僕が好きなのは誰なんだろうか
初めての短編書かせていただきました!
おもしろいと思っていただければ嬉しいです!
僕は悠頼高校に通う1年生美藤珠愛。
成績は学年4位顔は平均レベルで眼鏡を掛けているため別に立候補してもいないのに委員長に担ぎ上げられ今は委員長している。
そんな僕には2つ大きなコンプレックスがある。
片方は気づいたかもしれないけど印象に強い名前。
もう1つは自覚してしまうほどの脳内での独り言。
2つ目に至っては人には気づかれないもののひどいものである。
例えば人と会話している時に僕は会話が得意では無いので相槌を打つ時が多い。
その時にも頭の中ではどうしてこんな無駄な時間を過ごしているのだろう
この時間は必要だろうか等と考えている。
自分で考えれば酷いものだろう。
そんな僕も16年間で分かった事だってある。
人間とは単純で何かあった時表情から相手の意思を読み取ろうとする。
第一印象だってそうだ。
むすっとした人よりも笑顔の人が好かれるのは必然である。
そのため僕はどれだけつまらなくとも笑みを浮かべ失敗すれば大袈裟に反省を顔に出してきた。
それだけでおおごとにはならない事が多かった。
こうして、僕は捻じ曲がりに捻じ曲がったわけだがそんな僕も人である。
そう。僕は恋している。同じクラスの彼女に…
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
僕は一人暮らしのため朝早くに起きて準備をして何ら特異な事もない登校を済ませてクラスに着いた
もちろん来るのが早いため誰もいない教室を味わう
といってもする事もないのだが
そうしていれば僕の次に来るのが早い彼が来る
「おはよう委員長」
「うん。おはよう黒幡くん」
彼は黒幡 奏志。いつも朝が早く毎日走ってから来ているらしい
そして彼はうちの学校でも上位のイケメンなのだ。
もちろんのこと容姿端麗、成績は学年7位(ちなみに1年生は240人)と優秀、運動神経抜群と酷いテンプレ野郎である
そして僕や他の1人になる事が多い人にも声をかける優男っぷりを発揮していて、それはそれはモテる。
僕のような捻くれた人間からすれば何処からその無駄な偽善心が生まれるのか解剖してやりたいが今はそうじゃない
とはいえ話す事も別段なく世間話やテレビの話くらいである。
「昨日のテストどうだった??」
「あぁ92点だったよ。あの先生出し方に癖があって分かりやすいけど最後の問題を含めて3問くらい難しい過ぎるから…」
「委員長は相変わらずいろんなこと考えてんなぁ」
そんなことはない
僕からすれば当たり前に思えることである。
テストとは普段どうのではなく出題者の欲しがるものを与える事ができるか試しているのだ。
自分の意見を述べよなのど問題なんて出題者の求める答えにしなければならない。
aさんの気持ちなんて僕は知らない。
d君をおもって胸が痛くなった。aさんの気持ちは?
知った事か、そんなものはaさんに聞け。という話である
と、話はずれたがこうして意味のない時間を過ごす。
20分もすれば生徒は増えうちのクラスの40人中24人は登校している。
こうして、無駄な時を経て僕は待っていた人に出会う。
彼女が歩くだけで胸がときめき目が合えば本心から喜んでしまう。
これが恋煩いなのだろう。
おっと、説明が遅れたが彼女は哀咲 姫那スタイルは抜群で顔なんて見ただけで照れてしまうほど美しいそして目立つのは煌めく様な美しい黒髪を伸ばしているため本当に綺麗である
そして成績学年2位と頭もいい。
そして、運動が苦手というキャップがまたとても可愛い点である。
ここまで言ってきたがもちろん付き合ってなどいないし会話もほとんどない。
言ってみれば好きの一方通行。自己満足である
それでも、僕は彼女が好きだし、付き合っているところを想像したりもする。
考えるだけなら犯罪でもなければお金をかからない。
そしてこの時間が最近好きになってきた
なぜかって言われると1つしかないが彼女が挨拶をしてくれるのだ
「おはよう。委員長くん」
「おはようございます哀咲さん。」
こんな短い定型文の様な会話。それでも僕は嬉しいしつまらない人生の中の1日を過ごせるのだ。
恋とはすごいものである。今までこんなにつまらなかった世界を楽しい。
そう思える。いや、人間とはそう思わなければ、いや、思えなければ幸せなど掴めないのかもしれない
人とは財を求める。そして手に入れば飽きる、そしてもっと多くを求めてきた。
こうして生きてきた中で幸せを真に掴むにはどうすればいいのか恋をすれば幸せな人もいる。
人の上に立てば幸せな人もいる。
こんな世界だからこそ人は幸せを求め愛するのかもしれない。
…またもや話がずれたが僕は彼女に恋をしている。
だが、それは叶えば嬉しいが今の嫌われていない関係を壊す可能性のある博打をする程なのか…
僕はそれを考えていると時間を忘れ授業に身が入らない事が多くなってしまっている。
仮にも委員長としてしっかりしなければと思う。
だがそんな僕にも良い事があった。来週の遠足で哀咲さんと同じ班になれた!!
別にアクションを起こすわけでもない。それでも好きな人と近くで過ごせるというのは嬉しい事なのだ。
その後も普段通り。あたりまえの日常が展開されて行き学校も終わり家路につく。
僕は委員長だが毎日何かするわけでもないので今日はすんなり帰った。
家はもちろん誰もいない。
僕は読書以外たいした趣味も無いため殺風景な部屋の中で本を読み過ごし7時からバイト、10時に終わって帰宅してそのまま眠る。
こうして僕の1日はループしていく…
時はたち遠足の日になった。
班員は僕。黒幡くん、哀咲さんとその親友の伊津 沙夢さんの4人である
いけ好かないイケメン野郎…ではなく黒幡くんは1人になっていた俺とペアを組んでくれて女子とくっつけるとか哀咲さんと一緒になったため意思は介入してないと思うが…
哀咲さんが黒幡くんを好きになった日には僕は何処かから紐なしバンジーすることになるね。
っと、冗談はここまでにして。
「じゃあ行こうか!まずは何処から回りたい?女子は?」
うちの学校の遠足ではその地域の名所が書かれた紙を渡され、その全てを周りきりその場ごとにいる教員に判子を押してもらい集めるのが当たり前になっている。
えらく小学生じみているが1番仲良くなりやすいそうだ。
「うーん。私たちは希望は特に無いから委員長くんの行きたいところからでいいよ。
あ、黒幡くんもね」
なんとなく予想はしていたが本当にそう来るとは…
だが、予想していればプランは考えられたし考えてある!
僕は地図を広げて見せながら言った
「じゃあ南倉町…えーっと地図の1番上ね?まで行って下に降りてくる形で周ろうか!」
「ええ、わかったわ。行きましょう」
「いこー!!」
ちなみに伊津さんは元気系美少女というやつで学校でもモテモテらしい。
それから僕たちは南倉町まで来て先生に判子をもらい次の目的地であり1番近い桜扇寺という寺に来ていた。
「…というわけでこのお寺ができたんじゃよ」
「そーなんですねー!」
そうして寺の住職の話を書き終えて次に向かう途中僕達は4人で話をしていた
「委員長くんは普段からしっかりしてるけど何か理由とかあるの??」
「うーん僕は深く考えた事ないかな。普通に生活しているだけだよ」
いやっほう!僕のこと見てくれてたんだ!
…やめよう。アホみたいだ。
だが返事は真実だ。肩書とは後からでも心は付いてくるものだ。
もちろん最初は委員長に慣れないしもともと自堕落な生活が多かったが徐々にこうなった。
「へぇー、すごいのね。わたしにはきっと無理よ?」
微笑みながら言ってくれる。
優しいなぁ…
「ありがとう哀咲さん、僕からすれば勉強とか色々できちゃう哀咲さんの方がすごいよ」
「ふふっ、ありがとっ」
こんな会話をしました。
とても楽しかった。
黒幡くんと伊津さんはなんかいい感じになっているから哀咲さんとふたりで話せたんだけどね
そんなつもりは無いと思うけどありがとう。
そこからは色々なところを巡り5時くらいに駅前に行った。
向かう間も哀咲さんとおしゃべり出来たので僕は満足でした。
照れているのを隠すのに必死だったけど哀咲さんとても綺麗だった。
ありがとう。遠足!
こうして遠足は終わり日曜日を平凡に過ごし月曜になった。
「おはよう委員長」
「あ、おっはよー!いいんちょー!」
なん、だと…
緊急事態発生。黒幡くんと伊津さんが腕を組んで登校してきただと!
「お、おはよう、えっと聞いてもいいかな?」
「沙夢とのこと…であってる?」
おーう。もう下の名前で…
「えっと、そうだね。黒幡くんいつも一人で登校してたし…やっぱりそういうことかな?」
「そうだよ、遠足の時気があって付き合い始めた!」
「おめでとう、ちょっとびっくりしたよ」
こうして、黒幡くんは付き合い始め、朝の会話も無くなるのか…
暇だな
そんな事を思っていた時もありました。はい。
「おはよう委員長くん」
「おはよう哀咲さん」
いつもの挨拶。本日も美しい。
ここまでは普段どうりだったのだがここから波乱の展開が巻き起こってしまった
「今日は沙夢が黒幡くんと食べるって言って弁当食べる人いないから一緒にどう?」
え?…まじですか!?いいんですか!そんな事していただいても!
「うん!一緒に!」
「じゃあまた後でね」
「はい!」
ナイスだ!ナイスすぎるぞ黒幡くん!
後ろから突き刺さる嫉妬の視線は僕のライフを削っていくがそんな事は関係ない!
僕は今神の奇跡を肌で感じているのだ。小躍りでも始めようかと思うくらい嬉しい。
それからの授業は残念なことに一切頭に入らなかった
だが予習してたし問題ない
で!それどころじゃない!僕は今哀咲さんと向かい合ってご飯を食べている!なんという事だろう飯が超越して美味しく感じる
「一緒に食べてくれてありがと、私沙夢以外に親しい人がいないから…えっと名前で呼んでもいいかな?」
いいんですか!?ぜひ呼んでください!さあ!
「うん、どうぞ」
「じゃあ美藤くんが一緒に食べてくれてよかったの」
「僕も嬉しいよ、いつも一人だから」
笑いながら言うと少し笑ってくれた。やっぱり優しくていい人だ…
「美藤くんは好きな人とかいるの?」
まさか僕を!なんて思わないさ…これは恋バナというやつなのだろう
僕に話を振ってくれたのは嬉しいがあなたが好きですなんて言えないぞ。
「んー。」
「へぇいるんだ。ちょっと意外かも」
なぜだ!何故ばれた!僕は返事してない!
「な、なんでそれを?」
「目が泳いでたから…かな?」
首をかしげる。とっても可愛い。だがまた周りの視線が痛くなってきた
とてもじゃないが周りを見れない。どんな顔してるのか気にはなるが…
「そんなこと、はあったかも…」
「やっぱり美藤くんは面白いね」
こうして話しているのは楽しいが時間とは残酷なものだ
食事の時間は終わってしまい哀咲さんはまたねと言いながら席に戻って行った
僕は重症かもしれない…話せば話すほど好きになっていく
これは僕にとっての初恋だがきっと叶わない恋なのかもしれない
だが、いっしょにいられたら。そんな妄想をやめることが出来ないくらいち僕は好きになっているらしい
それからは毎日黒幡くんと伊津さんが2人の空間を作ってしまう(くれた)ため哀咲さんとご飯を食べることが出来た
よく話せばいつのまにか仲良くもなり友達と呼んでいいかもしれない間柄になるのにそう時間はかからなかった
だがひと月ほどたったある日事件が幕を開けた。
そう、僕の机の中にラブレターと思しきものが入っていた。
もちろんだがそんな経験は無いし焦りに焦った僕はあたふたした末に内容を確認することにした
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拝啓美藤さんへ
本日の放課後屋上へ来てください。
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こう短く書かれているが手紙の封にハートのシールが使われていたためラブレターだと仮定した
そして僕は困惑した末に哀咲さんに聞いてみることにした…のだが
「え…ほんとうに貰ったの?冗談じゃなくて?」
酷いなぁそんなに評価低かったのか
「貰ったよ、現物もある。」
「ご、ごめんなさい、戸惑ってしまったわ。で、どうするの?」
「どうするの?とは?」
「屋上に行くの?そして。つ、付き合うの?」
なんでこんなに哀咲さんが焦っているのだろう…
あ!さては昼ごはん食べる人がいなくなるのを忌避してるんだな!
でも大丈夫。僕は哀咲さんが好きだから付き合ったりはしないはずだ
「とりあえず屋上には行くけど付き合うとかはわからないかな」
「そ、そうなの。ふぅ、そうよね」
なんか自己完結していらっしゃる。
でも、どこか焦ってるように見えるんだよなぁ
そうこうしているうちに時間はたち放課後になった。
クラスメイトたちが帰る中僕はそわそわしていた
と、同時に哀咲さんは機嫌が悪いのは何故なんだろうか…
こっちを向いてはため息をついている
僕は嫌われたのだろうか…
いや、大丈夫だと信じて今は目の前のことに集中しよう。
そうして緊張した面持ちで僕は屋上へ向かった
屋上へ着くと幸い相手はいなかったので少し安心して待っていることにした
待っている間も落ち着かずそわそわしながら待っているとドアが開いて誰かが来た
「あ、あの美藤くん…待たせちゃった?」
「いや、そんなには…」
え、なんの冗談だ?なんで霧宮 愛乃がいるんだ…
おっと、説明が遅れたが霧宮愛乃はこの学校で3大天使と呼ばれているスタイルがよく、その、胸も大きく学年トップの成績そして地毛の茶髪が目立つ白い肌。
ここまで言えばわかったと思うが霧宮愛乃は可愛い人3人の1人だ
ちなみに後の2人は哀咲さんと伊津さんで黒幡は尋常じゃないくらいの嫉妬を向けられていた
そんな話じゃなくて!なんで霧宮愛乃が僕を屋上に呼んだのか!だよ!
「えっと僕を呼んだのは霧宮さんって事でいいのかな?」
「そうだよ、私が呼んだの…」
「えっと僕に何か用事かな?それとも何かしたかな?」
そう聞くと首を横に振って霧宮さんは言った
「あなたに伝えたい事があったの」
ガタッ!ドアの方から音がした気がするが気のせいか?
「つ、伝えたいことって?」
「私。霧宮愛乃はあなたが好きです。付き合ってください。」
ガタガタッ!誰かいるのか?
って!それどころじゃなくて!
「え!あ、え、あ、ん!?」
「返事…貰えないのかな?」
こんな、不安げな可愛い顔されたら…
「ちょっと待って!」
さっきから物音のしていたドアを開けて哀咲さんが入って来た
「愛乃!どういうつもり!わ、私が美藤くんが好きだってわかっててやってるの!」
「それは知ってるよ。でも、私だって気になるじゃん。クラスメイトがはしゃいでいる時にいつも周りを見て怒られないように心がけたり!先生からの頼みごとを他の人の分までやったり!
そんな人の事気にならないわけないじゃんか!」
「そ、そうだけど…」
「それに!姫那が好きだって言うから!我慢してたのに!一向に何もしないし!だったらって思っちゃうじゃん!」
当事者のはずが蚊帳の外…というか、さっきからとんでもワードが飛び出してるんだが
あの哀咲さんが僕を好きとか霧宮さんも好きとか…
わけわかんないや…
「え、えっとつまりどういう事?」
「本当に気づいてなかったんだね…私と姫那は美藤くんが好きなの。
でも、私は姫那が好きだって言ったから!だから諦めようって!そう思ったのに!いつまでたっても何もしないまま!それなら私がって思っちゃうじゃんかぁ!」
正直昨日…いや、数分前まで予想もしなかった事態が起こっていて僕は困惑していた
「で、私の告白の答えは?」
「待って!私も!み、美藤くんがす、好き、だから付き合ってほしいかな?って…」
「え、えと、正直2人とも僕なんかじゃ釣り合わないくらいすごいし、その、可愛い…けどその、実は僕は哀咲さんが好きだったけど、その霧宮さんに告白されて可愛くて、その、あの、決められない…というかその…」
「美藤くん優しいからそういうと思った。わかってたんだよ…姫那はきっと私が告白したら同じようにするって、でも、負けたくないの!だから選んでほしいとは言わないから一緒にいてほしい…かなぁ」
「わ、私も愛乃を蹴落としたりしたくない…だからできれば3人でいられたらなって思ったり…」
そんな事言われればそうする以外ない、いや、僕だってそうしたかったのかもしれない
哀咲そんを好きといいながら僕は自分の好きを人にぶつけていただけなんだろう
だって僕が好きなのは誰なんだろうか。そんな事も分からないくらい自分のこともわかっていなかったらしい
これからはちゃんと自分のこと、人のことを見ていかなきゃと思う。
だからこそもちろん返事は…
「僕でよければよろしくお願いします。2人がよければずっとずっと2人共を幸せにできたらって思います。」
こうして僕と哀咲姫那、霧宮愛乃は付き合い始めた…
日本にいる以上一夫多妻は認められないがそれでも愛することはできる。
そうして2人と幸せに暮らせることが僕にとっての最高の生活なのだろう…
よければ評価や感想いただけると嬉しいです!
違う作品も頑張って投稿しますので読んでいただければ幸いです。