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痛いのを指数化した学者さん

 ヒアリが日本に上陸したとのニュースを聞いて、春先に『毒々生物の奇妙な進化』(クリスティー・ウィルコックス著 垂水雄二訳 文藝春秋社)を読んだなぁと思い出しました。女性の生物学者さんです。自らの体験で、海で遊泳中に有毒生物に刺されて大変な目に遭ったのに、なぜだか有毒の生物に魅せられて、研究を続けているのだそうです。勿論蛇やら海月、蜘蛛、カモノハシが俎上に上げられています。

 その中で、学究の道の為にはそこまでやるのかというのか、シュミットさんという生物学者が、蜂や蟻を主にして、刺されたらどれくらい痛いかを指数化したお話が載っていました。痛みに対する感覚には多少の個人差があるんじゃないという言い分がぶっ飛ぶくらいの実験です。

「刺されると痛い昆虫」確かめる為に、自ら78種類の昆虫に刺されたそうです。一位が南米のサシハリアリ。痛さのポイントが4.0+とされ、最高なのだそうです。踵に釘を打たれて火の上を歩くような痛みと表現されています。結果はシュミットの疼痛指数として「刺されると痛い昆虫」のランキングで発表されて、イグノーベル賞を受賞しました。

 サシハリアリは南米の部族で通過儀礼に使われるのですって。この蟻を手で掴み、耐えて勇者になるそうです。部族以外の人間が刺されると、その「踵に釘を打たれて火の上を歩くような激痛」にもだえ苦しみ、失神してしまいます。部族の若者も刺されれば、ものすごく手や腕がこん棒のように腫れ上がると書かれていました。

 そんな話を聞いて、喜び勇んで南米アマゾンに出掛ける著者も著者ですが。

 シュミットの疼痛指数をその後調べてみたら、ヒアリもランキングされていましたが、九位でした。刺されると火傷を負ったように痛いから火蟻と聞くのに、九位。

 世の中、ヒアリよりも刺されると痛い蟻や蜂がいるとは、世の中怖いです。そしてそんな蟻を通過儀礼に使うのってバンジージャンプとどっちが恐ろしいんでしょう。

「シュミットの疼痛指数」のヒアリの痛さ指数は1.2です。

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