第71話「転・VS試験管③」
「……状況整理いる?」
「ん~じゃあ解説しとくか、現在、外界ではアンケ実力編でプロ達が己の技量でしのぎを削っている、よりよく内界を表現出来るかの勝負、そこに善悪は関係無い。国会の音声は作品を劣悪にするただのノイズ……」
「……まあ、現実世界で何が足らないかの指標にはなるがな。……少なくとも熱中・没頭とはほど遠い冷静さになる……」
GM姫と桃花先生は太陽と砂漠の上で、熱風と汗をかきながらそのゲームを見守る。
対する内界は一次創作の写経と二次創作の写経の応用が出来る……って所まで来て。で、この時点で咲の波動色が〈何か〉を感じた。
外界から漏れ出た波動色に、何かを感じ取った咲。それはよくある画力勝負での〈鳥肌〉、全てを数段圧倒させる、最上位に優位性を何でも持って行ってしまう鳥肌。
桃花先生は久しぶりにそれを感じた。
そして、咲は、古典とか写経とか言っている場合では無くなった……!
「私の土俵は文章だ……! そして鳥肌は視覚情報! 画力で出来るなら文章でも出来るはずだ!」
それは全く別の次元での思考……つまり、どうやって文章で鳥肌を出させるか? という更なる頂きの乾き、渇望だった。
――まだ昇ってない頂きがある!!
――同じ眼力なら出来るはずだ!!
「お前ら試験官が望んでんのはこういうのだろ? 待ってろ、全てを凌駕する圧倒的な高みへ私が連れてってやる……!!」
《情報を更新しました、イベント名「文法で鳥肌を立たせろ!」に上書きします》
咲は腹ぺこ狼みたいに、欲望と本能に動いた。
その言葉を聞いて、牛試験官は望んでいたかのように笑みすら浮かべて。
「待ってやる。ただし条件がある、あまり強い言葉を使うなよ。弱く見える……俺を失望させるな」
「お~け~……」
咲は戦闘準備の為に1ターンお休みの姿勢に入った。
「……ふむ、では残りの相手は俺がしてやるよ」
蟹試験官が、残りの5人に標的を定める。ターゲットが移動した。
その前に出たのは近衛遊歩。遊歩は〈魔銃〉を構え、〈魔弾〉を装填する……。
名前◇魔銃〈ベレッタM93R〉
希少◇A
分類◇拳銃_援護射撃用_イタリア製
解説◇3点バースト機構。引き金を1回引くと、自動で「3発だけ」弾が発射されるスリーラウンドバースト機能を搭載しています。これは遊歩が援護射撃用にフィールドの制圧力を重視して、敵を倒すことよりも「敵の頭を下げさせる〈障害物から出られないようにする〉」ことを目的とした射撃戦術を選んだから。また普通の拳銃としてもベレッタM93Rは実在し、外界での工作用にも使われる。あくまでも神に仇なす眷属として、場を制圧・咲と姫の援護のための1トリガー3バーストの銃である。装弾数15発〈マガジン〉、速度1秒372メートル、射程範囲50M。
名前◇トリックバレット
希少◇A
分類◇魔術_技術_物理
解説◇魔銃〈ベレッタM93R〉専用の弾丸、非接触物理技、1マガジンごとに色彩を変えて数種類持っている〈15発1セット〉。赤のマガジン〈ゴム弾〉、青のマガジン〈毒弾〉、黄のマガジン〈蜂弾〉、緋のマガジン〈刹那弾〉、緑のマガジン〈爆弾〉、紫のマガジン〈矢弾〉。
ゴム弾。絶縁体の電撃を通さない弾丸、殺傷能力は低いが〈当たり〉は100%を超えている。
毒弾。不思議なことに味が付いており〈甘い〉、中身は虫歯菌が生息しておりその進行を魔法により加速させる。当たったら酸で溶けるように骨をも溶かす。
蜂弾。虫で出来ている弾丸。空を飛び地震が効かない、1つの弾丸ごとに微小の波動色を纏っている。妖精の尻尾のように追尾する。
刹那弾。もの凄く速い弾丸。1発1刹那に変換するので、発射後約0.013秒で飛翔する。
爆弾。爆豪と爆裂の2種類選択可能で、弾丸に魂が宿り〈性格がある〉爆豪は直線的、爆裂は曲線的、当たるか外れるかも弾丸の気分しだい。
矢弾。破魔矢と似た効果、怨霊や魔除け用の結界展開などに使われる、弾丸の材質は未覚。
近衛遊歩は手始めに、緋のマガジン〈刹那弾〉を装填する。
「手始めにコレだ、今のお前らの実力……見せてもらうぞ! アマ級野郎!」
「カニカニカニ! それこそお前……舐めすぎだぜ!」
神の眷属遊歩は、魔銃を放ち、3弾の弾丸が刹那的に飛翔した。




