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第30話 神
んん……くっ……あ、頭が……
ここは、どこだ?
俺は…そうだ!アーシュと一緒に戦っていた時に、
引っ張られるように俺は……。
意識が戻り、俺の目に映ったのは、
天使のような翼を広げた男だった。
こいつが俺を引っ張ったのか?
こいつが全ての黒幕か?
天使は俺を見つめ笑みを浮かべる。
慈愛に満ちた表情だ。
そして、俺を両手で持つと歩き始める。
その先には、玉座に座る青年がいた。
天使は青年に、膝をつき頭を下げる。
美しい青年だ。
ただ、表情がない。
その目はまるで何も見ていない。
生きているのに、生きていないように見える。
深淵を覗くような深い深い瞳で、俺を見つめていた。
俺は真っ白な木の棒になっていた。
ステータス
神樹の木の棒
状態:神の神樹の木の棒




