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ファイル見学 2003年3月3日

ハルキさんがご飯に行くと

雑魚寝で寝ていた寮長が声をかけてくれた、

アユムさんという貫禄ある方は

優しく気さくな方のようだ。

ハルキさんが

ご飯に行くとますます一人で

何もやることがないことに気づいた。


携帯もプリペイド式のため

無駄にいじるわけにはいかない

パケット代がチャージしている分だけ

減っていくので

無駄に使えないのだ。


とりあえずノンケの三人組が

プレステ2で桃鉄をしてるのを見てると


髪の毛長め金髪のぽっちゃりした

アユムさんが起きて話しかけてくれた。


「おはよー。アンタ新人なん?」

どうやら関西弁のようで

初めて関西弁の人と出会った。


「おはようございます。

はい、スバルと言います。

よろしくお願いします。」


「よろしくー、寮長のアユムって呼んでな。」

地に足のついた出で立ちは強そうである。


「よろしくお願いします。

あの、、寮ってことですが

何か決まりとかあったりするんですかね?」


店長からは特に何も話もなく

雑魚寝で生活することは把握してたものの

ルールみたいなのがあるような話はなかったので

不安だった僕は真っ先に聞きたかったことだ


「いや、特にないけど

まー人として嫌な思いにならないように

生活してもらえればええよ。」


意外と普通な回答に拍子抜けしたが

変な決まりで窮屈な思いをすることはなさそうなので

ひとまず安心した。


「わかりました、ありがとうございます。」


「他に聞きたいことある?」

後で聞いた話だが

アユムさんは昔ゲイバーの

店子さん(ゲイバーの店員さんのこと)を

してたようで貫禄がある感じもなんか納得だった。


「いえ、ほかには大丈夫ですが

また何かあったら質問すると

思いますがよろしくお願いします。」


寮長と軽い話をすると

マネージャーさんがバタバタし出した

「皆さん、ファイル見学のお客さんが

来店するのでよろしくお願いします。」


…ファイル見学?


なんのことか分かってない僕の様子を感じて

アユムさんが話しかけてくれた


「ファイル見学って

ホームページに載ってる画像とか

プロフィールをファイルに入れてて

カタログみたくお客さんが品定めすんねんけど

画像って見た目詐欺ってたりするから

気に入った子がいたら実際に顔を見て

本当に良さそうなら指名されるって感じ」


理にかなってるシステムだなと思いつつも

お店に直接来るお客さんってすごいなと思いつつ


どんな人が選ばれるんだろうと

変にドキドキ

緊張してきた。


(ピンポーン)

お客さんが来たらしく

マネージャーさんが玄関へと急いだ

「いらっしゃいませ、こちらへお越しください」


「…気になる子がいたらお声がけくださいね」


そう言うといきなり僕が呼ばれた

「スバルちゃーん、顔見せいい?」

そう言われると

お客さんに顔合わせした


「は、はじめましてスバルです。

よろしくお願いします。」


こんなんでよかったのだろうか…

お客さんは45-46くらいの

メガネを掛けた

小太りで小柄なおじさんだったのを覚えている


どうやら僕の垢抜けない

田舎臭い感じが良かったようで

そのまま指名された。


マネージャーさんは

初めてで右も左も

わからない僕を見て気づいたようだ

「スバルちゃん初めてだもんね、

んー…

そしたら個室まであたしが案内するから

90分間お客さんの相手して

一通り終わったら

個室の掃除して帰ってきてもらっていい?」


「わかりました」


「あ、個室の掃除は

ベッドのシーツ変えて、

ファブって

お風呂場の水滴が残らないようにバスタオルで拭いて

ゴミ箱のゴミはゴミ袋に入れて

シーツとゴミ袋を持って帰ってきてね」


一通りプリペイド式携帯の

メール機能でメモをした。


「…わかりました。

また分からないことがあったら電話しますね。」



「うん、緊張してるだろうけどカンバってね!」


なんだかすごくオネエ口調で話した彼は

サトシという人で

毎回優しく接してくれるいい人なイメージだ。


「…お客様おまたせしました。

それでは個室までご一緒にご案内します。」


事務所からまっすぐ坂道を降って

戸山口方面まで向かった近くにある

きれいなマンションが個室になるらしい

戸山口から近いから「戸山VIP」と呼ばれていて


他にも

お店から近いので「ちかVIP」

お店から遠く早稲田方面にある「とおVIP」

と3種類存在する

「戸山VIP」は2部屋借りており

綺麗な部屋だったので

従業員はみんな好きな部屋だった。


共通玄関を抜けて

個室の鍵を開けて三人部屋に入ると

マネージャーさんは甲高い声で淡々と

「到着しました、こちらの個室になります。

ごゆっくりお楽しみにください。失礼します。」


そう言うと鍵を玄関において去っていった。


僕の初めての接客が始まる。。



そしてプレイが始まるが右も左も分からない僕は

どうすればいいのか…。

手探りの接客という名のプレイが始まる。

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