プロローグ
どうもはじめまして斉藤賢生です。
初めての投稿で緊張と恥ずかしさで死にそうです。
自分の趣味満載で正直「読みにくく面白くない」とおもわれるかもしれません。
それでも、楽しんで頂ければ幸いです。
少年が目を開けると、
世界を「黒」と「赤」が支配していた。
黒は焼け焦げた大地と宙を舞う灰。
――そして、死の色。
赤は硝煙に染まった空と揺らめく炎。
――そして、血の色。
その地獄に生きた者は在らず、在るのは死んだ者と死に逝く者。
当然、希望など無く全ての者が抱くのは絶望のみ。
そして少年も地獄を眺めながら、
地に横たわり、
全てを諦め、
静かに自分にも「その時」が訪れるのを待っていた。
「………」
すでに体は傷だらけで鉛のように重たく、瞼でさえ持ち上げるのがやっと。
声は掠れて自分でもなんと言っているのか分からない。
『助けて欲しい』
『死にたくない』
『生きたい』
そんな感情は、
願いは、
希望は―、
もう心には残っていない。
今出来るのは静かに「その時」、
“死の時”が訪れるのを待つことだけだった。
「……」
とうとう瞼を持ち上げる力も無くなり、瞳を閉じようとした。
その時。
「――――――ッ!」
突然、瞼の裏に強い光を感じ、鉛のような瞼をゆっくりと持ち上げると―。
世界を「白」と「青」が染め上げた。
白は透き通るような肌と風になびく長い髪。
―――そして、その人が見せる「優しさ」の色。
青は身に纏う軍服と少年を真っ直ぐに見据える瞳。
―――そして、その瞳に映る「意志」の色。
その女性は横たわる少年を抱き抱えると、嬉しそうに微笑む。
「……しっかりしろ、坊主。今…助けてやる」
そんな優しい声と共に少年の体を暖かい緑の光が包み、体の痛みが消え、重さも無くなっていく。
「……ん、あ………」
暖かな光の心地よさで睡魔が頭の内を埋めていく。
視界がぼやけて意識が途切れていくその最中に少年の頬に雫が落ちた。
「……え……?」
思わず意識は凝らすと―女性が泣いていた。
嬉しそうに―。本当に心の底から嬉しそうに微笑みながら泣いていた。
『――――――なんで……?』
分からなかった。
何故、自分を助けてくれたのか。
何故、その人は泣いているのか。
何故、泣いているのに、―微笑んでいるのか。
何も分からなかった。
――だから。
知りたいと思った。
救いの理由を。
涙の理由を。
微笑みの理由を。
生きて知りたいと。
生きて――、強くなって知りたいと思った。
そして――。
そこで、意識が睡魔に呑み込まれた。