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6.使い魔ミルク誕生

「ヘーゼル、起きてください。子猫と使い魔契約の儀式を行います」


 すっかり寝入ってしまった私を、手袋が起こしに来てくれた。「うーん」と伸びをして、手袋とリビングへ急いだ。ワクワクすると同時に、少し緊張もする。だって私の使い魔が出来るのだもの。


「しっかり休めたかしら、ヘーゼル?」

「はい、すっかり元気です」

「では、始めましょうか。子猫と一緒にこちらへ」


 サンドラが指し示した先には魔法陣が描かれていて、ほのかに青白く光っていた。私は子猫を籠からそっと出して、抱っこしながら魔法陣の上に移動した。すると、魔法陣が眩しいくらいにキラキラ光りだし、私たちを包んだ。


「相性はとても良いようね。それでは、ヘーゼル。その子に名前をつけてあげなさい」

「えっ、名前!? 名前、名前……」


 えぇ~! もしかして、決めてなかった? わたくしとしたことが。事前にヘーゼルに確認を取っておけば……。失態です。


「ヘーゼル、その子をよく見て。そうすれば、その子が教えてくれるわ」

「よく見る? うーん……ミルク? ミルク……そう、あなたはミルク!」


 魔法陣のキラキラがぐるぐるとまわり、私とミルクにスッと入ると、魔法陣は消えてしまった。


「おまえ、ごしゅじん、さま? ミルクの?」

「ふえぇ?」


 子猫がしゃべった! 私はびっくりして、抱っこしていた子猫をじっくり見てしまった。


「ミルク……いい名前ね。ヘーゼル、ミルクに応えてあげなさい」

「私、ヘーゼルがミルクの主です。これからよろしくお願いします」

「ヘーゼル、ごしゅじんさま。ミルクよろしく」


 私の使い魔、ミルクが誕生しました。白くてふわふわで、琥珀色の瞳で私を見返してくれる、なんてかわいい子なんでしょう! 私だけの使い魔! 嬉しくてミルクを抱き上げながら、その場でくるくる回ってしまった。そんな私たちにサンドラが、


「こんにちはミルク。ワタシはサンドラ。ヘーゼルの師匠になるわ。こちらはワタシの使い魔の手袋。あなたの先輩になります。よろしくね」

「ご主人。無事、使い魔の儀式は終えたようですし、そろそろ夕餉といたしましょう」

「そうね、ワタシもお腹が空いたわ。今夜はナタリーから頂いたチーズで、少し豪勢なグラタンを作ったの。ヘーゼルの記念すべき第一歩を、それでお祝いしましょう」


――こうして森の魔女の家に小さな使い魔が一匹、加わることになりました。わたくし、明日から忙しくなりそうです。はぁ。――

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