贅沢な悩み
今朝新聞を読んでいて、広告欄に横溝正史の幻の作品とニュースになった『雪割草』が載っていました。税抜き価格で二千六百円、だいたい四百五十ページ、戎光祥出版さん。むむむむ。研究者発見の原稿だからKADOKAWAで出してくれなそうですねえ。
新潮社から、佐藤賢一の『遺訓』は主人公が沖田総司の甥っ子が主人公で、だいたい四百五十ページで約二千円。『遺訓』の前の作品となる『新徴組』は沖田総司の義兄の沖田林太郎が主人公で、三段突きは元々林太郎の技で、総司が引き継いだ形になっていました。終幕近くで林太郎が三段突きで敵を倒したはいいけれど、見事に足が攣っていました。林太郎の息子どの、その後の生き方はどうなるのかと、気になっています。
同じく新潮社から出た京極夏彦の『ヒトごろし』は土方歳三が主人公で税抜き価格が二千七百円で、千ページ越え。精神科医の春日武彦の書評によると、主人公のみならず、登場人物の何人かがサイコパス(作中では人外と呼ばれる)の設定だそうで、新撰組の過酷な世界が人情味なく展開するのか、これも興味深いのです。
似たり寄ったりの値段ですが、『ヒトごろし』を書店で見掛けた時の存在感、手に取るのもためらわれました。流石に千ページはスゴイです。その半分以下のページ数でも同じくらいの値段の『雪割草』。
『遺訓』と『ヒトごろし』は地元の図書館に入っているのを確認していますが、貸出順を待たなくてはなりません。『雪割草』は横溝正史のビッグネームとはいえ出版社が専門書の書店のよう。購入してくれるかしら。
三冊とも、なんて悩ましいのでしょう。贅沢と解っていますが、金額と置く場所が……(千ページの本は本棚の隙間にぐりぐりできません、嗚呼)




