いつも通りにはいかないらしい
『今月もお疲れさまでしたぁ。今回も一歩届かず二位…流石マサキさんですぅ…。』
『そんなことないさ。お前だってやろうと思えば俺より上位くらい取れるだろ?』
『マサキさんより上位って…それもう一位じゃないですかぁ…。』
討伐ランキングが掲示された日の昼過ぎ、俺はイケパとチャットで話していた。
俺は実際にイケパと会ったことないし、声も聞いたことすらない。いつもチャットで話していた。まぁ俺が会う気も声も聞く気もないというのが原因だが…。
『そういえばこの前家に不思議なネックレス?が届いたんですよぉ……マサキさん知ってます?ネットで広まっているんですが、どうやら何かのゲームの上位者に配られている物らしいんですぅ。』
『あぁ、確かに俺のとこにも来たし、その話も聞いたことはあるな。誰がこんな手の込んだイタズラをしてるかは知らんが、面倒なことになるのだけは勘弁だな。』
『どうやらこれを受け取った一人が大学で調べたらしいですが、なんとこの地球にはない鉱石らしいですよぉ。』
『そうかい。俺はそんな都市伝説気味たものは信じないがな。ん、そろそろ夕飯の準備をする時間だからまた後でな。』
俺はパソコンをスリープモードにしようとして、まだ今日はレイジング・ファンタズムにログインしていないことに気付き、少し時間に余裕もあるため開いた。
「地球にはない金属の謎のネックレス、ねぇ。どうせなら異世界に飛ばすくらいの物だといいんだが。」
俺はなんだかんだポケットに入れっぱだったネックレスを見つめる。もしかしたら俺はこいつに期待していたのかもな…異世界でもなんでもいいから、何もないいつもと違うことをしてみたいって。
ぐいっ。
ん?あぇ?なんかパソコンの画面引っ張られて…
「うおぉぉあああああぁぁぁ!?」
なにこの感覚!落下してんの!?
周りを見渡すと青色の空が一面に見える。
雲は?なんで雲がないんだ?…俺が雲より上にいるからなのね!!
「し、死ぬううううぅぅぅぅぅゥゥゥ!!!」
雲を抜けるとそこには草原が広がり、少し先に町…いや、国が見える。
ゴンッ!
景色なんか堪能してるうちに頭から落ちてしまった。痛みはない。多分即死したんだろうな。
このまま俺の意識は消え………ない。
「生きてる、のか?もしかしたらここが死後の世界かも知れないが……」
俺は落ちついて周りを見る。
「あ、れ?ここって……この地形、あそこに見える異世界感満載のスライムみたいなモンスター…間違いない…!?」
あぁ、確かに俺はいつもと違うことをしたいと心の底で思っていたさ。だからって神様…
「本当に異世界に飛ばすんじゃねぇよぉ………」
なんかようわからんことになってきましたね…