色んな環境で育った人達 2003年3月3日
朝を迎えると
夜と代わり映えのない部屋が
目の前には広がっていた
ここから僕の新しい
売り専での雑魚寝生活が始まる。
「うわー、今このタイミングで
キングボンビーをなすりつけるんだ、
性格出てるよ?」
朝までずっと
桃太郎電鉄をされてたようで
朝7時だと言うのに
代わり映えのない部屋に驚いた。
四六時中タオルを洗うために
回ってる洗濯機を横目に
シャワーを借りて着替えを済ませてみたものの
ずっと葉タバコの煙が立ち込めているので
身体がすぐさまタバコ臭くなってしまった。
そんなネガティブな気持ちになっていると
まるでゴールデンレトリバーのような
金髪で長めの髪の毛の
ホスト風の男の人が声をかけてくれた。
「君がスバル君?」
「は、はい…そうです。…。」
「俺等、同期みたいだよ?俺はユーマ、よろしく」
声楽の勉強をしてた僕からすると
ホストの風貌をする人は
ドラマとかの架空の人間くらいに思っていたので
戸惑いが隠しきれなかった。
「よ、よろしくお願いします、素敵な服ですね。」
18歳の僕には
どう声をかければいいのか全くわからなかったが
とりあえず衣服を褒めてみる
「あーブラックレーベル!好きなんだよね」
なんだか分からない単語をツラツラと
言われてたが正直思い出せないくらいには
チャラい印象を受けた。
ユーマさんは
23くらいで178cmほどの高身長で
65kgくらいだったと思う
とても綺麗な身体のラインをしてて
ホスト風の金髪の髪の長い人だった。
こんな根暗そうな僕でも
気さくに話しかけてくれたのだが
どうやら
本当にホストを生業にされてた時期が
あったことがわかった
「何で売り専をやろうと思ったんですか?」
素朴な疑問が浮かび思わず質問をしてしまった。
「あんま人には言わないようにしてたんだけど、俺…実は老け専なんだよね、おじいちゃんとかがよく売り専使ってるって聞いたからやってみようかなってさ。」
老け専というのは
かなり年上の人が好きな趣味嗜好の方を
指す言葉だとその時
初めて知った。
「まさに天職ですね、笑」
「見た目からすると想像つかないかもしれないけどね。驚いた?」
「いや、いろんな人がいますから」
思わず周りを見渡すと多種多様な人が周りにはいた。
ユーマさんは
本当に気さくな人で
すでに待機してる人とは
打ち解けていて周りの人のことを色々教えてくれた。
桃太郎電鉄をしてる三人組は
三人ともノンケらしく
ひょろっとした「ヒデユキ」
ガッチリしたキレイめな「タイチ」
小柄だけど顔立ちが醤油顔の「ハジメ」
という三人であることがわかった。
そして
他に雑魚寝してるギャル男三人は
三人ともゲイで
太めなフェミニンなギャル「アユム」
白ギャル「タクヤ」
黒ギャル「ライタ」
という面々らしい。
家出することでいっぱいいっぱいだったがみんな
一人ひとりをみたら
話しやすそうな人だなと感じる
「あー、これから写真撮影行く前にエステに行くからまた後で!頑張れよ」
ホスト風のユーマさんは
そう言って去っていき
僕はコンビニで朝ごはんを買いに行くことにした。
みんなが受け入れるとは思っていないが
少しでも輪に入れるように努力をしようと
少しだけ前向きになることができて
ホストって本当にすごいなと
心から尊敬する朝を迎えることになり
近くのコンビニで
一番安いおにぎりを買って
タバコ臭い部屋では食べたくなかったので
歩きながら食べた。
これから本格的に
売り専での一日が始まる。
歩き食いをした朝ごはんのあと
事務所には同世代くらいの子が一人座っていた。
僕みたいなやつが話してはいけないような
クラスに1人はいた爽やか系の人は「ハルキ」という名前らしい。




