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エレメンタルワールドⅡ  作者: ゆめみじ18
第2章「大サーガ時代」今現在歴2029年11月4日〈日〉

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第33話「起・アゴで使う」

 天上院姫が手を緩めた事によって流れが変わった。代理のサブマスターとなった舞姫はゲーム進行をする。

「ところでミュウ様……、この棋譜……集団をアゴで使っていませんよね? これにはどういう意図がありますか?」

 見知らぬ問いが姫に降りかかってきた。

「? ん? いや普通にテーブルトークRPGみたいにセッションする形だけど……」

「それだとこの盤面は動かせません、極論を言えば駒単体に見えますが、明らかにこれは集団戦です。合唱コンクールと違う所は、チームとして各集団に指示が出せます」

「?」

「例えば、皆1番、皆2番、皆3番と集団を個別に命令することが出来ます。サッカーのリーダーはフィールドの真ん中ですがキーパーも指示を出せます。その感覚なら声を張り上げ、指示を出すクセは付いているはずでしょう? ……まあもっとも対戦相手が居ればの話ですが」

 舞姫が言いたいのは、普段は個人としてプレイングしているが。政府や最果ての軍勢が入ると、途端に〈国単位〉になると言うことと。不特定多数の集団に対する指示の出し方が下手、ということなのだろう。もちろん、姫はそんなゲーム進行はしていないが。要するに〈世界1位なら集団に一気に指示が出せる立場〉に居るという認識の違いである。


 今まで、最低労働賃金で働いていたので気づかなかったが。最底辺の気持ちも最高位の気持ちも今ならくみ取れる。その上でゲーム進行をすれば〈個人戦〉から〈集団戦〉へ、チームプレイが可能となる。だが、姫は今〈手を離せない〉ので、舞姫が代わりに指揮を取る。

「そうですね……まずは〈皆上司〉は各国とのテーブルを用意すること、各国は圧力を弱めて話し合いに専念すること。〈皆中間職〉はまず部下がストレスなく働ける空気作り。〈皆部下〉はまず暴動や暴走をやめて淡々と仕事をこなしてみて下さい。こんな感じかな」

 まずは騒動を治める所から始める。


 その上で舞姫は、まず日本国が置かれている情勢を上から目線を落とす。

「そうですね……トップ同士はまず難しそうですから、中国と日本政府はまず閣僚同士の話し合いの場を設けて下さい。一般の民間人は自由に行動して構いません。中間職は放課後クラブを支援している人達に対して説得を始めて下さい。……とりあえずこんな所でしょうか」

 姫は「なるほど、やってるゲームの種類が違うのか……」とちょっと感動した。

「ちなみにその支点感覚を養えるゲームってなんじゃ?」


「信長〇野望じゃないでしょうか、ちょっとゲーム操作が難しいですけど」

「なるほどやってみるのじゃ!」

 それから数時間後……。


「うん、やってみた。なるほどな! 〈軍団〉というシステムがありがたい。土地という名の領土が広くなりすぎて個人独りで手に負えなくなった所に〈軍団〉を〈新設〉その土地では好きにやって良い形にする。勝手に領土を広げてくれたり戦ってくれたり、主のピンチの時に勝手に駆けつけてくれる。なるほどこれなら広くなっても融通が利くな!」

 姫はゲーム機を手に取りながら、何やら閃いた様子だった。

「お役に立てたようで何よりです」

「では今あるプレイヤーの中で好き勝手に行動していい人物〈軍団長〉と、エリアを決めれば。言い訳だな! ん~そうだな~、この規模感だと5人はサブマスター欲しいなあ~。国連長と王族長と市民長と、……あとは今回の舞姫と咲かな? サブマスター長。で、あとはドアの部屋の部屋番号か、マルチバースの番号か、地球の中の何処かの土地を指定すればいいわけか! どんな運用が良いと思う? 舞姫?」


「そうですね、折角の陰陽五行論で、折角の治安維持部隊ですから最果ての軍勢のナンバー2と、私と咲さんぐらいで良いと思います。合計7人ですね、あとは地球か・宇宙か・未知の土地か、はたまた別アースか、ドアの世界の別の部屋か、はミュウ様の采配で良いと思いますよ」

 舞姫はそもそもミュウが手を広げる射程範囲が広すぎるので分散することを視野に入れた。もちろん、目視で確認出来る所と言えば何と言っても地球のまだ未開拓の国名にするのが良い。とちらにしても外部隠蔽工作は〈地球のどこか〉でしか人間は工作出来ないので。アメリカ、イギリス、中国、エジプト、ロシア以外の何処かの土地なら、ニュースで変換されて確認出来るので解りやすい。5系統の例外として舞姫と咲がサブマスとしてゲームをコントロールすればいいという話である。

 つまり、次に考えるべきなのはアース018以外だと本当にややこしいので〈同一人物のパラドックスとか〉、空いている土地〈国名〉に役割を割り振るのが妥当だと思われる。

 最果ての軍勢の5系統第1位はGM姫の手腕に従ってもらうが、第2位は自由に動いていい土地で、たまに手伝って貰う形を取るという意味だ。

 で、舞姫に相談したいのはその地球にある、強化・賢術・陰陽・精神・未覚に相応しい未登録の国は何処にすべきか? と言うところである。


「うーん、そうですね。ブラジル、ドイツ、インド、イタリア、オーストラリアの国と土地に変換するのが良いと思いますよ」

 つまり、ザックリまとめるとこうなる。


 〈サブマスター軍団長〉

 説明◇基本はGMの指示なしに。自由に組織を作ったり開発したり、好き勝手に何をしても良いが。GMのピンチとなれば駆けつける、または普段からGMにとって良かれと思う行動を優先する集団。5系統ナンバー1は〈後出しジャンケン〉をするが、5系統ナンバー2は〈先出しジャンケン〉をする。これは〈元の光〉を基準に行う。これはゲームマスターの指示や判定は絶対だが、サブマスに指示された国では何をやっても自由という意味である。


 サブマス1◇天上院咲〈ゲームマスターと同格の神の座に居るから〉

 サブマス2◇舞姫〈神の憑代だから〉

 サブマス3◇リボン、強化、ブラジル担当。

 サブマス4◇ライダー、賢術、ドイツ担当。

 サブマス5◇ウォルト・ピンキー、陰陽、インド担当。

 サブマス6◇ソウル、精神、イタリア担当。

 サブマス7◇トール、未覚、オーストラリア担当。


 サブマスター舞姫はこれで進行を提案する。

「これでどうでしょうか?」

「うん、良いと思うぞ! ただ、遅れも乱れもない。〈今と同時に動く存在〉は特別だからそこだけ気をつけるように。桃花とかオーバーリミッツとか、戦空や夜鈴は足並みを揃えて今を生きているからそこだけ注意な」

「かしこまりました」

 舞姫はミュウに〈速度問題〉を気をつけるようにと言われて、この案は採用された。


 豆知識

 名前◇アカウントカード

 希少◇R

 分類◇パスポート_カードキー_証明書

 解説◇主にドアの世界で作品と作品を跨ぐ時に使われるパスポートみたいな物。コレが無いと作品と作品を行き来が出来ない。波動色によるサインで多世界解釈でも誰が誰だか識別が可能になっている。同じアース017の主人公Aと、アース019の主人公Aだろうとこの波動色は変わらない。変わらないが、波動色自体はカラーコード識別で16進法で表せるため、この色単品では〈著作権は無い〉つまり好きに使って良いフリー素材と言うことである。

 ただし、単一の色情報カラーコードは万人の共有財産であり、そこに価値は生じない。 しかし、そこに〈技術〉――すなわち線画・形状・質感といった「作家性〈オリジナリティ〉」が付加された時、その色は単なる情報から、権利と価値を宿した『固有の表現』へと昇華する。

 ちなみに今回はアース018とちゃんと住所を書いてあるので、パラレル的に同じ人物〈アース017の主人公A〉と〈アース019の主人公A〉が同じホームを使うことは基本的に無い。この部屋はアース018の主人公Aだけが入れるホームとして機能する。

 主線色と背景色が別れているのは、単色での偶然の被りはあるものの、2種類のカラーコードが被ることはそうそう無いので、これで他世界での自分の存在色を見間違うことは極端に少なくなる。

 確率の話で言えば、主線色だけで約1677万色通りあります、これに背景色が合わさって約1677万色、合計で約281兆通りになります。

 このアカウントカードには本人のそのゲームソフトによるレベルや職業によるクラス〈階級〉は書いていない。

 運営側である神道社はこのアカウント発行を手作業で行うので無闇やたらに量産できない。よってあまり再発行しないので、レベルや階級が変わった時に再発行する手間が増えるので変化が激しい情報はカードデータとして保存され可視化されない。また、手作業ゆえに量産ができず、原則として再発行も行われないため、紛失は長期間の足止めを意味する。

 主に前の世界の情報を元に、次の世界へ最適化するための手順。データコンバート〈変換〉の時に使う。このアカウントカードがあれば自身の〈ホーム〉を展開することができ、各世界や作品での称号・スキル・職業・ステータス、など様々なデータが保存された状態で残せる。

 このホームは〈記録保管所・ホーム〉と呼ばれ。あくまでも〈情報〉や〈オブジェクト〉として処理され、他世界へコンバートするまでその情報は使用出来ない。これは世界観の衝突を避けるためである。A作品の伝説の剣とB作品の伝説の剣をこのホームの世界観では試し斬りが出来ないので、どちらが強いかは解らない。つまり戦闘禁止区域になっている。〈見ることはできるし、整理もできるが、使う・食べる・振る・混ぜるといった『物理干渉』は一切不可〉。

 もしカードをなくした場合。〈記録保管所・ホーム〉へのアクセス権を失います、つまり鍵を無くしたので家に入れないという状態です。「伝説の剣」も「最強の称号」も、確かにそこ〈亜空間〉にあるのに、取り出すことも見ることもできないという「生殺し」の状態になります。


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