14話 旅行
旅行に行くからと言ってなぜかノート持っていけと言われた。
「ここが島の外の国……あの島って何もなかったのね」
あの島だと服すら買う事ができないからいつも自分で作っていた。昔は買えていたんだけどだんだん無くなっていって今じゃ無くなったんだ。
でも、島の外には服屋がいっぱいある。
それに雑貨屋とか魅力的なものばかりで目移りしちゃう。
「占いだって」
「行きたい?」
「いきたい」
雑貨屋の隣にあった少し怪しげな占いの館を見ていたらノービィンが一緒に行ってくれた。
「……お客さん来た!来ないって言ってたじゃん!仕事で怪しまれないように一緒にいてくれって言ってただけじゃん!」
「来たならやるしかないんじゃない?お姫様ならできるよ」
「丸投げしないでよ」
タイミング悪かったのかな。
「……アチェの居場所とこの子の未来を視てくれる」
「お姫様の得意分野だよ。普段から情報提供してもらってるからお代は割り引いておくよ」
「……お代は賢人島の甘いお菓子で。次の情報提供と一緒に送ってくれれば良いから」
「お菓子箱で送る」
「アチェ様の現在の居場所とお隣のお嬢様が歩む未来の先がどうなるかですよね。サービスでアチェ様が現在どのようにお過ごしになられていらっしゃるのかとお嬢様の未来が少しでも良くなるようアドバイスもおつけいたします。ついでにお客様が欲しそうな魔法書のありかも視て……占って差し上げます」
一相談五万って書いてあったんだけど。お菓子だけでここまでつくなんて。
でも、どれだけサービスが良くても質よね。
「えっと、まずアチェ様の現在の居場所ですが宮殿で働いています。賢人島の教育環境を整え教える立場になれるようにとお勉強なさっているようです。あと、帝国の貴族と結婚されています。恋愛結婚のようなのでご安心ください」
「結婚?ノービィンと恋人だったんじゃないの?」
「アチェ様は転生なされる以前の記憶を持っていました。現在結婚している方は転生前にご病気で外に出る事ができなかった弟さんらしいです。次に会えて血縁関係がなければ結婚しようと約束なされていたらしいです」