仲が良いみたいで…姉が死んだ時も警察の人や葬儀の準備をしていので…警察に相談しても何だか怖くて…」
「そうか、分かった。その薬お借りしてもいいかな?」
「はい…」
「少し調べてみるよ。君はどうして俺に頼ろうとしたんだい?」
「学校とか知人から噂を聞いたから」
「どんな噂?」
「特殊能力を持つ闇の探偵さんだと…あとヤクザとか警察の上層部の人から貴方の名前が出るぐらい凄い人だと…オカルトとか変死など調査専門とか…色々と…」
「何か、凄い噂だね。俺も初めて聞いたよ。そんな噂ほど全然凄くないけど…調べるだけ調べてあげるよ。」
「ありがとうございます。お礼とかは?」
「要らないよ。でも何かあれば警察に相談しにいこう」
「はい…お礼なしでは…」
「缶珈琲だけでいいよ」
俺は、そう言うと少女に仕事時間だからと立ち上がり少女から薬が入っていた白い袋を手に取ると少女と少し話し少女の家から出た。
少女は、少し心が落ち着いたのか脅えた表情もなく優しい微笑みをしていた。