冒険者登録でうおおおおおお!!
(長編は)初投稿です。
俺! 歩幸越棚! 高校二年生! 今日はちょっと寝坊しちゃって食パン咥えながら走っているの! いっけな~い、ちこくちこく~!
すると、突然! 軽自動車が俺の目の前に現れた!
「お前は! トラクター!」俺は思わず叫んだ。
「クックックッ、トラックさ」
そう含み笑いをしながらジェットコースターは自己紹介をした。こいつは最近若者を殺して回っている通称プ〇ウスミサイルだ。俺も殺されるかもしれない。
すぐさまバックからカラシニコフ小銃を取り出し銃口を向ける。
「おとなしくしろ! さもなくばこれで八つ裂きにしてやる! 弾丸は剣になるんだぞ!」
「クックックッ、車に弾丸が効くワケがないだろう」
「た、たしかに」
「ほら、お前を喰ってやる! イクぞ!」
奴は大きな口を開けて俺を一呑みしてしまった。俺は奴の食道の中をもがいた。ええい、このまま胃液に溶かされてたまるものか。俺は爪をペロペロと舐めた。こうすれば爪が伸びカミソリのように鋭くなることは、胃が苦協会によって証明されている。
ペロペロペロ。爪が瞬時に伸び、舐めていた舌がちょん切られた。だが構うものか。こいつに呑まれて死ぬなら自分で自分を殺めたほうがましだ。俺は伸びきった爪で自分の首をはねた。
目が覚めると、青色が目に飛び込んできた。意識がハッキリしていくうちに、それが青空だということを理解した。
「ここは?」
「ここは死後の世界じゃ」
ポロっと口から出た言葉を拾ったのは男装をしている幼女だった。俺はロリコンではないので興奮しないが、その貴族衣装は気に入った。座りなおし、話を切り出す。
「死後? 俺はなぜ死んだんだ?」
「それは首が飛んだからじゃ」
「そんな! 首が飛んだら死ぬなんて」
な、なんてことだ。死のうとは思ったがほんとに死ぬなんて。世はまさに不条理だ。
「安心せい。特に理由はないがお主に第二の人生を与えてやろう」
「第二の人生? というか、貴方は誰なんです?」
「誰だっていいじゃろ。さ、さっさと異世界に行け」
瞬間、俺が座っていた床に穴が空き、その暗闇へ吸い込まれていった。
ハッと目が覚めると草原が広がっていた。草原があるということは異世界だ。都会で暮らしていた俺がいうのだから間違いない。
異世界でまずやること。それはとにかく冒険者登録だ。そういえばチート能力をもらっていないが、ただの描写し忘れだろうから、あとで能力が発動したり分かったりするだろう。
しかしだだっ広い草原だ。どこに道があるのかさっぱりだ。まぁ死んだら転生頼むし、そこらをぶらつくとしよう。
すると、騎士に襲われている盗賊が見えた。ボロ切れを着ているから多分盗賊だ。ここは騎士に加勢しよう。早速名声を高めるチャンスだ。
近くまで走りよると、騎士側も苦戦しているようで、何人か死者が出ていた。俺は騎士の死体から剣を取り、叫ぶ。
「はい、ここで皆様俺にちゅ~も~く!」
なんだなんだと騎士も盗賊も俺の周りに集まりだした。ふ、バカめ。すぐさま盗賊の一人に剣を突き刺す。驚いて声もでないまま死んだ。
「ヒィ」
「なんだこの男は」
「サスガダァ」
騎士の称賛を浴びながら盗賊共に剣を向ける。数えてみれば数人で、これなら加勢せずとも全滅していたろう。俺は冒険者登録という目的を達成するためにこいつらを利用する。
「このなかに冒険者登録ができる街がどこにあるかを知っている者はいるか!」
聞きながら盗賊一人の心臓を突く。ぎゃあと叫んで倒れた。続けざまにもう一人の頭を兜割りにし、倒れた死体をグサグサと刺して辱しめる。
「おい、聞いているのか」
死体に向かって返事を請う。死体は喋らない。死人に口なしとはこのことか。
二人以下になった盗賊の一人が喋り始める。
「ぼ、冒険者の街なら、ここから数十ヤード先にあります」
「ヤードじゃなくてキロメートルで言え! 異世界人だろ!」
「は、はい。ここから一キロメートルです」
「そうか、わかった」
答えてくれた盗賊の口に剣を突っ込み騎士に礼をしてから街へ赴いた。
街並みはそれはもうヨーロピアン。白色の壁に色とりどりの屋根。石畳のくそ歩きにくい道。馬車が一つ通れるか怪しい通路。うーん、俺が求めてた異世界の清潔さはどこへやら。
街の中央、冒険者ギルド館前に到着した。颯爽となかに入り受付までいく。美人な受付嬢が対応してくれる。
「こんにちわ。冒険者登録ですか?」
「話が早くて助かります。そうです。冒険者になりたいのですが」
「はい、ここに名前を書いてください」
書類を渡され、算数を答えるように素早く書く。日本語で書いたがどうやら通じるようで、晴れてFランク冒険者となった。
「おい兄ちゃん、新参か? ちと礼儀を教えてやるよ」
ガタイのいい男が酔っぱらいながら近づいてきた。これは面倒なことになると直感が叫ぶ。男の手を掴み近くの席に座らせる。隣に座っていた冒険者の酒を奪い取り、男の目に酒を浴びせる。
「うわぁ! 目がぁ!」
「うるせえ酒好きなら目から酒を飲め!」
ついでに男の剣を奪い柄で歯を折る。これが冒険者流の礼儀なのだろうおそらく。
そうしていると、先ほどの受付嬢がこちらに拍手をしながら来た。その顔は笑みがこぼれている。
「流石です歩幸越棚さん。立派な武勇を見せてくれましたね。無事Eランクに昇格です!」
これでランクが上がるのか。いいことを聞いた。とにかく派手なことをすればいいんだな。ともすればくすぶってはいられない。すぐに行動に移そう。
冒険者ギルドから飛び出して歩く一般人を斬り刻んでいく。屍が絨毯のように伸びていく。返り血で体を暖めながら縦横無尽に駆ける。一部始終を見ている冒険者から拍手喝采だ。俺はどんどんノリにノって、剣をチェーンソーに改造する。街の建物の破壊にも着手。一般人も声をあげて楽しんでいる。
「すごいです! もうBランクに!」
なんて快進撃だ。俺はもう少しでAランクになれる。ならばもっとド派手なことをしなければならない。
さて周りを見渡すと、建物は全壊し見晴らしが大変よろしくなった。そして少し広めの道を発見した。その先には立派な館がある。これは天啓だ。あの領主だか王だかが住んでいそうな館を狙い、ランクを最大に上げてやる。
チェーンソーで道をボロボロにしながら突き進む。俺の背後には慕ってくれてる民衆が。この期待にはなんとしてでも応えなければならないだろう。
館の門の前には守衛がいたが、難なく撃破。銅像や花園を斬り捨てながら館に突入。民衆が騒いでいる。おそらく掠奪でもしているのだろう。俺は構わずメイドと守衛の肉を裂き領主っぽい奴を探す。
二階に昇り廊下を進むと大きく立派な扉があった。チェーンソーをヴンヴン鳴らしながら扉をバラバラにすると、中には太った男がいた。蛙みたいな顔しやがって。
「ふん、賊が現れたか。これでも私は元騎士! 敗れることはないわ!」
「相手が賊なら大人しく死ね! その肉かっ捌いて晩御飯にしてやる!」
蛙男が剣を取りチェーンソーとつばぜりあう。しかしそこはチェーンソー。剣ごと蛙男を叩き斬った。
館の前に戻ると、民衆達が俺を歓迎していた。
「おめでとうございます! 晴れてAランクです!」
「よし! これでついに最高ランクになった! これからはハーレムでも作るか」
「いえ、最高ランクはSランクですが」
「なに? ではもっと功績をあげなければならないのか」
「はい! 頑張ってくださいね」
「よし、ならば今ここでSランクになってやる!」
俺はその場に正座し、チェーンソーを腹に突き立てた。
「どうだ! これが切腹だ! チェーンソーだから普通の切腹よりすごいぞ!」
民衆は誰もが俺を称賛した。これでSランク間違いなしだ。
「なんてこと! こんな短期間でSランクになれるなんて」受付嬢が感嘆の声をあげる。
「俺はSランクになれたのか」
「はい! 歩幸越棚さん、最高ランクのSランクです!」
俺は喜びの雄叫びをあげようと思ったが、想定よりも血がでてしまったためか、そのまま大量出血で死亡した。
未だなろうにおける執筆システムが解らないワナビのクズ。