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青のヴィーナス  作者: モブ3D
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第一話

青のヴィーナス作者、モブ3Dでございます。

散々投稿すると繰り返したにもかかわらず、忘れるわ内容は酷いわで申し訳ございません。

これから修正や内容の調整などを行っていきますのでどうかよろしくお願いします。


希望的観測。

明日の事など人には知れない。

だが、憂うにはあまりにも不確実。

僕の世界には情報が足りない。

そう、自分自身の事さえ。

どこから来たのか、どこで生まれたのか。

それすらもわからない。

けど、一つだけ明確なことがある。

気持ち悪い。


「ロイン、今日行かねぇか?」

どこへだか。

「なんだよしかめっ面して。」

別に。

「…なんだよ、どうしたんだよ。」

別に。

「…わーったよ!俺だけで行ってくる。」


別に。

別に僕は何かが欲しいわけじゃない

別に。

別に僕は快楽が欲しいわけじゃない。

別に。

別に僕は痛みを知りたいわけじゃない。

別に。

別に。

別に…


僕は、僕のための自由が欲しかった。


孤独に生まれた僕は常ほとんどの日々を誰かの道具として生きてきた。

何度も痛めつけられ、辱しめられ、尊厳を奪われた。

だからこそ自由を求めた。

体に異物を入れられて苦しんだ日も自由を求めた。

たとえその先が地獄だとしても、きっと地獄の方がマシだと呪いながら、日々を耐えた。



僕は十五歳になった。

僕は兵士になるために共和国陸軍クサガミ歩兵学校にいる。

870年の事だった。


「キャンプ・シュローフへようこそ英雄気取りの腐れチキンども!

これより銃や剣の使い方もまともに知らないような使えない貴様らを教育することになったモージア・ソルフェベス軍曹だ!」

「ここに来た以上、貴様らは起床から飯からクソをするまで俺の下でシゴきあげ、徹底的に兵士になってもらう!いいな!」

「「サーイエッサー!」」

キャンプ・シュローフ。

英雄気取りのアホたちがここがその道のりの一つでしかないことを知る場所。

僕たちはここで徹底的なまでに潰され、根性なしは去っていく。

…自身じゃないが、僕はここで去るわけにはいかない。

「おい、お前。何て名前だ?」

「ジェイク・マーキンスであります!」

「ジェイク?体を見る限りは随分気合があるみたいだが、それで根性がなければ貴様は最高の笑いものだ。そうだ、叫んでみろ、貴様の図体でどうだ!叫んでみろ!」

「サーイエッサー!」

「返事をしろとは言ってない!叫べと俺は言ったんだ!叫べ!」

その瞬間、ジェイクは叫ぼうとして盛大に咽散らかした。

「なんだオイ…なんだ今のは?」

「すみません、咽ました。」

「答えろと誰が言った?咽たのがどうした?お前はそんな図体で咽ただけで小便みたいな声がでるのか!?」

「もう一度・・・もう一度を・・・」

そうジェイクが言った瞬間、軍曹は彼を容赦なく殴り飛ばした。

そして、兵舎の空気が凍りついていくのがわかる。

「もう一度だと!?ふざけるなよ肉塊野郎!ここは戦場だ!貴様は今死んだぞ!?飛んできたのが拳でよかったなミートボール!銃弾なら貴様の汚い脳グソが地面にこびりつくところだったぞミートボール!」

「サーイエッサー!」

「貴様のようなまともに叫べもしないような肉塊野郎は帝国のカスどもにでも喰われてしまえ!それとも連中のディナーとして来たのか!?」

「サーノーサー!」

「いいか、ミートボール!ここは帝国の調理場じゃねぇんだ!わかるか!」

「サーイエッサー!」

「そうか、理解できるか。てっきり脳まで肥えているのかと思ったぞ。」

軍曹は、僕の反対側にいた比較的身長の小さい男の前へ立った。

「どうした?チビっ子が混じってるぞ。」

「自分はフロイス・リッツァーであります、サー!」

「ふむ、ガキの割には物覚えが良いようだな。」

そう言うと、何の前ぶりもなく彼をぶん殴った。

「ガキだからと言ってここでは容赦はしない!痛いか!」

「痛いです…サー。」

そして、彼を蹴り飛ばした。

「痛みに慣れろ!どうした!?立つまでやるぞ!」

「サー…イエッサー!」

フラフラと揺らめきながら彼は立つ。

「…ん?なんだこれは。」

しゃがんで地面に触れた軍曹の指先には小さく光る何かがのっている。

「なんだ、誰がコンタクトをしていた?」

「自分です…サー。」

「ほう…どうしてこんなものを付けていた、チビ。」

「目が…悪いからであります、サー。」

「視力回復手術はどうした。やってないのか?」

「サーイエッサー。」

「そうかそうか!小便をちびるからやってないのか!覚えているぞ!?お前が視力検査をコンタクトを付けてやったことをな!」

「それは違います、サー!」

「何が違う!お前の検査結果は両眼がAだったな!悪いんじゃないのか!」

「…。」

「そうかそうか…お前は今から嘘つきネズミだ!いいか!」

「サー…イエッサー…。」

振り向いた軍曹はいよいよ僕の前に立った。

「お前は誰だ、名乗れ。」

「ロイン・クロードであります!サー!」

「ロインか…、生まれはどこだ。」

「わかりません、サー!」

「そこの嘘つきネズミと同じように嘘をつくのか?ロイン。」

「サーノーサー!」

「…ふむ、まさかとは思ったが本当のようだな。」

だが、洗礼はやってきた。

感心するような表情を乱すことなく彼はしゃがみ、僕の足を凄まじい力で引っ張った。

思いもよらない方向に動いた足につられ、僕は背中から地面に激しく倒れた。

「いいか、今の話はスベる話だ。今のお前みたいにな。」

「サーイエッサー!!」

「全員聞くように。俺は貴様らの身の上話などクソほども興味がない。今日ここで貴様らは自らを生まれたてのゴキブリにする!汚い地面をカサカサ這いずり回るのがダメならとっととお家でママのをしゃぶってろ!いいな!」

「「サーイエッサー!」」


それから一時間ほど、僕たちは永遠と罵られつつ理不尽に殴られ蹴られとあらゆる暴力を受けた。

そして翌日には、72名の内4名の姿は兵舎のどこにもなかった。


第一話と第二話の間の出来事はキャンプシュローフ編として分けます。

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