アレクセイゲート
転移門【アレクセイゲート】は、ここアレクセイ星系に設置された唯一の転移門である。
首都星である【アレクセイⅠ】が管理しているが、転移門を警備するのは違うらしい。
さらに距離が近づいた事で転移門の大きさが際立ってきた。
このくらいの距離まで近付けばその構造が見えてくる。
よくもこれだけの魔素を集中させて運用させる事が出来たものだと感心する。
地上にいた頃よりも、此方の方が濃度も濃いから成せる技だな。
いや、地上でもこれだけ運用に必要な魔素を用意出来ればいけるのかな?
「イナト様の事少しわかったような気がします。 残念ですが、この技術を地表で行った結果は記録でも読めるのですが……」
「もしかして、顔に出てた?」
近距離で個人回線を開くとセンサーでお互いの顔が見えるようにヘルメットのバイザー部分にも出ているので、どうもニヤニヤしていたのが気付かれたようだ。
アサが言い淀んでいるので、自分で調べてみると、かなり大きな事故だったらしい。
「開拓星全てを飲み込み、消滅?」
開拓惑星を含む周囲の資源衛星等も巻き込み、開拓民も全て行方不明、死亡扱いとなった。
何年も経つが、周辺宙域で生まれた残骸や小惑星等を魔素による超重力により集めているらしい。 ブラックホールとまではいかないが、強力な力が働いているらしい。
禁忌とされているのか、あまり調査されてないのか。
外縁部では、一部の爪弾きされた者達が集まる資源衛星だったり宙賊の根城があると噂されているそうだ。
一気に吹き飛せないかと考えたが、その影響で未だ稼働し続ける転移門の残骸が及ぼす影響を考えると大きな行動に移せないらしい。
今度、自分でも直接見に行ってみよう。
あわよくば、構造をジックリと見ることが出来るかもしれない。 おっと、変な事考えていたからか、アサの視線が痛い。 気を取り直して、目の前の転移門に集中してみる。
表裏一体なのか、出入り口は必ず決まっている様子だ。
入っていく船と出てくる船がぶつからないのもそのおかげであろう。
うまく魔法陣を組んでるな。 勇者に入れ知恵したのはいるだろうが、よく思いつくものだ。
普通、思いついただけでは出来ないんだが。
あの巨大なリング状の構造物に、何層にも組まれた魔法陣があるんだろうな。
各自船で目的地を設定すると、転移門により目的地へと粒子変換されタイムラグ無く移動する。
そういうものだ、との事らしい。 結果論だとしても物資や人の輸送も圧倒的な速度で可能となっているのだ。 その恩恵は計り知れない。
これから使う事も多くなるだろう。
今この瞬間、この場所でさえあの頃とは考えられない遥か遠くまで来ているのだ。
またさらに近付いた転移門を眺めているとカタログで見た船もあれば、見たことのない船やこの巡洋艦よりも巨大な船も見える。 あそこまで大きいと一体何の為に大きいんだろうか。
ワクワク、はやる気持ちを抑えつつも早く自分の船で色んな事をやってみたいなぁ。
そんなふうに考えていると、通信が入る。
アレクセイⅢへと航路をとるのだ。
船の準備も出来たらしい。
あぁ、楽しみだ。
初めまして。
色々挑戦したく投稿しました。
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