13話 勉強と旅行
あれから半月くらい経った。
「アチェ、そこは違う」
「えっ、こう?」
「そう」
ノービィンは歴史だけじゃなくて魔法学や調合学、知っている知識はひとしきり教えてくれていた。
師匠とマークルも教えてくれていたんだけど、喧嘩したり分からないが分からないで分からないままどんどん先に進んだりしていた。
それを時々様子を見にきてくれるノービィンに話したら自分が勉強を見るって言ってくれて。すごく分かりやすいんだ。
師匠と違って間違っていると教えてくれるし、マークルと違って時々馬鹿にしたような事をしてこないし。
「アチェ、一度島から出てみたら?」
「島から?でも」
「旅行だ。今度みんなで行くんだけどアチェも来て欲しい」
「うん。行く。でも、遠出するの初めてで何を準備すれば良いかが分からない」
「そういうところは教えてないのか……ちょっと二人のところ行ってくる」
「うん」
……ん?……あっ!
「待って!行かなくて良いから!喧嘩すると収拾つかないし被害すごいからやめて!」
「喧嘩なんてしないよ」
「じゃあなんなの?」
「制裁」
「うん。それならいっか、ってなるわけないでしょ!」
ここ半月で知った事がある。
この三人一緒にすると知識とかそんなの関係なく島が壊れる。
これは前回三人が会った時の話なんだけど
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「アチェ、この二人が勉強を適当に教えていたんだよね」
「えっ、そういうわけじゃ」
「そうだぞ。自分は何もせんで」
「こっちは真面目に教えとる」
「アチェが分からないって言ったところどうした?」
「……ピューゥ」
心当たりはあったようで顔を逸らして口笛吹いてる。
「こっちはこっちなりに教えとるんだから、部外者が口出しせんで良い」
「そうだそうだ」
まず分かった事一つめ、この二人かなり子供っぽかった。一人一人でいる分にはそんなふうに思わないんだけど。
「そんなにいうなら誰がアチェの教育にふさわしいか、決めよう」
その後からは本当にめちゃくちゃだったよ。人がいない何もない場所だったから良いものの見る影がない状態になったんだよ。