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【製薬】の【スキル】3

転生者の末裔に召喚されたクラスメイトが世界を破滅させるので暗殺します 作者:高山京一(タカヤマケイイチ)


(*^-^*)『お金』と『恋人』どっちが好き?

【製薬】の【スキル】3




 洞窟の中にいた兵士たちも、この声を聞きつけたのか一斉に出てきた。


「負傷者が優先だぞ!」


 腹や胸からひどく出血している兵士に、ポーションをかけると笑い出した。


「すごい、みるみる治っていく!」


「俺にもくれ!」


「早く渡せ!」


 イケメンたちもポーションの入った箱に近づくと、一本ずつ受け取った。


「怪我をしていないのに飲むんですか?」


「戦いの不安を感じなくなるんだ。」


「魔物に殺されるかと思うと嫌になる、その考えに飲み込まれないために飲んでいる。」


「これを飲んでいる時が、一番幸せだよ。」


 そう言うと、三人はポーションを飲んだ。


 負傷者を含めた他の兵士たちも、ポーションを飲むと異常なほど興奮していた。


「サトル様、これはどういうことですか?」


「なあ、ポーションでこういう症状が出ることは…」


「ありません!」


「そうか…キュアラにこのことを知らせよう。」


 この国に来て数日のキュアラが、この事実を知っている可能性は低い。


 俺たちは祭りのように盛り上がっているカタストロフィ国軍から、そっと抜け出した。



「麻薬?!」


「それくらいラリってたってことだよ。」


 俺たちはキュアラの屋敷で事情を説明した。


「どうしよう…まだ数回しか作ってないのに…!」


「興奮していた人数を考えると、少ない量で大勢の兵士がおかしくなったんだろうな。」


「嫌だ…!もう作りたくない…。」


 キュアラは涙をこぼした。

 良くも悪くも、キュアラが行方不明になる理由はできた。

 あとはどう【暗殺】するかだ。


「なあ、とりあえず俺たちとここから逃げないか?」


「たしかに、これは国王に進言したほうがいいと思います。」


「手紙!手紙を書いてみたらどうだ?」


 なぜか、この世界の文字と言語は日本語だ。


「とにかく、この屋敷から出たいわ。」


「では、カタストロフィ城へ行きましょう。」




 城に到着すると、すぐに玉座へと案内された。


「どうされましたかな?聖女様。」


 トランプの絵柄のような王様が、あごひげをなでながら聞いてきた。


 憔悴しきったキュアラの代わりに、俺たちが説明した。


「なんと!聖女様のポーションがあれば、わが軍は最強だ!」


 聖女様ってキュアラのことか…。


 この王様、キュアラのポーションを軍事利用する気だ。


「早くポーションを作らせろ!不眠不休で戦う、無敵軍隊の誕生だ!!」


 まずい…キュアラを【暗殺】できたとしても、俺たちが逃がしたと思われる。

 上手くこの城から逃げたとしても、あの王様なら追手に殺させるだろう。

 最悪、トワイライトに戦争を仕掛けるかもしれない…。



 俺たちは客室に通され、キュアラはずっと泣いていた。

 助けを求めて城に来たのに、こんな目にあうんだから無理もない。


「すみません、こんな事になるなんて…。」


 フローラは俺たちに謝った。


「王様が、少しでも兵士のことを考えてくれればよかったんだけどな。」


「サトル様の、置手紙を残して逃げる作戦にしておけば…」


「フローラの作戦もよかったよ、一緒にここから逃げる方法を考えよう。」


 こんなことでいちいち怒って、フローラが意見しなくなるほうが作戦立てにくいからな。


「はい…!」


 フローラは、元気を取り戻したようだ。



「失礼します」


 そこに、一人の少年が入ってきた。


「はい」


「僕、聖女様のお話し相手を仰せつかりました、倉庫番のジョニーです。」


 茶色い髪に茶色い目の、人懐っこそうな少年だった。


「どうか涙を拭いてください、僕はキュアラ様の味方です!」


 変な奴が来たな…いや『召喚されし者』であるキュアラの影響か?


「ありがとう…」


 キュアラは少し落ち着いたようだ。


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