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異世界でひっそりと暮らす天使 その強さ規格外  作者: 紀朝雄
第2章 覚醒
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第9話 勇者たち

今回は、主人公以外のヒロインたちの話です。

 勇者となったシルヴィアと、僧侶としての力をつけてきたシーラ、

 そして遊撃士という盗賊と戦士のスキルを合わせたような役割をしているティカの3人は、魔物の襲撃が多くなったという精霊の森にあるエルフの村の救援に来ていた。

なんでもゴブリンだけでなく魔族も出現しているらしい。

 森の中をシルヴィア達は偵察していると、冒険者の男3人が助けを求めてきた。

「助けてください」

 シルヴィアは駆け寄り

「どうしたのです?」と尋ねた。

「魔物に襲われて・・・あっちです」

 冒険者達は森の奥へ指をさした。

「あなた達はここにいて!」

 シルヴィア達は指をさした方に向かうと、ゴブリン達が待ち構えていたので、

シルヴィアは剣を抜き戦おうとすると、さっきの冒険者達に3人とも後ろから羽交い締めにされた。

「こいつは上玉だぜ!」

「ああ、いつものエルフや獣人と違って久しぶりの人間の上玉だ」


 シーラは冒険者達に向かい叫んだ

「なんて恥知らずな! ゴブリンと手を組んでエルフ達を襲っていたのですね!」

「ああ、楽しませてもらったぜ」


 ティカは静かに自分のダガー達に命じた

「行け!ダガー達!」

 そういうやいなや、ティカの腰についていたダガー3本が宙を舞い

 男3人の首を切り裂き殺した。

 シルヴィアは、自由になりティカに話した。

「ティカありがとう!相変わらず便利ねそれ」

「うん、それよりあれを倒して誰か生き残りがいないか確かめないと」

「そうね!」


 シルヴィアは剣を構え斬りかかっていった。

 ティカは、腰のダガー1本を手にし、宙を舞っているダガーを1本をさらにもう片方の手に持ってゴブリンに向かった。残り2本のダガーはティカの腰に戻った。

 シーラは杖を構え身構え、自分たち3人にプロテクトという防御魔法を唱えた。

 これがいつもの戦闘スタイルだ。


 シルヴィアは華麗に剣を振り次々とゴブリンを切り裂いていき、ティカはゴブリンの攻撃をかわしつつ、的確に首や心臓などの急所をダガーで突いたり切り裂いたりしていった。それは敵の不意をつく少しトリッキーな感じだ。

 もともと蟷螂拳等を習得していたので、1対1だとシルヴィアでさえ負ける時がある程腕が立った。

 当初、マックスの妹という扱いだったシルヴィアは、彼女の技や身体能力の高さに驚き、なぜマックスが自分たちと一緒にこさせたか分かる気がした。

 それ程強かったのだ。

 シーラは、2人をサポートしつつ、時折敵の攻撃を杖で受け流したり攻撃したりして身を守っていた。

 自分たちの3倍ほどの数のゴブリンだったが、あっという間に倒していった。

 

 それを木上で魔族が3人覗いていた。

「さすが勇者というところですか」

「なかなかやるではないか、だが魔法使いはいないようだな」

「潰すなら今か」

 3人は一斉に勇者たちに向かってファイヤーボールを放った。


 シーラは杖を掲げ、自分に向かってきた魔法を打ち消し

 シルヴィアは剣で防いだ

 ティカはニヤリと笑うと、片手でそれをすくうようにして体ごと回転させ、飛んできた方向に投げ返した。


「な!」

 魔族は驚き、返ってきたファイヤーボールを1人まともに受けてかなりの深手を受けてしまった。

「なんだあいつは! あんな非常識な事ふつうできるか!?」

「一度引くぞ!」

そういって負傷した魔族をかかえ、その場から去った。


 驚いたのはシルヴィアたちも同じで

「ティカ! あんた今なにしたの?」

「え? 気功つかって受け流したんだよ?」

「受け流したって・・・魔法ですよ・・・」

「うん、ああいう系統はできるんだよ。できないやつは防御しかないけどね」

「普通じゃないと思ってたけど、まさかここまでとは」

 シーラは少し疑問を感じてティカに聞いてみた。

「ティカさん、ひょっとしてマックスさんもそれできるの?」

「できるよ。ティカよりもうまいんだよ!」

「いったい、あなた達は何者なの? マックスさんとティカさんは兄妹だけど本当の兄妹じゃないんでしょ?」

「えー!そうなの!? なんで本当の兄妹じゃないの?」

「「え?」」

シルヴィアとシーラは驚いた。

ティカは、マックスといまだに本当の兄妹だと思っていたからだ。

「だ、だってマックスさんは人間だけど、ティカさんは獣人でしょ?

 髪の毛の色も違うし、顔も似てないし・・・」

「そうだったんだ・・・なんか違うなぁって思ってたけど・・・・」

 ティカはうつむいて考え事をしはじめた

「あ、でも血はつながってなくても本当の兄妹みたいにこれからも生きていけるから大丈夫よ」

 ティカは首をフルフルと振って言った。

「兄妹じゃなくてもいい! だってそしたら結婚できるもん!!!」

「「え!!」」

「ま、まちなさい」

「ティカさん、落ち着いて」

 二人はティカがある意味暴走しそうになっているのを止めようとした。

「マ、マックスもまだ本当の兄妹と思っているかもしれないじゃない?」

「ティカさん、結婚は簡単にはできないのよ。マックスさんにも結婚したいと思う好きな人いるかもしれないじゃない」

「え? 誰それ! お兄ちゃんが結婚したい人って誰? 私の許可なくお兄ちゃんに近づくなんて許せないわ!

 今すぐ帰って、お兄ちゃんに聞いてみる!」

「ま、まちなさい!」


 その後二人はティカの暴走をなんとか引き止め、エルフの里へ戻っていった。


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