トラブルはとりあえず解決でいいかな?
漂流物同士が近いお陰で、移動には困らないのが助かる。
こういった物からパーツや売れそうな物を回収したりしていたんだろうな。
それだけで、この宙賊が食っていけてるのかどうかは知らん。 知りたくもないが、まぁ、敵を知っていればなんとかなるか。
魔素レーダーに、三つの動きが見て取れる。
魔素の濃度が急上昇した事で連絡が取れなくなったからか、直接確認に動いたのだろう。
まぁ、原因は自分なんだがね。
まるで、魔素濃度が原因不明の誘爆を起こしたかのようにしてとっとと処理する。
何が起きたかもわからないままだろう。
いやぁ、タイミングよく固まってくれてて良かったよ。
見張りが一部、作業場にいるだけでこっちに帰ってきてるのか。
通信が出来ないように、施設内も濃度を上げておいたので遮断には成功している。
いくつかの部屋に、女性だけいる部屋があるのも胸糞悪いなぁと思う。
そう言うことを発散させるのもわからんでもないが、相手を脅して無理矢理でしょう?
悲鳴が上がってしまって警戒されるのも困るから施設内を片付けてからの後回しになってしまうのだが、仕方無い。
勇者だったら、どうしていたかねぇ。
手早く、早歩きで歩き回る。 此方には相手が何処にいるか丸わかりなので、突然目の前に知らない自分が現れて誰何してくる宙賊もいれば、ボケッとして反応が遅れる奴もいる。
誰彼構わず、処理していけば早くみんなを解放出来る。
しかし、魔素レーダーで把握しているから楽だな。 昔編み出した自分を褒めてやりたい。
なんか、美味しいの教えてもらって食べよう。
おっと、また曲がり角の向こうに宙賊がいる。武器を出す暇も与えないし、悲鳴も上げさせない。
若いのもいたが、それはこっちの知ったこっちゃ無い。
外から新しく来る宙賊もいないし、一番奥の奴がここを仕切ってる宙賊の様子だったので、女性のところのいるのも片付けた。
パニックになっていた数人は魔法で一度眠らせる。
一人だけ、涙を流しながらも死体になった宙賊相手に刃物を刺していた女性がいたから他の眠っている子達を見ていてほしいと伝える。
無茶な事だけは絶対するなと言ってあるが、もしかするとを想定して彼女には気持ちを落ち着ける効果を魔法でかけておいた。
まぁ、こう言うことを魔素で出来るのも自分くらいなものだから効果は間違いない。
問題は、この部屋なんだよな。
鍵も掛かっていないし、警戒もしれない。
余計な事で呼び出すなとでも言ってあるんだろうか。
「お邪魔しまーす」
「なんだてめぇは!!」
指を二、三度振って両手両足を打ち抜く。
魔素で焼けてるからか、血は出ていない。
痛みにのたうち回っているが、思ったより我慢強くはないんだな。 それで、ここの宙賊の頭って事?
「あ、ポウカのお母様ですね。 助けに来ました。 ポウカが待ってますよ」
「えっ、えっ?!」
困惑し、本当の事なのかも分からないことを突然言われた女性は狐耳を生やしたポウカに似た女性だった。
裸同然の格好だったので、困ったなぁと思いつつも服が無かったか探そう。
多分、貨物船何かに積まれた服があるはず。
先ほどの女性達と合流した。
眠っていた女性達を見てくれていた彼女は、宙賊の死体を刺していた女性は自分と夫の子供を無理矢理された時に失ってしまったらしい。
夫も襲撃された時に庇って亡くなったと言う。
寝ている女性の中には宙賊の子供を孕んでいる娘もいて、起こしてどうするか確認した。
堕したいと言う娘達の要望は叶える。
魔素を使っただけだ。 手術とは違うので、ただでさえ身体の負担が大きい中で処置したのだから。
身体は、綺麗な状態に戻っても精神に受けた傷を癒すのは時間も必要だろう。
今は夢も見ない眠りに落ちてもらおう。
慰めにもならんが……。
どんな時代になろうとも、こういう事が起きてしまうのか。
ハクバを呼んで生存者を連れて行こう。 途中で残してきた人達もいる。 あー、みんなまたうちで面倒を見なきゃならんのかな。
とりあえず、やってみるかな。
初めまして。
色々挑戦したく投稿しました。
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