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ギフトでうおおおおおお!!


俺、歩幸越棚! 自衛できなくて死んじゃったの! こればかりは幼女が悪い。あそこで剣が抜ければ死ぬこともなかった。


「いや、すまんのう。これは想定外じゃ」


起き上がれば、幼女が申し訳なさそうに俺を見ていた。


「想定外なら仕方ないですね」


「諦めが早いというか、無頓着というか。まぁそれでこちらは助かっとるから文句は言えんな」


「さて、また転生することになります?」


「無論。今回はそう長くは生きれんじゃろうけどな」


どういうことか問い質す前に、奈落へ落ちた。




目が覚めると、自分の泣き声に気がついた。周りは俺を笑顔で見つめる人ばかり。部屋の中のようで、華美な装飾が彩っている。


なるほど、赤ちゃんスタートか。幼女は長くは生きることはできないと言ってたが、二十年は生きれるだろう。俺は楽観の響きを鳴らした。


「オチタナ様! 勉強のお時間ですよ」


俺はチョウラク国の貴族フコウ家の次男オチタナとして生まれ、現在七歳。子供にしては落ち着いている、ことはなく子供の身分を使って好き勝手していた。しかし勉強と聞けば自ずとやり始める。親からの評価は高い。


家庭教師の女性に着いて行き勉強部屋に入る。わざわざ勉強の為だけに部屋を作ることから、我が家はかなりの地位にいることが判る。


「さぁ、今日はこの世界の常識を教えましょう」


「よろしくお願いします!」


「ホホホ、オチタナ様はとても勉強熱心でいいですわ。貴方の兄様も見習ってほしいこと」


ツーマンの勉強が始まる。教師は本を広げ机に置く。ノート? この世界では紙は貴重だ。メモなんかに使ってられない。何度も聞いて記憶するしかない。


「この世界、メーダミゴでは、十五歳になると誰でも神様からギフトを頂けます。ギフトは、その人の将来を決める、特別な力。ギフトを上手く使えば、世に名を轟かせるのも夢ではありません」


ようはいくつか前の人生のスキルと同じもんか。つまりは才能。


「貴方はとても覚えがいいですし、素行も素晴らしい。きっと、神様も祝福してくれますわ」


それから、何年かあと。俺は十五になった。長男のギフトは内政だった。跡継ぎは俺ではないとはいえ、いいギフトを貰ったな。兄とは関係が悪い。俺ばかりが寵愛されて、兄は出来損ないと呼ばれていたのだ。


教会に家族で向かい、神の祝福を待つ。神父が祈り、かなりの時間が経過した。そして、ついに祈りが届いたのか、俺の目の前に文字が浮かびあがる。


そこには、農耕と書かれていた。およそ、貴族には似つかわしくないギフトだった。


「そんな、ウソよ」母親が嘆く。


「おお、神よ!」父親が落涙する。


俺はそんなショックではなかった。別に貴族でないから成り上がれない、なんてことはない。それは俺の記憶が知っている。


「安心して下さい。俺は、このギフトを神様の祝福と受け取っています。これで、我が家を栄えさせますよ」


とは言ったものの、結論としてこのギフトのせいで両親からは手のひらを返され、兄には冷遇され、家には居場所がなくなった。


しかしこれはチャンスとも言える。あえて家から追い出されるように仕組み、浪人として自由を手にするのだ。この農耕というギフトもそうすれば活かせるだろう。


俺が裏で自身の悪口を吹聴し、使用人達にも見下され始めてからしばらく。俺は二十になっていた。もう兄が家の実権を握り、俺を疎ましく思っていた。さらに兄には内政のギフトがある。俺をどうにかするなど容易いだろう。


そして、この日は来た。


「オチタナ、お前は我が家の穀潰しだ。お前が家にいても役に立たない。即刻、家から出よ」


兄からそう言い渡され、内心歓喜に震えていたが、表情は失望の仮面を覆い、肩を落として家から出た。


さて、俺の計画通りに事が運んだが、馬鹿らしいことにこの先のことを考えていなかった。今持ち歩いているのは農耕に使うクワと食料、ちょっとのお金。どうしたものか。


そろそろ路銀も尽きてきたある日。俺は街をぶらついて、裏路地まで歩む。すると、声をかけられた。


「おいあんた、俺達の仕事に興味ねぇか?」


ガタイのいい、酒臭い男が話しかけてきた。警戒を張り巡らすと、他にも人間が多数いて、どうやら断れる話ではなさそうだ。


「ちょうど金に困ってたんだ。なんだい、仕事ってのは」


「へへ、それはだな」


俺は、ある商人のことを聞いた。その商人が、彼らの縄張りを侵害し儲けに支障が出ているそうだ。つまり暗殺依頼。報酬はそこそこだが、高いというほどでもない。だが断れる理由もない。俺は快諾し、早速商人の家に影として忍び込んだ。


夜。月明かりだけが夜陰を照らし、人々は寝静まっている。俺はすでに目標の家の中。コソコソと移動し商人の寝室に入る。狭い家、物ばかり置かれてて隠れ場所には困らない。


そして、寝ている商人を連れ出し、路地裏へ。処刑はここで行う。


クワを振り上げ、男に叩き落とす。すると、なぜかギフトの力が発動し、商人、つまり人間を耕した。


「おお?」


俺は驚きながら再び振り下ろす。また耕した。モザイクがかかり始めて見えないが、どうやら肉片を抉って土代わりとしているらしい。しかしほんとにモザイクが濃い。どこを狙っているのか解らない。


しばらく耕していると、依頼人の男がやってきた。


「これはなんだ?」


「目標だが」


「モザイクがかかった死体なんて生まれて始めて見たな。お陰で隠蔽には困らないな」


男は俺に割れんばかりの笑みを向ける。どうやら気に入られたようだ。


そうして、俺は組織のヒットマンとして名をあげることになった。何せ、俺が殺した奴は濃いモザイクに隠されて誰なんだか判別できなくなる。この農耕というギフト、可能性がある。


俺はいつものように目標を殺してから、実験に取りかかる。組織の人間からは了承を得ている。死体は既にモザイクまみれ。そこへ野菜の種を撒く。農耕の力があれば、何でも耕せるのではないか。そう仮定しての実験。


撒いてから数十秒、モザイクで見えづらいが、しっかり苗が育っている。すくすくと育ち、もう葉を生やした。採ってみると、すでに育ちきり、立派な野菜となった。


組織に報告すると、ボスがカッカと笑った。


「いいぞ坊主。これを使えば農民共も従えられる」


組織は裏農業に手を出した。俺が担当になり、死体が運び込まれる。俺はそれを耕し、種を撒き、収穫する。一つの死体で何十個も野菜が小時間で手に入る。野菜を市場に流し、組織はいつの間にか野菜類の大手となった。我々が相場を決めることができ、市場を独占する。


俺は組織でどんどん出世していった。何せこの商売は俺抜きでは成り立たない。今や組織の大黒柱となったこの産業。俺は実質No.2になったのだ。


しかし忙しいのに変わりはない。いつもいつもどこからか死体が運ばれて、俺はとにかく耕していく。俺の他に農耕のギフトを持った者もいた。だが俺以外の者ではモザイクが現れない。よって、俺が朝から晩まで同じ作業をすることになる。


来る日も来る日もクワを振り下ろす。死体の臭いにはもう慣れた。どうせモザイクがかかるのだからグロテスクではない。気分は工場労働者。No.2の仕事としてはあまりに泥臭い。お陰で俺は死体堀りの二番手とかあだ名されている。不名誉極まりない。というか、そんなことより休みが欲しい。


俺は意を決して、ボスに頼み込んだ。


「ボス、俺は組織に仕えて光栄ですし、沢山の金を頂戴しています。ですがね、その金を使うヒマもないんじゃあ貰い損ってなもんです」


「ふーむ。確かにお前はよく働いてくれるが、お前がいなかったら金にならん」


「重々承知ですとも。しかし、休みが無ければ死んでしまいますよ」


「お前が死んだら大層困る。よし、オレもオレでなんとか対策を立てるから、明後日まで休んでいいぞ」


「ありがとうございます!」


俺は久方ぶりの休みを手に入れた。いつもの死体掘りの部屋に戻り、喜びのあまりクワを上へ投げた。それが俺の頭に当たり、モザイクで目が見えなくなる。死にはしなかった。


「お、ここに死体があるな。オチタナの兄貴、まだ耕してなかったのか。相変わらずモザイクで見えねぇな。そういえば兄貴は休みになったんだっけ。俺が代わりに耕すか」


やめろと叫ぼうとしたが、その前にクワに叩かれ、悲鳴と痛みに悶えながらモザイクまみれになり死んだ。

草稿だけ書いて満足するから投稿するの忘れる。


ごめんちゃい

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