今度は新聞ではなく、webニュースで読んだ記事で
昨日、バーッとニュースをスマートフォンでチェックしておりましたら、『ショーペンハウエルは、なぜ「本を読むとバカになる」と言ったか?』の見出しがありました。気になるので読んでみました。『DIAMOND online』で、十一月三十日午前六時配信、山口周とありました。山口周を知りませんが、ビジネス書関連では有名な方なんでしょうか?
ショーペンハウエルやベーコンの名前が出ていたので、何むつかしい話になるのだろうかと読み進めていきました。ショーペンハウエルやベーコンはそれぞれ自身の著作で読書でバカになる危険性を述べているそうです。つまり既に体系化されている知識を、案内に沿って丸暗記するが如く無批判、疑問なしに受けていく危険性です。
う~む、こういった内容、高校生の時に大学受験の小論文の勉強で、似たような文章を読んで、頑張って小論文書いた覚えがあります。
今更感。高校生の時の小論文を書いて、国語の先生からまあまあと評価されたけど、もう少し字は丁寧に書きなさいと注意されたことまで思い出しました。
書いてあること丸呑みでは受験生レベル。そこから何かを読み取り、或いは自身の意見はこうであるからこの論はどうであるとか、原(第一次)史料をどう解釈していくか思考を拡げていくのが大人の読書であり、引き出しは多くあった方がいいのだから、決して乱読は毒と決め付けられないと、高校生なりの言葉で綴っておりました。
webニュースの内容としては、内容を丸呑みする読書をせず、自身の興味ある方向、もしくは戦略を練る為に、独自の視点を持って本を選択して読むのが大事、ビジネスの世界を開拓していくのに、独自のカリキュラムを組んで学習をせよと説いています。
そしてその記事は手塚治虫の『マンガの描き方』を最後に引用していました。
「漫画以外の教養が最後にものを言う。またふだんの勉強も必要で、漫画本ばかり読んでいてはダメである。文学や科学書、紀行、評論集などの本に親しんで知識を広めることだ。」
まあ、要は丸呑みは駄目で、熟読、熟考は何事にも必要と書いているのであり、読書はバカになるから止めろと言っている記事じゃないのです。当たり前ったら当たり前で、本や雑誌だけでなく、テレビやネットだって丸呑みしたらいけないのは昨今のデマの拡散や炎上騒ぎを見たら理解できます。
何も海外の哲学者を引っ張ってこなくても、我が国の寺沢寅彦が『読書の今昔』で書いています。
「無批判的な多読が人間の頭を空虚にするのは周知の事実である。」
忙しくて疲れていると、考えなくても楽しめるような娯楽を求めてしまいがちですが、持った知識を活かしたい、表現したいと願うなら、忘れず肝に銘ずる事柄でございます。
脳みそはただの記憶装置じゃありません。




