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育児の本 いまむかし

 小児科医の毛利子来先生の訃報を新聞で読みました。直接お会いしたり、講演を聞いたりはございませんでしたが、毛利先生の育児書やエッセイを読みながら子育てをしておりました。子どもだけでなく、子どもに接していく母親の気持ちににやさしく添い、励ましてくれるようなお話の本でした。外で仕事をしていても、一緒に居られる時に愛して接していればいいのですとあり、心強く感じたものでした。

『赤ちゃんのいる暮らし』、『幼い子のいる暮らし』は大切な本です。

 ご冥福をお祈り申し上げます。


 わたしが結婚し、子どもができた時、妊産婦向けの雑誌がありましたし、当然育児書も様々ございましたが、実家の祖父がこれをやると、『赤ちゃん百科』とおそろしく古い本を渡してきました。なんでもわたしが生まれた頃の本。本の奥付を見ると、初版が昭和三十七年一月、昭和四十二年七月、百五十四版。いくらなんでも古すぎて役に立つのかなあ。まあ、昭和の時代の話題に使えるかしらともらっておきました。

 パラパラとめくってみると、まず予防接種の種類が違っています。種痘が入っています。WHOが天然痘根絶宣言をしたのは、昭和の五十年代ですからねえ。昭和四十二年の版の本には載っています。

 子どもの病気に関する部分も幾らか違います。天然痘が入っています。流行性肝炎、狂犬病、チフス、赤痢と疫痢、鼠に嚙まれた傷の手当など。狂犬病はそれらしい哺乳類の動物と接触したら、予防接種しないと致死率が今でもほぼ百パーセント。昔は夏場に疫痢で亡くなる子どもがいたんだよと、母から昔話を聞かせられておりました。今は公衆衛生の向上で、野外で生水を不注意に飲用しない限り縁のない病気となりました。(その代わりに病原性大腸菌が出てきていますが)

 今も昔も、結核と梅毒は要注意事項で説明されています。これだけ注意され、特に梅毒は妊婦健診の必須項目ですが、現在に至っても根絶されておりません。それどころか、梅毒の感染者が増加傾向と報道されています。目次の先天性梅毒って言葉が怖いです。

 子どもの不慮の事故死に関してが、わたしが自身で購入した育児書よりも古い方が多くページが割かれていました。単純化、図式されたイマドキの本とは書かれ方が違っているといいましょうか。

 親がちょっと目を離した隙に、または子ども自身が好奇心を抑えらずに突っ走っていく、そして世の中の大部分は大人向きにできています。子どもの仕様に合っていないのですから危険です。これに関しては今も昔も、親の注意しなければならないこととして変わりません。

 育児書は、わたしが乳幼児の世話をしていた頃ときっと内容が変わっている部分があるのでしょうねぇ。その古い本には山羊のお乳が載っていましたし、大昔は母乳よりも人工乳の方が栄養が整えられていていいとか、おしめ替えの時はベビーパウダーをはたいてかぶれを防ぐとか言われていたのが、わたしの育児時期には疑問視、或いは否定されるようになっていました。また最新の発見やら研究の進歩で、新しい乳幼児への接し方があるのでしょう。ここらへん、調査しておりません。

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