なんと読むのでしょう
小学生の頃に、父が購入していた講談社の手塚治虫全集の『リボンの騎士』を読んでいて、解らない漢字があったので、父に訊きました。
「これなんて読むの?」
「『らいはいどう』と読むんだよ」
どうも読み方をすぐに忘れてしまうので、何回か尋ねた覚えがあります。『リボンの騎士』の主人公のサファイア姫は男女両方の心を持って生まれたが為に、魔女から心の片方を盗もうと狙われ続けます。サファイア姫はお城の一角の十字架のある場所に逃げるのです。魔女は十字架の輝きに近付けません。
「礼拝堂!」
と魔女は言います。当時小学生低学年のわたしは読めなかったのです。
さて、皆様は「礼拝堂」と書かれていたら、なんとお読みになりますか?
父が教えてくれたように、「らいはいどう」ですか?
それとも、「れいはいどう」ですか?
どちらも正解です。わたしの手持ちの辞書には「らいはい」は「仏を拝む」、「れいはい」は「神(キリスト教、イスラム教)を拝む」とあります。全国紙の新聞でも、宗教各派によって読み方が違うが、だいたいは仏教では「礼拝」を「らいはい」、キリスト教やイスラム教では「れいはい」と読むと説明されていたように記憶しています。
『西太后』は?
高校生の時に、この映画がテレビで放映された時に解説の水野春郎が言っていました。「西太后」を古くから日本では「せいたいこう」と読んでいましたが、映画を日本公開する時に語感を強める為にわざと「せいたいごう」と日本語タイトルにしたそうです。東洋史の本には「せいたいこう」とルビが振られています。映画で西太后の存在を知った日本人が多いようなので、テレビだと「せいたいごう」と主に発音されているような気がします。同じ映画の例では『地獄の黙示録』があると聞きました。映画宣伝ではっきりと、「じごくのもくじろく」と言っていた記憶がありますが、これも語感の為だとか。キリスト教の用語は『黙示録』は「もくしろく」です。
『礼拝』と『黙示録』は宗教が関わっていて、その信者が存在していますので、読み方に関しては流布に問題ないようです。
ただ「せいたいごう」は読みが恰好悪いなあと感じるのは、わたしの気の所為でしょうかね。




