クラス転移でうおおおおおお!!
俺、歩幸越棚! 宇宙創造をイメージしたら世界ごと死んじゃったの! あれどういう原理なんだろう。イメージしたら世界死ぬってよく今まで存続できたな。
「お主か。ゲップ」
起き上がり正座すると、胡座をかき柿ピーとストロングゼロを飲んでいる幼女。見た目は犯罪だが、多分大丈夫だろう。中身は何千歳とかありえそうだし。
「まぁた死んだのか。しかも世界を道連れに。ヒック。あぁ~ストゼロの前には全てがどうでもいいわ。飲む福祉じゃあ~」
「あの、転生させていただきたいのですが」
「うーんよしとノーとも言えんのう」
「それはなぜ?」
「別に転生する先が異世界である必要がないと気づいたのじゃ。プハー」
「現代に転生ですか?」
「いや、人生をリトライさせてやる。あ、死ぬんだったらストゼロ買ってきとくれ。トリプルレモンのやつ。頼んだぞ~」
言っている意味が解らないまま、俺は奈落に落ちていった。
目覚ましの音で目が覚めた。その事に驚愕し飛び起きる。目覚ましはまだ鳴り続け、自分がどこにいるかを示唆した。
宙に浮いたままの心を置き去りに、目覚ましを止める。部屋だ。俺の、初めて転生する以前の俺の部屋。ベッドと、勉強机と、本棚と、クローゼット。他には特に置かれてない。スマホがある。それにさえ驚きながら起動すると、まさに転生直前の朝だった。
俺は本来、これからロードローラーの〇リウスミサイルに殺される、ハズだが、もしかしたらそんなことは起こらないかもしれない。
下に降りても我が家。俺の両親は海外赴任でいないのでこの一軒家には俺一人。飯も自分で作るのだが、今日は学校なので早めに出発しないと。久々に現代の焦燥を味わいながら支度をした。
学校へ向かう道中、眺めを懐かしみつつ、しかしミサイルに警戒しながら歩んだ。だがそんなことは起こらず平和に学校へ到着した。
高校二年生。そろそろ夏が来て、早ければ進学を考える時期。俺はここで生きて、何ができるのだろうか。転生先の人生を含めれば、俺の年齢は幾年となるか。高校にいるのが場違いに思えた。
朝のホームルームが始まる前から自分の席にいる。話しかけてくる人はいない。そういえば俺はぼっちだったな。それをコンプレックスには思っていなかった。今もそうだが、これは精神的成長なのか。
クラスの真ん中で人を集めているのは中弐陀守象というイケメン。カースト上位。文武両道の秀才。俺には一切関わりのない存在。その傍らには彼女の仲田佐内出。髪を茶色に染めた発育のいい少女。彼女狙いの男は多いが、それには中弐を超えなければならないので防御は固い。
そしてホームルームが始まる。担任の女性が進行。退屈な時間が過ぎる。
そう思っていると、突然床が光だした。机でよく見えないが魔方陣だ。部屋の床全てに広がっている。クラスメイトが騒ぎだし、担任も何が起きたか解らずあたふたするだけだ。中弐達が治めようとするも、所詮学生。彼らも困惑するだけ。
そのまま、俺達は何もできずに光に包まれた。
光から解放されると、西洋の城にありそうな玉座の間だった。そこには、プレートアーマーを装着した兵士達と、王冠を被った玉座に座っている男。壮観なものだ。
なによりクラスメイト達が俺の周りにたむろしている。担任もいる。俺はこれが召喚であると長年の転生経験から察したが、他の者達は理解すらおぼつかないようだ。
「おお、成功だ」
王らしき男が多感のこもった言葉を吐く。兵士達も物珍しげに俺達を眺める。
「ここは?」
「よくぞ来た、異界の者達よ。お前達は我々が召喚したのだ」
そんな事言っても解るワケないだろうと俺は内心愚痴を溢すが、今はひとまず生徒の様子を伺う事にした。
「お前達はこの世界に勇者として呼び出されたのだ。お前達の力によって、この世界は救われる」
生徒誰もが疑問符を脳に持つ。ここは王様に助太刀してやろうと声を出す。
「つまり、俺達は中世ヨーロッパ風の異世界に転移して、勇者として活動することになる。というワケか」
大きな声で独り言を言うものだから周りからは変な物を見る目を向けられたが、彼らはやっと何が起きたか飲み込めたようだ。
さて、と俺は考えだす。ハッキリ言ってこいつらと異世界で活動するのは面倒の一言に尽きる。全員ただの現代人だ。連れ歩くにはリスクを伴う。戦いの素人が数を組めばそれなりに戦えるかもしれないが、それは相手が弱かったらの話だ。
ここは一計を案じるしかない。
「それで、お前達には」と王様が言ったところで「待ってください」と言う。
「ここにいる転移者達は全員戦闘を経験していません。勇者としては不適当ではありませんか?」
そうだそうだと生徒達は頷く。中弐は何か言いたげに俺を見つめる。
「確かにそうだ。しかし安心せい、お前達を訓練しようとも思っている」
「それはいい案です。でももっといい案があります」
「何かな?」
「ここで、転移者同士で殺し合い、生き残った者を勇者とするのはどうでしょう」
「それは流石におかしいよ。君は何を言っているんだ」
中弐が現代人らしいことを言う。俺も転生前ならそう考えたさ。しかしここは異世界。君達がいた世界と違って、血肉が注ぎ落ちる驚異の世界だ。俺はそう言ってやろうとしたが、その前に王様が口を開いた。
「その考えやよし! 早速行動に移そう」
転移してきた人々は絶望を過敏に感じとり、震える者、泣き出す者、様々だった。そして、俺に悪意を向けない者は一人としていなかった。
「君、誰だったか知らないけど、君はあとで後悔することになるよ」
「そうだよ。なんであんなこと言ったの!」
中弐、仲田が直接怒りをぶつけてきたが、俺はそよ風を感じるかのように受け流した。
場所は闘技場に移る。控え室で、各々武器を選び革の防具を着る。盾も着ける。俺以外は全くやる気がないか、すでに諦め戦意のない者がいる。
外に出れば、戦場だ。ルールは単純、バトルロワイアル。自分以外全て敵。約三十人が敵となる。観客は素人同士の惨めな戦いを期待しているだろう。俺とて、油断はならない。
俺はあえてクラスメイトと距離を置くため、控え室から廊下に出た。
すれば、中弐の声が小さく聞こえる。
「皆、俺達が殺し合う羽目になったのも、全部、ええっと誰だっけ? 歩幸? そう、歩幸ってやつのせいだ。あいつがいなければ俺達は死なずに済む。そうなるよう努力しよう。死ぬのは歩幸、あいつだけだ」
俺はかねてから予想していた通りの展開になったと苦笑した。数の暴力で俺を殺す気だ。そのあとどうなるかは知ったことではないという考え。俺も全力で当たらせてもらおう。
兵士達に促され、外に出る。天まで届くような歓声が闘技場を賑わす。俺達はそれぞれ離れて立たされた。
ゴングが鳴り、戦いが始まった。全員俺に向かって突進してくる。それは判ってた。近くにいた二人の首をはね、盾を捨てて二刀流になる。三人の攻撃を剣でいなし急所を突く。前進して鎧の隙間を縫うように斬り突いて乱舞する。
どんどん俺以外の人間が倒れていく。死に怯えた者も容赦なく斬るか盾にし数を減らし、残るは中弐、仲田、担任となった。
「歩幸くん、もうやめなさい!」先生が言うがその隙に口に剣をねじ込んだ。
「よくも先生を!」
仲田が上段に構えて剣を振り下ろすが、俺は一方の剣で受け片方の剣で目を貫いた。
中弐は怒りが頂点に達したのか、もう声も出さずに俺に斬りかかった。
これが意外な苦戦となった。彼は初めての剣を上手く扱い、こちらの猛攻も盾で立派に防いだ。
俺は一度後ろに下がり攻撃を誘う。突きがきた。剣を叩き落とし流れで腕を狙うが避けられる。下がろうとする彼を肉薄し盾を蹴りあげ首を狙うがかわされる。突いた剣を戻しながら盾をぶっ叩き転倒させる。もう一つの剣で刺そうとしたが転がりかわされる。そこへ剣を投げるも盾に刺さった。それを蹴り剣を深くまで刺した。もう盾は使えない。
ついに丸裸になったが、拳を構えてやる気だ。俺は決して死体に近づかせないようにして彼を追い込む。急所にこそ当たらないが、傷は増えて疲れてくる。
拳で突きを出したのを皮一枚でよけ急接近。空いた脇腹を突いた。
「かはっ」
鎧で若干守られたが肉には達した。追撃し脇を斬った。
「ぐっ、うぅ」
力尽き、倒れた。俺は全員に勝利した。
「よくぞ生き残った!」
王様に拍手で迎えられこそばゆい。しかし、これで晴れて俺が勇者だ。何が敵かは知らんがとにかく倒してやる。
「これで今年の生け贄には困らんな」
「え」
言葉を理解する間もなく兵士に後ろを取られ心臓を突き抜かれた。混濁する意識の中、バカなことをしたと想い、死んだ。
はえ~括弧つけたら自動的にふりがなになるんすねぇ~
すごい(小並感)




