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期せずして昆虫食

 タイトルをご覧になったらお判りかと思いますが、虫の嫌いな方はご覧にならないでください。

 父が小学校の頃の校外学習に、田んぼのイナゴ採りがあったそうです。祖父が給与所得者でしたが、級友にはまだ農家の子が多かったとかで、級友がさっさとイナゴを捕まえていくのに比べると、父はうまく採れなかったそうです。

 イナゴの佃煮ってありますよね。わたしはイナゴの佃煮を食べられます。だからっていつも食べたい好物でもありませんが。

 絶対いや、食べたくない! という人も多いかと思います。良人はそう言います。アレルギーと関わりない食物でも、こうなると無理強いは禁物。苦手、嫌いな食べ物で、食べなくても栄養バランスや生活習慣病の改善に役立つものではないなら、勧めても無駄です。

 イナゴの佃煮は食べられても、わたしは蜂の子やザザムシは食べられません。長野の方、ごめんなさい。

 幼児体験で、古くなったフリカケをご飯に掛けたら、いつの間にか虫が湧いていまして、あったかいご飯の上でびっくりしているウジムシを見て以来、ちょっと形態が似ているので無理です。ザザムシには足があるよと言われても困ります。無理です。(開封後はお早めにお召しあがりくださいは、今も昔も変わりませんね)

 姑が農家の方の休耕地を借りて、野菜の栽培をしているのですが、農薬の散布をしていません。出荷に関係ないし、素人ですので、形が不揃いは当たり前ですが、そのほかに虫が付いた、ネズミやモグラ、ハクビシンにやられたとよく申しております。

 葉物野菜に虫が付いているのは驚きませんが、洗う時に用心して、細かい所までよく見るようにしています。それでもかいくぐる虫がいました。

 たまたまお浸しにしたのは姑だったのですが、或る夜、夕餉の席でわたしがお浸しに箸を付けました。

 傷んだ油みたいな匂いと変な味がしました。そこで一旦口から出せばいいものを、噛み続けていました。そしたら口の中で昆虫の肢みたいな感触。すぐに口から出しました。カメムシみたいな奴の残骸がお浸しに混じっていました。

 そっから大騒ぎをしていました。

「惠美子さん騒ぎ過ぎ」と、野菜嫌いの子どもたちがますます食べなくなるじゃないかと姑が困惑気味に笑って言うのですが、いや消化器が異物排除で不随意運動するのは止められないのです。少し飲みこんじゃったのか、上も下も消化器が全力でカメムシみたいなのを拒否していました。

 いやあ、お浸しだから、まだ良かったです。生だったら、そのカメムシみたいな奴に寄生しているのがいるのかどうかとまた心配しなければなりませんでした。(その晩、お浸しに箸を付けたのはわたしが最初で、大騒ぎの為に誰も食べず廃棄となりました)

 残骸になっていたので正体は不明ですが、肢の恰好から昆虫の後ろ肢、カメムシに似ている、多分カメムシとしか言いようがございません。

 昆虫好きの二男は「世界にはカメムシを食べる地域がある」と呑気に言ってくれました。それはわたしも知っています。食べる種類とか調理法とかまで知りません。

 農業に関する国際機関(正式名称を忘れました)で、人口増加や地球環境保護、食糧危機の観点から昆虫食の推奨のニュースがあったように記憶しています。

 昆虫に寄生する昆虫や微生物がいますから、その心配が取り除かれ、安全に、美味しく、見た目も良く、食す方法が真剣に考案される日も近いのでしょう。

 散々な思い出とともに、そんな日が来ないことを祈るのでした。

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