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伝説の木の棒 後編  作者: 木の棒
第3章 戦い
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第26話 子供

 アーシュ達は何処かへと向かっている。

 ハールにもらった果実はアーシュが持っている。


 ちなみに、何で移動しているのかというと……ラミアです。

 はい、ラミア白蛇になって、アーシュとベニちゃんを乗せて高速移動中です。


 これがなかなか速いし、乗り心地がいい。

 ラミアも楽しいのか、ご機嫌で移動してる。


 俺はアーシュが持っているけど、ラミアの蛇の皮膚に触れていれば、魔力供給してあげられるので、ラミアの魔力が切れることはない。


 途中、悪魔と遭遇しても、ラミアの水蛇と、アーシュの雷で牽制したり、倒したりして進んでいく。


 いったいどこに向かっているのだろう?と疑問に思うと、アーシュから魔力が流れてきた。

 その魔力に込められたイメージには、聖樹王のような大きな木が浮かんでいた。


 この果実を聖樹王の場所に届けるのか。



 1時間ほど移動した時、前方で大きな煙が上がった。

 アーシュ達がその煙の近くにいくと、一人の少年が悪魔と戦っているところだった。


 しかも、ケルベロスだ!


 あの大穴の境界線にいたケルベロスと同じ種族と思われる悪魔相手に、子供が1人で戦っている。


 アーシュが雷をケルベロスに落とす。

 一瞬ひるんだケルベロスを、少年があっという間に倒してしまった。



 少年のもとに向かったアーシュ達。


 近くまでいくと、その少年は本当に子供だ。

 まだ10歳ぐらいじゃないか?

 こんな小さな子供がどうして1人でこんなところに?



 アーシュ達は子供と何か話している。

 アーシュがこの子供を警戒していることが分かる。


 ベニちゃんとラミアはそうでもないけど。


 俺も、この子供からは何か嫌な感じがする。


 無邪気に笑い、楽しそうにアーシュ達に話しかけてくる。

 ん?どうやら、この子はついてくるのか?


 ま~こんなところに1人でいるのは危ないけど、そもそもこの子は里の仲間なのか?

 ハールの里以外に住んでいる者達との関係性がいまいちよくわからん。

 そもそも、何の基準でハールの里の味方になるのか、敵になるかも分からないのだから。



 アーシュは若干渋っていたけど、結局子供は一緒に行くみたいだ。

 また白蛇になったラミアに、子供も一緒に乗ってくる。


 乗った時に、アーシュの脚を触ろうとして、アーシュに手で弾かれていた。

 アーシュがちょっと怒鳴っている。


「気安く触らないでよ!」ってな感じだ。


 ま~俺も大事なアーシュを気安く触られるのは気に入らないけど、まだこんな子供だ。

 俺は大人だからな!余裕の笑みで許してやろう!


 でも次触ろうとしたら、俺が雷落とすからな?



 アーシュの子供に対する警戒は高まるばかりだ。

 子供はそんなことお構いなしに、楽しいピクニックにでも行くかのような雰囲気だけど。



 子供と一緒に向かっていった先に見えてきたのは、聖樹王だ。


 たぶんね。

 この地下世界は真っ暗なので、遠くから聖樹王を視認することは難しい。


 こうやって、ここまで近づいてきたら、この馬鹿でかい木が聖樹王なのだろうと思うのだけど、色が黒いな。


 まるで俺みたいだ。

 ……この木の棒は地下世界の聖樹王から作られているのか?

 ナールみたいな、聖樹の狩り手が存在するのか?



 聖樹王の側まで来ると、ラミアは白蛇から元の姿に代わり、みんな徒歩で歩いていく。

 向かう先はもちろん、聖樹王だろう。


 聖樹王の根に空いた穴から、中に入っていく。

 大穴の境界線に向かった時を思い出すな。

 今回は逆で、地下世界側からだけど。



 アーシュ達が根の穴に入って歩くこと1時間ちょい。

 目的地なのか?神秘的な泉に辿り着いた。


 根の穴の中に泉があることも驚きだけど、こんだけでかい木の中なら、あっても不思議じゃないか。



 アーシュは持ってきた果実をその泉の中に入れた。

 手を合わせて祈る3人。


 果実はゆっくりと泉の奥底に沈んでいった。


 子供はそれをじっと見ている。

 しばらく祈りを捧げると、さて帰ろ~みたいな感じになった。


 え? これで終わり?

 これだけのために来たの?


 なんかあっけないな~と思いつつも、変なトラブルが起きるよりいいかと思っていたその時、子供がアーシュ達に何か指さす。



 指さした先は泉。

 アーシュが果実を戻した泉の底から、大量の果実が浮かび上がってくる!


 な、なんだこれ?!

 アーシュ達も驚いている。


 この果実はいったい何なんだ?

 慌てるベニちゃんとラミア。


 アーシュは泉を睨み付けて、事態を把握しようとしている。



 すると、子供が泉の側にひょいと飛び移る。

 そして、泉から湧き出る果実を1つ手に取ると、そのままかじった。


 大きな声をあげて驚く3人。

 あの果実を食べることが、そんなに驚くことなのか……。

 少年は果実をどんどんかじっていって、1つをまるごと食べてしまった。



 少年は果実を食べ終えた後、両手を広げて自分をアピール?している。

 自分は平気だよと、言わんばかりに。


 それを見て、また驚愕している3人。

 特にアーシュの動揺はすごい。


 アーシュは果実を指さし、少年に何かを聞いている。

 少年はアーシュに答えていく。



 少年とのやりとりの後、アーシュは泉に近づこうとする。

 ベニちゃんとラミアが、アーシュの腕を掴んで止める。


 ものすごく怖い顔でアーシュに注意しているようだ。

 アーシュは、ごめんごめんといった軽い感じで謝っている。



 アーシュはあの果実を食べようとしたのか?

 それをベニちゃんとラミアは止めた?


 少年は3人の様子を笑いながら見ているだけだ。

 この果実を食べるといったいどうなるんだ?


 アーシュは俺の想いに魔力で応えてくる。


 伝わってくるイメージは“強くなる”だ。


 この果実を食べると強くなるのか?

 なら、どうしてみんな食べないんだ?


 “死”のイメージが伝わってくる。


 死ぬのか……この果実を食べたら本当は死ぬのか?

 子供はどうして生きていられるんだ?


 この子供の強さは果実を食べたことで得られた強さってことなのか。

 果実を食べたら死ぬということが、嘘だったとか?



 再び少年がアーシュに何か言う。

 アーシュの目は、あきらかに果実に向いている。


 少年を警戒していたはずなのに、どうしてアーシュは少年の言葉を聞いているんだ?

 そんなに果実が食べたいのか? いくら強くなれるからって、そんな死ぬかもしれないって果実を食べるなんてダメだ。



 ベニちゃんとラミアは絶対ダメという感じで、アーシュを止めているが、アーシュはどうも食べたがっている。


 ベニちゃんが本気で怒り始めた。

 さすがにアーシュも分かったのか、名残惜しそうに泉から離れようとする。


 その時、子供が何か呟いた。


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