さしがき
都心から伊豆地方へのアクセスとして、JR東日本が運行する特急「踊り子」がある。「踊り子」は、主に東京駅から静岡県下田市の伊豆急下田駅、同県伊豆市の修善寺駅を結ぶ特急で、毎日運行されている。一般に観光客輸送の列車は休日の運転が主体であるが、「踊り子」は平日でも一定の本数が運行されている。これには理由として、伊豆地方への客足が時期を問わないことや、東海道本線の速達輸送としても機能していることが考えられる。
さて、この「踊り子」には、185系という車両が国鉄の頃からずっと使用されている。185系は、元々急行だった伊豆アクセス列車の特急格上げに合わせてデビューし、当時としては斬新なデザインが話題を呼んだ。しかしそれも1980年代の話で、現時点で登場から30年はゆうに超えており、JR東日本の定期特急列車としては最古参となっている。話題を呼んだデザインも、現在では陳腐化が否めない。
この185系は、上野口(高崎線・宇都宮線系統)でも使用されていたが、それらは別の車両に置き換えられており、定期運用としては「踊り子」を残すのみである。
185系が上野口を撤退した頃からささやかれてきたのが、「踊り子」用185系の置き換えである。上野口・東京口ともに、言うまでもなく185系は同世代であり、上野口が撤退したのだから東京口も撤退するだろう、という考えは自然である。
ところが、185系が上野口を撤退した2014年から4年ほど経過したが、置き換えどころか、公式発表すらない。185系の置き換えはどう考えても急務であるが、なんの便りもないのである。そこで、多くの鉄道ファンが(私も含むが)「踊り子」の今後について関心をもっており、また、さまざまに予想している。私はここで、今後の「踊り子」について仮説をたて、検証してみたいと思う。
<追記>
・・・・・・というものを執筆しようと思い、実際2章ほど記事を書いていたのだが、その矢先にJR東日本から公式発表がなされ、「踊り子」の後継はE257系であると決定した。私はむしろ、E257系の転属には否定的な観点で書いていたので、完全に私の予想は外れ、まったく意味のない文章となってしまった。お蔵入りも検討しかけたが、かけた時間が無駄になるのは腹立たしいので、黒歴史も承知で投稿することにする。これを読む方は、公式発表前の「踊り子」後継車について、『こんな予想もあったんだ~』と読み流していただければ幸いだ。
ただ、それだけではさすがに憚る思いもあるので、公式発表後に新規に執筆した部分を「運用予想編」として書き加える。そちらも是非読んでいただきたい・・・・・・というか、むしろそっちを読んでいただきたい。