ちょっと最近の小説に言いたいことがある。
最近の小説、主にランキング上位を独占してる作品に対して言いたいことがある。「なんだこいつ一つも物語書いたことない分際で」と思う方もいらっしゃるかもしれない。そういう方には一読者の意見にすぎないのでおおらかな気持ちで聞いてほしい。
ハイファンタジー系で現在上位を独占している作品に多い特徴が、「自分(主人公)が能力があることに気が付かず、足手まといとして捨てた後、自分の有能さに気が付かなかった元仲間が右往左往しているのを見てざまぁする。」といった所謂、チート主人公ものだ。このような作品をつまらないと思う理由は数多くあるが、まず「ざまぁ」という表現が好きではない。ざまぁと記さずともざまぁのような展開が好きではない。ざまぁっていう表現は軽い印象がある。数年前になろうで掲載されていた作品の中に”二度目の勇者は復讐の道を嗤い歩む”という名作があった(現在は削除済み)。重い復讐物だ。一度目の転生で魔王を倒して世界を救う様依頼され主人公はそれを死の危機に瀕しながらもその世界の人々の安寧を願って達成する。ここまではありきたりな作品だ。この後が悲惨だ。勘づいている人は多いと思うが、主人公は裏切られる。自分が救った世界の人々に、国に、一緒に魔王を倒した仲間にさえも。裏切られたシーンの描写はあらゆるネット小説の中でもトップクラスに残酷で、主人公に感情移入してしまう程に引き込まれるものであった。タイトルにある通り、二度目で復讐するっていう物語。今の作品にそんなものはない。大した理由もなく、パーティを排斥されそれを恨んで見返す。なんてつまらない展開なんだろう。元々能力があるのだからざまぁできるのは当然のこと。主人公は元仲間のことを邪険に扱う。元仲間が悪いとはいえ、主人公が明らかに強い立場になる。それもほとんんど苦労しない展開が多い。大した恨みもなく強いものが弱いものをいじめる展開がなぜ面白いのか。ざまぁした後の展開も悲惨だ。元仲間が反省して主人公に媚びてきたり、主人公がどんどん立場を上げていって女を侍らしていったり。この主人公に感情移入などできるだろうか。
前述した通り、つまらない理由の二つ目はキャラに魅力がないことだ。多くの読者が異世界物を読むときに自分も一緒にその世界に浸ると思うが、チート主人公に自分を重ね合わせるのであろうか、甚だ疑問である。チート主人公の多くは頭が悪い。欲望に忠実であり、物事はなんでも自分が授かったチート能力(主に力で)で片づけようとし、きれいな女に見境がない。問題は主人公だけではない。チート能力のせいで悪役が全く際立たない。悪役は全て登場したときから主人公に劣っている。力をだんだん身に付けていくストーリー(ワンピースやハンター×ハンターなど名作少年漫画のような)ならば、主人公を遥かに上回る敵が現れ、敵役に魅力を感じる人も少なくない。チート作品の悪役はだいたい雑魚だ。主人公の噛ませ犬でしかなく、悪役の生来を掘り下げることなんか勿論ない。魅力は皆無だ。話の中心は専ら道徳心が欠けている主人公とそんな主人公に魅了される女ばかりだ。キャラに魅力がない作品がつまらないのは当然だ。
ここまで散々チート作品なるものDisってきたが、おそらく、いや確実に私の意見は少数派でしかない。なぜなら、現在においてそのような作品がランキングを独占しているからだ。皆が求めているのはおそらく、チートによって一方的にざまぁするといったような一瞬の快楽である。険しい障害なんてほとんどなく物語内は順風満帆な理想な世界。今執筆している作者はその読者の欲求を満たそうとしているだけで世の理に適った人達ばかりである。ここまで読んでくださった方々ありがとうございました。チート作品の作者の方々散々Disってしまいましたが、チート作品の需要は確かにあります。私の意見は少数派のただの弱者の意見として上から見下ろしてくださって結構です。私の意見を聞いて少しでも納得してくださって参考にして書こうと思った作者様に関してはぜひ私に書いてくださった作品をおすすめしてほしいと思います。繰り返しになりますが、小市民の拙い文をここまで読んでくださった皆様方に感謝致します。
追記
感想でご指摘頂きまして、誤認があったようです。現在の読者はポイントをくれる少数派とポイントをくれない大多数の二極化しているようです。ここまで読んでくださった皆さんにお願いがあります。ぜひとも、読んだ作品には評価をしてあげてください。皆さんが一人でも多く評価してくださることによって正当に評価され現在のランキング状況も変わると信じております。