第7話夢
...とある寺...
大阪へ向かっている最中、とあるお寺についた。
そのお寺の敷地内へ入るとそこには阿修羅像があった。
その阿修羅像に触れようとした時、どこからか怒鳴り声がした。
その声のする方向に振り返るとそこにはこのお寺の住職だった。
「住職。すまない、つい興味本位で触ろうとしてしまった。」
「泥棒かと思い来たがお前さん、さては太閤に恨みがあるものと見受ける。お前名はなんと申す?」
「源頼綱だ。」
「源?まさかだと思うが頼朝の子孫かい?」
「あぁ、そうだ。」
「なら話がある。」
住職が鍵を持って庭を挟んだ向かいにある蔵に入った。
蔵の中に入るとたくさんの書物などがある中を進み奥で古びた木箱を見つけた。
これは?と住職に尋ねると住職がこういった。
「今から200年くらい前に鬼を退治するために使われた刀じゃ。名を八雲という。」
「なんでそんな刀を俺に?」
「実はな。この寺を建設するために頼朝様のお力を借りた恩があったからな。ほれ持っていけ!」
「あと、今日は泊って行きなさい。お二人さん」
自然と佳枝と目が合い目を瞬時にそむけた。
住職の言葉に甘え泊ることにした。
...夢...
目を覚ますと見覚えのある景色が広がっていた。
周りを見渡しても何の変化もない
ただただ、走り続けた。
走り続けていると雪が降り始めた。
見えてきたのは懐かしい故郷。
そこには懐かしい村のみんながいた。
村のみんなのもとへ行きこう叫んだ。
「帰ってきたんだ...やっと...」
頼綱はそう呟き村にいた妻を抱いた。
「どうしたの?頼綱。」
と妻がそう呟く。
周囲には不思議そうにした村人たちが頼綱のほうをじっと見ていた。
周囲を見渡しても懐かしい人ばかりで涙が止まらなかった。
「夢なのか?夢じゃないのか?そんなのどちらでもいい。」
そう、頼綱は言い今だけでもとそう思いながらいた。
...現実...
誰もが寝静まったよるに一人の男が不気味な笑顔でこう言った。
「ゆっくりおやすみ。頼綱」
その男の瞳には無と刻まれていた。
つづく