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知らない方言

 実家に行った際に、『ヒミツのケン○ンショー』だかなんだかを観ていた父が、丁度山形を取り上げていたらしくて、「テレビで今やっている方言が解るか?」と尋ねてきました。

 VTRを観ておりましたが、「わたしは解らん」と答えました。どうして解らんのだと、父がブツブツ言うておりましたが、解らんものは解らんのです。

 山形出身でも山形の方言全て解るもんでもないのであります。亡き祖父は商業学校を出て東京で若い頃働いていたとかで、聞く人が聞くと、アクセントが違っていたそうです。東京のアクセントに近い。ややべらんめえ調だったかも知れません。祖母は上山市出身でしたけど、言葉遣いはあんまり訛ってなかったです。

 両親が会社勤めの中、祖父母と昼間過していたし、小中はともかく、高校はなるべく共通語で会話していたから、まあ、あれです、地元の年配の人と話すと、たまに意味が聞き取れない時があります。わたしが山形弁で話すと、山形で生活経験のある長男も何を喋っているか解らないと言います。それほど訛ってねぇんだげんども。

 高校の時にNHKドラマで井上ひさし脚本の『國語元年』を放送した時に、新聞の投書で、石田えり演じる山形県置賜地方出身とされるヒロインの台詞で、字幕では「恥ずかしい」となっていた言葉が間違っている、井上ひさしは勉強不足と載ったことがありました。井上ひさしは、あなたこそ勉強不足ですと反論していました。

 多分、石田えりの台詞の字幕で「恥ずかしい」と表示された方言は(わたしはきちんと記憶していないのですが)、「おしょしい」か、「おしょうしい」のはずです。これは置賜地方だけでなく、東北でけっこう使われる方言です。

 で、置賜地方、米沢の短大で中世史の勉強の為に『平家物語』を皆で読んでいた時、「勝事なこと」という言葉が出てきて、先生が解説してくださいました。

「稀なこと、滅多にないことを指します。米沢の方言で残っています。感謝の言葉を『おしょうしな』とここの地域では言っています。『有難う』と語源や使い方が同じです」

 置賜弁は置賜弁で違うんだあ、わたしの出身の村山地方で感謝は「有難う」、「ありがとさん」だもんなぁと、地域ごとの言葉の違いを実感した次第です。

 新聞の投書の主は「おしょうしい」を感謝の意だけだと飲み込んでいたのでしょう。

 同じ県でも地方が違えば方言もそれぞれ違ってきます。恐らくは、他県の皆様も同じような事情があるかと思います。

 昔ばなしやおくに言葉はちょっとした違いを見付けると、面白いとどんどん深みにはまっていくのです。

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