来年の大河ドラマの話題で思い出したこと
来年のNHK大河ドラマ『西郷どん』の配役で、斉藤由貴が降板して、代わりに南野陽子が出演すると決まったと報道がありました。南野陽子が演じるのは幾島とか。
宮﨑あおいが主演した『篤姫』では松坂慶子が演じていました。そしてもっと昔の大河ドラマ『翔ぶが如く』では確かこの役は樹木希林が演じていました。
『翔ぶが如く』の主役は西郷隆盛と大久保利通で、西郷は西田敏行、大久保は鹿賀丈史でした。篤姫は富司純子。鹿児島弁を生かしたいと字幕を入れての放送でした。
篤姫のお輿入れに関して、西郷隆盛と幾島が密談する場面を覚えています。
樹木希林演じる幾島がパタンパタンと襖や障子を開け放ちます。西田敏行演じる西郷隆盛は驚きながら、鹿児島弁を再現できませんが、このようなことを言います。
「そのようにご用心されなくても、あやしげな振る舞いはしません」
うん、絶対しないしない。
幾島は平然と言います。
「しても構いません」(京言葉も再現できません)
いいや、絶対しないって。西郷隆盛が戸惑っていると、幾島は続けます。
「こうやって開け放っていた方が、聞き耳を立てている者がいないか判ります」
盗み聞き対策に、周りが見えるようにするのが幾島のやり方なのだと、西郷隆盛納得して、次から密談をする時に真似をするようになります。
面白かったけど、幕末編の前半しか観ていなかったですね。
西田敏行が西郷隆盛役と決まった時に、西田敏行の出身地の福島県で、どうして引き受けたんだと、反発があったと聞いています。
『翔ぶが如く』の放映の二、三年前くらいに、山口県の萩市から福島県会津若松市に、戊辰戦争からもう百二十年経ったのですからと、姉妹都市の提携の申し出がありました。しかし、会津若松市は、まだ百二十年しか経っていないと断りました。
現在この話を聞いても当然だと思います。
その後、西田敏行が『八重の桜』で会津若松藩の国家老西郷頼母を演じて、西郷頼母は評価の難しい人だけれど、これで良かったと感じました。
『白河以北一山百文』と戊辰戦争の折に、官軍側の高官が嘯いたと伝わっています。
岩手県出身の原敬が「一山」と号したのは『白河以北一山百文』への皮肉であるといわれ、また宮城県の新聞の『河北新報』の由来もその言葉に対抗する意識から生まれたと聞きます。
東北の地の一部が、昭和の高度成長期頃に「日本のチベ○ト」と呼ばれていたのも知っています。
東日本大震災やその後の経過から、『白河以北一山百文』を思い出した東北人は少なくないと思っています。
過去を起爆剤にして立ち上がり、前に進める人もいれば、打ちのめされたままになる人もいます。理屈では解っていても、なかなか心が穏やかになれない場合もあります。
大震災の後は二年くらい何も書けませんでした。でも、またこうやって文章を書いています。水に流す、リセットするは現実には有り得ず、できないことですが、未来があるのなら、前に進みたいです。
話がずれちゃいましたね。でも、この頃の明治維新の読み方の流れが変わってきているらしいのと、自分の中の故郷への想いと、この歳でも前進できるだろうの、わずかながらの気持ちを綴りました。




