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牛詩 川柳  作者: 羽田恭
10/15

牛が来る

牛が来る

こんな日でさえ

牛が来る

いつも通りの

牛の顔

好奇の顔で


牛が死んだ

クロストリジウム

感染し

あれよあれよと

三時間

何もできずに

死んでいった


消えていく

あっという間に

消え去った


シート掛けて

重りを載せて

見えなくし

業者呼び

もう何も

今朝元気な子

永久眠りつく


合掌

馬頭観音

合掌







牛の顔

亡骸またいで

牛の顔



牛が来る        顔が来る

空気を読まず      何があれども

牛が来る        牛の顔



牛が来る

無邪気顔で

頭突きして

足を踏みつけ

捕まえようも

逃げ走り去る


気が付けば

子牛産まれて

大騒ぎ

てんてこ舞いで

「お前何?」

言いたげな牛

わちゃわちゃと


近づけば

「どうだ牛だぞ」

集まって

みんなそろって

わらわらわらと


「ミルクくれ」

「牧草足りん」

「餌まだか」

「お前誰だよ」

少し待ってよ


牛が来る

でも牛が来る

牛の世話

いつしか和む

牛の命よ


気が付けば

「反芻だぞ」と

牛が来て

どつきどつかれ

平穏得たり


頼むから

頭突きするな

頼むから

足を踏むな

頼むから

股間狙うな

頼むから

元気でいろよ

それでいいから


死んだ分まで

生きてくれ


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