歩いて行こう、何処までも(裏)
ステーションからの通知があり、究極すぐ動ける地上待機中だった宙兵隊の1個分隊に出動がかかる。
この惑星の駐留軍の地上部隊ではダメなのか?と隊の者から不満が出ている。
それもそのはずで、ハグレとは言え幻獣群相手に一仕事あったのだ。
戻ってきてすぐ、宙賊に惑星軌道上を抑えられ、巡視船がやられたって聞いてからはどうしたもんかと考えていた。
隙を見て、降下艇に分乗していけるかと考えていたのだ。
ところが、その宙賊は三隻とも沈んだとか言う。 原因が地上にあるらしく、その調査任務を下達されたのだ。
ほんの一時間ほどの話である。
「小隊長、命令を」
部下には既に出動準備は済ませて命令を待っている。
ブリーフィングを始める。 状況がつかめていない。
船を三隻、軍艦を沈めた本人だとしたらどんな武器を持っているのか分からない。
悩んだが、仕方ない。万が一、一度に全滅するのを避けて二個班に分ける。
一個班は、長距離観測班として後方に待機させ彼我不明の記録をさせることにした。
小さな駐屯地とは言え、惑星駐留軍を指揮し住民の避難及び戦闘になった際の遅滞戦闘による友軍救援を待つよう指示を出す。
彼女なら、間違いなくこなしてくれるだろう。
第一班を指揮し、それぞれに二機の降下艇へ分乗する。
気をつけろと言われても、たった一人相手にAI自律稼働型ポッド六機と私達十二名だ。
問題は無い。
目的地へは、早く着いた。
正確には、目標とされる人物が移動していたのだ。
駐屯地を出て、二十分ほどしか経っていないはず。 ここから当初の魔道の森の中心地までは五十分は掛かるはず。
クレーターになってしまっても歩きでここまで来るには、三時間はかかるはず。
計算が合わない。 我々が観測出来ていない何かがあるのだろうか。
AI自立稼働型ポッド六体を展開する。 急な出動だった為、対幻獣様装備なのは仕方ない。
殺傷能力レベルは一番下にしてあるから、よほどじゃない限りは死なないだろう。
相手が、命令に従う限りはこちらも手荒な真似はしたくないからだ。
「抵抗せず動くな。 氏名を述べよ」
ポッドの自動音声が何度か誰何するが返答はない。 ポッドのセンサーで確認をしたところ、この惑星の住人の中にはいないと出ている。
こいつは、一体何者だ? それに、センサーで確認したところ彼の表情が一瞬煩わしそうな顔をしたのを見逃さなかった。
このセンサーは、普通の人には何も感じないはず。
まずい! 動くなと言っているのに、手を挙げるだなんて。 AIの判断で鎮圧用テーザーガンが撃ち込まれてしまった。
それなのに、相手はケロッとしているしポッドからは応答が無くなった。
今の一瞬で、何をしたんだ? 我々の言葉が通じていないのだろうか。
「不審者め!! そこを動くんじゃない!」
降下艇のスピーカーを通してもう一度誰何すると、今度は伝わったようだ。
意思の疎通は、向こうもする気があるらしい。
部下にも、相手がどんな手段を持っているかわからないため、十分に警戒する様に指示を出し降下する。
万が一に備え、駐屯地に残った班にここ一体に攻撃するように指示して降りる。
「すみませーん、お互いに行き違いがあったみたいです」
公用語、喋れるじゃないか。
何が行き違いだ、軍の指示に従わずにポッドを壊しやがって。
グッと飲み込み、公用語を話せないかと聞くと少しだけは分かるらしい。
ポッド三体を間に挟み、彼の意思を確認してみようじゃないか。
敵なのか味方なのか。
その前に、その、なんだ。 裸のままだと話しづらいだろう。
部下の一人に持たせた毛布をポッドに運ばせて渡す。
さぁ、まだ時間はあるんだ。 いろいろ聞かせてもらおうじゃないか。
色々挑戦したく投稿しました。
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