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3つのルール  作者: アキラ
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第24話  謎だらけの殺人

この学園はその特殊性から内部機関として

執行者という先生が1学年に5人程度存在する。


執行者と呼ばれる職業の仕事は主に3つ


・学内で窃盗・強姦・殺人等の犯罪が行われた場合の調査及び刑の執行

・刑務所の管理及び監視

・推定危険者の監視


彼らは他の教員とは異なり、生徒の前に顔を出すことはめったにない。

その上、他の教員には与えられない独自の裁量権を有し、強力な能力を持つ。


そのためか、彼らは職員室にはいない。

彼らだけに与えられた部屋より事件が起きた際には、

可及的速やかに調査に派遣される。

もしもの場合を検討して、2人で1セットとなっている。



神座幹人。彼の能力は犯罪を調査する上ではピカイチの能力だった。

多くの事件や犯罪は事件が起きる前の5分間までの間に

必ず被害者と接触をしている。

だからこそ、神座がこの任について以来、

加害者を見つけられなかったことは滅多にない。


その上でこの惨たらしい殺害方法だ。

必ず、加害者がアクションを起こすために

5分間の間に接触しているに違いない。


そう確信していた。


「なんだこれは・・・?」


神座は瞳の奥に映し出される映像の異常性に思わず恐れ戦いてしまう。


彼が見た映像の中に、加害者らしき人間の姿はなかった。


被害者は男子生徒だった。

ネクタイの色から上級生だと見て取れる。


彼は屋上にタバコを吸いに来たのだろう。

屋上の中央に陣取るや否や、

ポケットに入れていたタバコとライターを取り出すと

そのまま、口に加えると、煙をふかした。


しかし、その瞬間彼の表情が青ざめていって、数秒も立たないうちに倒れた。

苦しそうに冷汗が次から次へと全身からあふれ出す。

這ってその場所から離れようとする彼はその瞳に移ったものに困惑する。


彼が視界に入れたのは、自分の手。

いや、正確には手だったもの。それはもう原形をとどめないほどに

ボロボロにぐちゃぐちゃなものへと変わっていた。

まるでミンチのような自分の手に彼は恐怖の表情を浮かべ、

叫んでいるのか口を大きく開けた。


それが過ちだったとも知らずに・・・。


大きく口を開けた瞬間、ぐちゃっという効果音と共に

彼の顎は落ち、そこから先は本当にあっという間に

全身がミンチ状へとその姿を変えていった。



そんな異常としか言いようのない殺害方法を神座は

今まで見たことも聞いたこともなかった。


しかし、実際にその惨たらしい殺害方法が

執り行われてしまった。


そして、この犯人が誰であるのか、それすらも分からない。



神座の瞳が元の輝きへと戻る。能力を解除した証だ。


彼は何とか震える足を落ち着かせると、

日和先生に視線を向ける。

(これは早く犯人を見つけなければ、大量虐殺が起こってしまうかもしれん。)


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