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理由不明の別れは突然に

次の日の夜、桜はいつも通り来ていたものの何かいつもの桜らしさというか何というか...奇妙なほど静かで大人しかった。


「今日はいつもとかなり様子が違うみたいだけど、体調は大丈夫?」

ずっと下を向いて俯いている春宮さんの様子がさすがに気にかかったので声をかけた。


「あっ、えっと大丈夫です。少し最近寝不足気味で…」


春宮さんはそう言ってはいるものの、早寝早起きで健康に気を遣っているような春宮さんがそんなことをするはずは無いと思うのだが、他に理由も見当たらない以上深く詮索するのはやめておいた。


「体調あんまり良くなさそうだから家帰ったらゆっくり休んでくださいね。」

と声を掛けることに留めることにしておいた。


(何かあったとしか思えないけど…何があったんだろう?

もしかしてこの前のお母さん関連だったりするのかな。もしそうなら…)

「そういえばこの前ここに僕のお母さんが久しぶりに来たんだけど、「春宮さんを見てまた一緒に料理したいわ。」って言ってたよ。」


「杏子さんがそんな事を…?前そこまで長く通ってたわけでは無いのですが覚えていてくださったのですね」


(春宮さんの言っている言葉の声調と顔の表情が面白いくらい合っていないような…)

お母さん関連ということでは無さそうであった。


「春宮さんのこと好印象持っていたらしいですからね色々な意味で。」

うちのお母さんは可愛くて動きがぎこちないようないわば幼女のような子が好きらしい。それに春宮さんは当てはまったのであろう。


「夏目さんが今度杏子さんに会った時にはよろしくお伝えくださいね。」


今日の春宮さんには違和感しか感じない。

でも根本的な理由がわからない限り解決を手伝うことも出来ないこともわかっていたのでむやみに口を挟むのはやめていたのだが一言だけ、

「もしも何かあって苦しかったりしたら遠慮なく相談してくださいね?」

と言っておいた。


流石に夜ご飯を食べる時は空気を元に戻そうとしたのかいつものような春宮さんであったが、表面だけ作っていることは僕にでもわかった。


ご飯を食べ終わり、食器類や調理器具を片付けていると春宮さんが

「今日はここでお暇させていただいて早く寝ます。()()()心配して下さりありがとうございました。」


優希はその文章に少し違和感を感じたものの気のせいだと思い、

「じゃあ、早く寝て体調戻してくださいね。」

と返して桜を帰した。


数十分後、後片付けが終わりソファに腰掛けようとした優希はテーブルの上に1枚の手紙と家のスペアキーが置いてあるのを見つけた。


(これはどういうことなんだ?手紙はまだ分かるとしてスペアを置いていくということは…)

おそるおそる優希は手紙を開ける。


「夏目君へ

今まで毎日料理を作ってくださったり、料理に関する色々なことを教えてくださったりなど大変お世話になりました。

私の我儘ですが、これ以上夏目さんには迷惑をお掛けできないので料理をお願いすることはやめさせて頂きます。

これからの健祥をお祈りします。 春宮桜」


優希はその内容をきちんと理解するのにしばらく時間がかかった。


「別に僕は春宮さんのこと迷惑だと思ってなかったし、逆に色々と助けて貰ったし、話してて楽しかったんだけどな…。」


春宮さんにそう思わせてしまうようなことを言ってしまったのだろうかと記憶を辿ってみても思い当たる節はひとつも無かった。

(…よく分からないけどこれはどうすればいいんだ?僕には何も出来ないし、放っておく訳にも行かないし…)


何も分からないまま、ふとベランダにでて空を見上げると月が雲に隠れて見えなくなり、月の明るさのないどんよりとした曇り空が広がっていた。


「僕はこれからどうすべきなんだろうね?」

答えのない問いを優希はベランダでひたすらに悩んで考えていた。



僕自身も最大限確認はしますが表現が合っていなかったり、時間軸や状況が上手く噛み合っていなかったりした場合は教えて下さると嬉しいです

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