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暑い時期になると思い出す、笑うに笑えない話

 昔から新聞を取っていて、結婚したばかりの頃も新聞を毎日読んでいました。

 結婚した頃は家庭欄を熱心に読んでおり、梅雨時の記事として、食中毒を防ぐ為、家庭で気を付けておくべきことと、台所用品の手入れの紹介が載っていました。

 まずは手の洗い方。石鹸をよく泡立てて、手の全体に付け、指の股、爪の間、手首までよく洗い、すすぎましょう。

 布巾は常に清潔に乾燥させたものを複数枚用意しておきましょう。

 スポンジや束子は洗剤を過信せずに、使用後は熱湯につけて乾燥させましょう。

 などなど、記事を書いた方がどこかの保健所関係の方だったか忘れてしまいましたが、事細かに注意事項が書かれていました。全部できるかは解らないけれど、参考にしておこうと考えていました。

 後日、その新聞の読者投稿欄に、ある年配の男性から投書が載せられていました。わたしが参考にしておこうと考えた、その食中毒を防ぐ為に台所の衛生を保ちましょうの記事を読んで、わざわざ(恐らく専業主婦の)奥さんにこの記事の内容を教えて、この通りにしているのかと尋ねたのだそうです。ま、どういう結果になるか予想できますよね。

 その男性は、奥さんから烈火のごとく怒られたそうです。

「今までそんなことしてこなかったけれど、食中毒になったことありますか!」

 という具合だったようです。

 男性はすっかりしょげて、スポンジや束子に熱湯を掛けておいたと、投書は終わっておりました。

 男性の気持ちも解りますが、奥さんの言い分も解ります。そんな手間暇今までかけてこなかったけれどお腹を壊した経験ないでしょう、これ以上台所仕事を増やそうっていうの、そもそも炊事のイロハもしらないあなたが物知り顔に何言っているのよ、といったところでしょうか。

 調理の最後に熱湯掛けるより、素材の違う食材を切り刻む際に包丁やまな板を洗浄する方が大事だし、そもそも調理の順序というものが……。

 自分の仕事の範囲に部外の人が口出ししたら、誰だって腹を立てると気付かなかった男性の負けというものです。なんとも笑うに笑えない、お気の毒な話でした。

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